投資あれこれ

 お金をもらったとき、それを貯金する人は多いと思います。銀行貯金こそが唯一絶対的に安全な方法だと信じている人も時々会います。それは考察した上でそういう結論を出しているというよりも、思い込みによってそういう結論を最初から出して思考停止しているという人ではないかと思います。特に年齢の高い人にこういう傾向があるように思われる。
 貯金はそれほど安全だろうか。実際にはインフレリスク、信用リスク、為替リスクなどがある。日本は今はインフレリスクはあまり考えなくてもいいが、それでも信用リスクと為替リスクは確かに存在する。日本は多額の借金を背負った国であり、政治体制も不安定。しかも災害や戦争など、いつ何が起きてもおかしくない危険な地域に存在する。だからこのような国の通貨に自分の財産を全て預けるということはそれ自体がリスクである。かつてのアジア通貨危機、あるいは現在重大な問題に直面している欧州通貨危機のように一度日本円の信用が下落をしたら、国内の貯金だけに自分の財産を保有しているならば相当な目減りを覚悟しなければならない。また日本では預金の利子は殆ど無いに等しく、貯金に何ら合理性を見出せないのは随分前から言われていることである。
 そこで投資ということを考えなければならない。日本では投資をギャンブルと同一視する人がたくさんいて、投資そのものを悪と見なして思考停止してしまう人にそれなりにまだ会う。だが日本でもアメリカでも、株価指数に投資した場合に長期的視点で見れば銀行預金よりも株式に投資していたほうが利益が多いということは歴史が示している。それは上場企業の平均的な成長力が銀行預金の利子よりも高いということである。もちろん株式投資のリスクは預金よりも高いのだが、同時にリターンも高い。結果として期待収益率が銀行預金のそれよりも高いのである。

 さて投資は株式だけではない。有名なところでは債券・投信といった株式以外のその他の金融商品、不動産、原油・大豆といったコモディティがある。金などの貴金属を保有する人もいるだろう。
 ちょっと変わったところでは、美術品、骨董品、映画、ワイン、飛行機、船、会社、個人のベンチャーといった色々な投資がある。飛行機や船や工事用の重機を買い、それを貸し出して料金を取ることによって運用し利回りを得るということも可能である。太平洋を飛んでいる飛行機や航行するタンカーが、実は個人の所有している投資案件であったりする。不動産でも管理を委託出来る会社があるが、飛行機などでも委託を出来る会社があるようで、以外とそんなに難しい投資ではないかもしれない。
 美術品、骨董品、ワイン、映画などはかなりの専門知識や審美眼を必要とするため、ギャンブル的要素は強くなるだろう。正直素人が自分の財産を運用し利益を得る目的で手を出すべき分野ではない。専門化ですら偽物を買ってしまったりするのはよくあること。それでも当たれば大きいというのもあるし、自分がこれらの分野が好きならば趣味の延長として勉強しながらやってみるのも面白い。例えば美術品投資を考えるならば、美術展に行ってみたり画廊を周ってみたり美術大学の展覧会に行ってみたりして、面白そうな新人画家を探してみるのも良い。なかには未来のピカソがいるかもしれない。
 昔、マネーの虎という番組があった。事業を立ち上げようとする人々がプレゼンをして、気にいられれば投資家から出資を得られるというものである。日本ではこういうことをする人は少ないのだが、欧米やら中国やらの外国の一部では珍しくもない投資となっている。もちろんこれも高度な専門知識が必要であり、それがある専門家のベンチャーキャピタルが投資をしても成功するのはほんの一部だけと言われる。だがこれも当たれば大きい。ヤフーのような企業を発掘して当たればまさに一攫千金となる。これがいい点の一つは、素晴らしい起業家がいても資金難によって起業が出来ないという問題を解決できること。このような起業が出来る社会になれば、日本経済を牽引し社会を助けるという意義を見出すことが出来る。決して数は多くはないが、起業家と投資家を結びつけるマッチングイベントが主に大都市で時々開催されているので、そういう場に行ってみると掘り出し物が見つかるかもしれない。別に自分がベンチャーキャピタルに勤務していなくても、個人でも投資は出来る。

 また投資は日本だけでなく、海外の投資というのも考えるべきである。国際化の進んだ現代では国境に関係なく簡単に投資が出来る環境が整えられてきている。海外の金融商品は随分前から簡単に証券会社で買うことが出来るし、海外の不動産を仲介する専門の会社もいくつも出現している。成長が鈍化し数々の問題がのしかかる日本に財産をおくよりも、リスクはあれども高いリターンの望める海外に投資を考えるのが結局リスクが低くなるかもしれない。

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売却するために会社を作るというビジネス

 昔、M&Aのファイナンスの授業中、教授がある話をしてくれた。一時期著作権問題で話題になったファイルを交換するナップスターという会社の話である。この会社は音楽等のファイルを自由にネット上でコンピューターを接続して公開し交換することで、音楽なんかを事実上無料で手に入れ放題というものであった。その教授は会社の創立者と会ったのだそうだ。よく覚えていないが、たぶんナップスターの創立者のショーン・パーカーのことだろう。それで教授は、「人はファイルを手に入れられるから会社の人気が出るけれど、ビジネスモデルとして収入源がないじゃないか、どうするのか」と聞いたそうだ。だが彼は何も考えていなくて、「多分会社を売る、その金でまた何かビジネスを始めればいい」みたいなことを答えたそうだ。ビジネスとして収入源も考えていなくてビジネスモデルとして成立していないものを作って、それがITビジネスとして成立するなんてなんといいかげんな、みたいなことを教授は言っていたように覚えています。

 さてこの話を聞いたとき、私もITバブルの知識を少し持っていた私も、このころはこんないいかげんなビジネスが平気でされ、しかもそんないいかげんなビジネスに大量に資金が流れ込み投資として利潤を追求するなんて馬鹿なことがまかり通っていたのだとの思いを新たにした。
 だけど今は少し違うことを考えてる。ナップスターは著作権の問題があるために、確かに会社としてあるいはビジネスモデルとして問題があった。だが今は会社がどうやって売上・利益を上げるかという収入源については別の考えを持っている。
 それは会社はとにかく人の役にたてばそれだけで悪くない、必ずしも収入はいらないということである。便利なものは良い。人が使って便利で役に立つものならば、それだけで人気が出る。人気が出ればたくさんの人が集まってくる。たくさんの人が集まれば、それだけでビジネスになる。例えば広告を貼り付ければいい。広告でなくても人が集まることによって本業以外に何かビジネスを展開すれば良い。自分で収入を上げられなくても、そのビジネスを他と組み合わせることによって利益が生まれるかもしれない。そうならば合併や会社の売却をすればよい。そうすれば会社の創立者は会社が赤字であっても莫大な創業者利益を上げることが出来る。人から必要とされる存在になるということそれ自体がビジネスになる。
 例えばGyaoという動画サイトは赤字続きだったと言われているが、少なくともある程度の人気があった。そして今そのビジネスはヤフーに売却されて数多くの動画配信を行っている。ヤフーは動画サービスの提供によりより多くの集客をすることが出来るし、Gyaoはヤフーから新規の顧客が獲得できることを期待できる。そしてGyaoは2011年三月期で営業黒字を達成したらしい(参照 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1109/08/news023.html)。赤字だった企業ばかりでなくても、このように人の役に立つサービス、集客力のあるサービスはビジネスとして成立していなくても、売却や買収のシナジー効果により生まれ変われる可能性がある。ヤフーをはじめとするポータルサイトは総合的なサービス企業として数多くの新サービスを提供し顧客獲得と売り上げ増に努めているので、役に立つサービスやすでに多数の顧客を持っているサービスは、それがビジネスとして成立していないものでも値段が折り合えば欲しいというのが本音だろう。スカイプもその会社が上げる収入よりはるかに高い金額でマイクロソフトに売却されたし、Youtubeもグーグルに買収された。
 だからビジネスをはじめるとき、収入源が明確でないようないいかげんなビジネスでもビジネスが成立することがある。とにかく人の役にたつもの・人気がでるものであればいい。そうすればお金は後からついてくるかもしれない。欲しい人に会社を高値で売ってしまう、そういう会社を作る、というのも一つのビジネスかもしれない。もちろん最初から会社を売るというのが目的で会社を設立する人も既に多くいる。だが会社が売れるのは儲かっている会社だからというのが一般的だろう。たとえ儲かっていない会社が売れても、安く買い叩かれては苦労のしがいがない。だが儲かってなくても売れる会社、儲けよりも遥かに高い値段で売れる会社というのが普通に出てきて、それが普通にビジネスとして成立する時代になってきているのかという気もする。

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水戸黄門とLED電球から見た企業戦略

 LED電球が急速に普及してきている。LED電球は省エネで長寿命なので、数年前から従来の電球に代わる主力商品になることは予測されていた。ジーエフケーマーケティングサービスジャパンによると、LED電球が2011年5月第4週に、電球の全販売個数に占めるLED電球の割合は42.3%と4割を超えて、白熱電球の割合(39%)を初めて上回った。量産効果や技術革新によって価格が低下していることによって売上が伸びている。
 東芝はすでに他社にさきがけてフィラメント型の電球の生産を2010年3月に廃止、全てLED電球の製造に切り替えた。明らかにLEDが今後の主力製品になることを見越して、資源を新製品に集中するためだと考えられる。一時期東芝のLED電球のシェアは48.7%と50%近くに達した。その後は競争が激化してシェアをかなり落しているが、このようにいち早く将来の主力製品になるものに先駆けて集中する戦略は有効であると考えられる。

 新しい時代となって新技術が主力になるときや既存顧客が大幅に変わることが明らかな場合に、まだまだ自社商品に顧客がいても、儲かっている商品があるときでも、企業はあえてこれらの商品や顧客を捨てることが企業戦略の一つとして有効なことがある。既存の需要にかまっていると、新しい時代に乗り遅れることがある。音楽がデジタル化していく中でいつまでもレコード針などのレコード関連の製品を作り新規分野に参入することに乗り遅れた企業はこれのいい例である。
 さて水戸黄門が今年の12月を最後にその長い歴史に幕を下ろし終了する。水戸黄門は1969年に始まり一時期は最高で43.7%という高視聴率を誇ったらしい。その番組が何故今視聴率が低迷し終了してしまうのか。細かく調査し裏付けをとったたわけではないが、これを想像と仮定を使って考えてみるならば、電球やレコード部品と同様であると考えられる。
 水戸黄門は偉大なるマンネリ番組である。いつも水戸黄門御一行は絶対正義であるだけでなく絶対的に強く、よもや黄門様に間違いがあったり悪に負けるなんてことはあり得ない。物語はいつも単純で、悪いやつが不正を働き、それを水戸黄門が調査し懲らしめる。殺陣も迫力のあったり人が血飛沫をあげて生々しく死ぬような真剣なものであったりするものではなく、やられ役が格さん助さんの周りを囲んで打ち合わせどおりにやられる順番を待っている。ようするに正義が勝つことを安心して待ちながら見ていられることが受けた番組であった。
 だが時代は変わる。映画やドラマは真実性を追究したようなものが邦画だけでなく洋画からも大量に流入し、このようなマンネリ番組を好んで見るのは主に高齢層になった。若い層はもうこのようなどのシリーズを見ても同じ物語ではなく、予測がつかないものや驚きを与えてくれるものや知らないことを教えてくれるものや真剣に戦っている物語ではないと面白いとは感じなくなった。現在は趣味の多様化でテレビの視聴率自体が全体に落ちている中、水戸黄門が好きな高齢層はさらに高齢化して徐々に消えていき、しかし新たな若年層を視聴者として獲得することは出来ない。それでも水戸黄門は相変わらず従来のマンネリを変えてまで新規視聴者を獲得しようという冒険には出なかった。そうすれば今までの水戸黄門を見ていた視聴者を失うからである。結局水戸黄門はそのままずるずると視聴率の低下に苦しむことになる。
 これは遠山の金さんや暴れん坊将軍といった他のマンネリ時代劇も同様である。現在において一時期人気のあった時代劇の放送があまりないのは、従来の顧客を失うことに気をとられて新規顧客の獲得に挑戦することをしないからである。別に水戸黄門でなくてもよい。現在のテレビの視聴者に対して彼らの趣味に合う新しい時代劇を製作すればよかったのだろうが、結局それは出来ていない。

 トヨタのクラウンという車がある。一時期は「いつかはクラウン」という名文句と共に日本人の憧れの高級車であった。実際にどこかで見たがかつてはアンケートでもとても高い人気を誇っていた。その反面、クラウンが嫌いという声も特に若い層を中心に増えていった。高齢層にとって憧れの車だが、若者にとっては年寄りが好きな古い価値観の親爺臭い車であるという印象が強くなりすぎていた。しかしクラウンを買う高齢層を考えると、モデルチェンジの際も彼らの趣味に合わせて「親爺臭さ」を捨てることが出来ない。この結果さらに若年層はクラウンに興味を失っていく。不況や売れ筋がミニバンなどに移ったこともあって、クラウンを買おうという人は高齢層ばかりであった。
 トヨタはこの状況に危機感を抱く。このままでは今は売れていてもいずれ将来はクラウンを買う人がいなくなる。そして2003年のモデルチェンジでクラウンのコンセプトを変更し、もっと若者の趣向に合うようにデザインをスポーティなものにしてきた。従来のふわふわのサスペンションも走行性能を意識したより硬めのハンドリングの良いものになった。これは従来のクラウンが好きな高齢層には一部不満が出たようだが、購買層の平均年齢をある程度下げて新しい顧客を獲得することが出来たと言われている。

 企業は時にあえて自分の顧客や商品を捨てる勇気が必要である。技術が時代遅れになるとき、顧客が代わるとき、それでも今の商品を捨てるというのは勇気がいる。今までこれでよかったのだからあえて危険な橋を渡る必要は無い、このままでいいではないかと変化を嫌う人がいる。しかし変えなければ危険ということもまたあるのである。

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スズキとVWの提携解消について

 2011年の先月九月に、スズキとVW(フォルクス・ワーゲン)が2009年に発表した提携の解消に動いているという記事が紙面を騒がせた。実はこの提携については以前から進展がないとかうまくいっていないという噂があり、そのような記事が業界紙やインターネット上でもいくつか見られた。とにかく両社の間で具体的な動きがないのである。

 スズキは市場は主にアジアで強く、小型の安い車を得意としている。VWは市場は欧州は当然として南北アメリカでも強く、小型車から大型車までを揃えており、元々は大衆車メーカーとはいえ少し高級で高性能な車を得意としている。それ以外にもVWはベントレー・ランボルギーニといった超高級車からセアト・シュコダといった低価格車までのいくつもの自動車会社を買収して多数のブランドを持つフルラインの自動車会社である。
 この2社は異なる得意市場と異なる得意製品を持ち、一見お互いに得意分野で技術提携して不得意分野を補完しあえば理想的な組み合わせのように思える。例えばスズキはVWの環境技術が欲しいだろうし、VWは当初はスズキの原価低減の製造技術が欲しかっただろう。スズキは費用のかかる新エンジンの独自開発をするよりも、他社の持つエンジンの供給を受ければ時間と費用と資源を大幅な節約になる。だが両者の間で提携に関する進展が殆ど聞かれなかった。それどころかスズキはフィアットからディーゼル・エンジンの供給を受ける契約までしてしまう。
 実際、両社の補完関係はあまり機能していなかったという話がある。VWはスズキの原価低減の製造技術はすごいが、そのために性能・品質を犠牲にしていると判断した。スズキはVWの高性能な車は、スズキのように安い車を庶民に提供するためには不必要に高価であると判断した。VWの得意とする時速160キロの高速安定性など特にアジアにおけるスズキにとってあまり意味がない。またVWにとってもスズキとの提携はすぐに利益をもたらしそうにはない。だがVWはスズキをシュコダのようにグループに取り込み、特にアジア地区での販売を任せてグループ全体の総売上を伸ばしたい、あわよくばそれで自動車業界1位の座を獲得したいという思惑があったとされている。だからVWの3月の決算報告書に「スズキはVWの持ち分法適用会社」として含めたのだろう。提携で技術や部品の供給をするのではなく、スズキが持分会社の一つとして今後の大幅な拡大が望めるアジア地区を押さえてくれればVWにとって理想的である。
 だが最初から自主独立路線を掲げるスズキにとって、これは容認しがたい問題であった。そもそもスズキはそうならないように発行株式数の20%に届かないぎりぎりの株式をVWに保有してもらう契約にしている。スズキの目的は自主独立を守ったままの提携であって、VWから技術の供与や部品の供給を受けられないのならばこの提携は意味をなさない。ましてVWに一方的に取り込まれてやる必要などない。両社の溝は埋めがたいと言っていいだろう。

 自動車会社間でいくつもの合併があったが、近年ではあまりうまくいかないのではないかという批判的な声も聞かれる。実際うまくいっているのはルノー・日産連合くらいであり、互いに得意市場とラインアップを補完できるダイムラー・クライスラーは理想的な結婚と言われながら、企業文化の違いやダイムラーによる経営関与が強すぎて失敗している。その意味でスズキが2009年の時点で提携に留めたのは悪くない判断だった。提携が機能しなかったとはいえ、今VWと別れたとしてもあまり傷が深くはない。時間は失ったが、泥沼にはまっているわけではない。VWじゃなくても新たにより良い提携相手を探せばいい。

 だがVWはどうだろう。VWにとって前述のごとくスズキを傘下に収めるのは意味がある。またスズキの株式の19.9%を取得して既にそれなりの額の投資をしているVWにとって、今手を引くことは株価の下落もあってそれなりの損が出ることになる。投資時の株価は1株2061円で、総額は約2225億円に上るが(†1)、今年9月の株価はおよそ1500-1700円程度の範囲で動いている。それは経営者にとって経営責任を問われることにもなるかもしれない。それならば株式の買占めをして今度こそ本当にスズキを子会社にしてしまうというというのは、経営者にとってもVWの利益にとっても充分に魅力のある話である。まだVWは態度を明らかにしていないが、水面下で計画を立てあるいはすでに実行に移している可能性も捨てきれない。この際にかつての三菱とダイムラーのときのように、スズキの買収後の経営がうまくいかない危険は当然出てくるのだが、今はVWも売上は比較的伸びておりトヨタを追い越すとも言われており投資をする体力はあるようだ。

 ではそれに対してスズキはどうするか。買収を避けるのならばポイズン・ピルのようなそれに対する通常の対策に加えて、新たな提携先を探すのも一つの手段である。強いバックアップがあればVWも手を出しにくい。例えば軽自動車に注力している日産にはスズキはすでにOEMという形で商品の供給をしている。日産は三菱との関係を強化しているが、軽自動車の将来性に注目した日産と、日産の環境技術が欲しいスズキならば可能性はあるかもしれない。どのみちスズキ単独で将来の対応として独自の環境技術開発をするのはあまり得策とはいえず、新たな提携先を探すのは自然な流れと言える。スズキの小型車や製造効率やアジア市場での売上といった強さは他社にしてみても魅力はあるし、だからこそスズキも強気に出ているのだろう。この強さがあるうちに早めに次の対策をする必要がある。

2分でわかる「これがVWとスズキ提携解消の真相!」まとめ

http://clicccar.com/2011/09/15/60918

スズキが今回、VWに対して2009年12月に締結した資本業務提携の解消を申し入れた事で、今後のVW側の動きが注目されますが、今一度それまでの経緯を整理してみましょう。

 

【当初の提携目的】
・VW:インドなど新興国向けの低価格小型車の開発ノウハウを得る。
・スズキ:VWが持つHV車やEV車の環境技術の提供を得る。
新興国向けの低価格小型車をVWに供給する。

 

の筈でしたが、提携後 1年9ヶ月が経過してみると・・・

【スズキ側の見解】
・VWの申し入れを受けて、互いに独立したイコールパートナーである事を条件に契約を締結したが、19.89%のマイナーな出資比率ではVWからまともな技術的支援を受ける事が困難である事が判った。

 

・提携の具体化に向けて交渉を続ける中で、スズキがVWのエンジンを採用した場合、スズキの生産の1割を占める他社へのOEM供給ができなくなるなど様々な制約がある事が判った。

 

・軽市場やアジア市場で競争力を維持していく為には経営判断における 『自主独立』が不可欠だが、VWが最近になって 『財務的、経営方針上、重大な影響を与える事が できる会社』 としてスズキを位置付け、それを公表。スズキの自主的な経営判断にマイナスの影響が出る事が懸念される状況になって来た。

【VW側の見解】
・業務提携以降、予想以上に具体的な進展が無い。
・スズキが提携後、伊フィアットからのディーゼルエンジン供給に合意し た事は契約違反であり、その行為に対し、数週間の改善期間をスズキに与えた。遺憾に思っているが、必要なら状況について協議する用意が有り、提携解消を意 図している訳では無い。 スズキの対応を見た後、次の段階について協議する予定だった。 スズキは「依然として魅力的な投資先」。

と言った具合で、何やら当初から妙な業務提携とは思っていましたが、どうやらVW側の狙いがもっと奥深い所に有ったのではないかと思われます。

 

つまり、ゆくゆくはスズキを自社傘下に収めて、悲願の販売台数世界一を目標である2018年を待たずに早期に達成してしまいたい、それも昨年まで世界一だった競合相手のトヨタが震災の影響から完全復活する前に・・・との思いが見え隠れします。

 

現にVWが契約内容に反して唐突にスズキを自社傘下如くの扱いに出たのが震災発生直後の5月。あくまで推論ですが、トップスリーの熾烈な世界販売情勢を見れば、それが絵空事では無い事に気付きます。ひと目で最新の世界販売の状況が判るグラフを作ってみたので御覧下さい。

つまりVWにとって、正に今年が、最速で世界一番になれる、またと無い「チャンス」となった訳です。「先見性」に優れている事で有名な鈴木会長ですが、提携時点の2009年には流石に現在の状況までは予測していなかったのでしょう。

VW側もスズキがいきなり提携解消技に出るとは「想定外」だった感も。焦ったVWはスズキとの提携解消を否定しているようです。しかし、その壮大な野望もスズキの反発で叶わぬ夢と化そうとしている・・・ そんなところではないのでしょうか。

 

鈴木会長はVWの世界販売台数No.1奪取の為に自社が利用されるなど、まっぴら御免との思いが頭をよぎったのかしれません。コトワザで『急いては事を仕損じる』と言いますが、やはり目標達成にはVWは正しいステップを踏むべきでしょう。


(†1)スズキ:契約違反は犯してない-独VWは協定違反とし是正求める、ブルームバーグ社記事より、http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aUVy1529Qe0g)

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新エネルギー開発投資

 経済もうまくいかず人気を低落しているアメリカのオバマ大統領だが、彼のグリーン・ニューディール政策も批判されている。例えば太陽エネルギー関連のソリンドラ社に政府から多額の融資をしておきながら、同社は中国企業との競争に敗れて9月8日に破綻した。グリーン・クリーン関連で多数の職を供給するといっておきながら、余計な混乱を招き財政を悪化させただけである。

 下記記事によると同社破綻後でも政府保証をしていたとなっており、事実ならば融資の判断に問題がありそうである。少なくとも同社が破綻した以上、多額の融資は失敗だったし融資すべきではなかったと結論できる。融資時に本当に同社に明るい展望があったのか、競争力を持っていたのかについても疑問が出てくる。
 だが不景気であり化石エネルギーに頼ることが環境の点からも安定供給の点からも価格の優位性の点からも問題を抱える以上、新エネルギーの開発に成功したものが今後のエネルギー分野において優位にたつことは疑いようがない。それはかつて19-20世紀において石油という新エネルギー開発に成功した企業と国家を見れば明らかである。エクソンモービル・ロイヤルダッチシェルといった石油メジャーや、アメリカ・イギリスといった国家が大量のエネルギーを使って大きな利益を上げ、今でもその恩恵を享受している。だからこそアメリカだけでなく多数の国が新エネルギー分野に助成金を出したり融資をしたりするのである。
 結果的にソリンドラ社が失敗したとはいえ、その意味においてこの分野に投資をして業界をリードしたいと思うことが間違っていたとは思わない。恐らく方向性は正しかった。しかしそれを実行していくための戦略や調査や見通しや過程などにたぶん問題があった。ソリンドラ社の破綻だけを見てオバマの政策が間違いであったと結論づけるのは単純すぎる。このような新規分野に投資するということは、当然危険があるのは最初からわかっていることである。それでも成功した場合の報酬が大きいと思われるから挑戦する価値がある。
 またこれは日本にとっても大きな教訓になる。日本は化石燃料分野において欧米に遅れをとったが、新エネルギー分野においては誰が主導権をとるかはまだ不明。実際ソーラー発電などで競争力を持っているのは価格競争力がある中国企業だったりするが、新エネルギーはまだ効率が悪く本当に主力のエネルギーになるのにはまださらなる技術的飛躍が必要。ただこの分野においてやみくもに商業ベースの融資や投資をするのではなく(それも必要ではあるが)、世界をリードすることが出来る画期的な技術力を持つようなことが必要なのかもしれない。


米FBI、破産法申請のソリンドラ社を捜索―政府支援に批判も

      2011年 9月 9日  12:39 JST
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_303706

 米連邦捜査局(FBI)は8日、太陽光発電パネルメーカーのソリンドラ社本社(カリフォルニア州フレモント)を家宅捜索した。同社は、連邦政府から総額5億2700万ドル(約408億円)の融資保証を得ていたが、連邦破産法第11条の適用を今週申請して事実上破綻した。

 FBIの家宅捜索は予想外で、ワシントンでは共和党議員がオバマ政権の実施したソリンドラ支援を批判するなど物議を醸している。

 

 FBIのソーン報道官は、捜査令状の執行はエネルギー省および同省監察官との共同捜査の一環だと述べた。ただし、同報道官は捜査の目的を明らかにせず、 ソリンドラの広報担当者デービッド・ミラー氏もFBIが何を捜査しているのか知らないと語った。同氏は家宅捜索は「全く意外」と述べたうえで、「本社ビル ではFBI捜査官たちが捜査令状を執行しており、われわれも捜査上必要なものを提出するなど協力している」と語った。

 

 ソリンドラは今週、破産法第11条を申請し、清算回避のため身売り先を探している。同社は資金の潤沢な中国のメーカーが太陽光パネルの価格を世界的に押し下げるなど競争が激しいため経営難に陥っていた。

 

 連邦融資機関は2009年、ソリンドラに5億2700万ドルの融資を供与し、エネルギー省が融資保証していた。

 

 ソリンドラは先週、工場を閉鎖し、従業員1100人を解雇した。同社では事務所と製造施設のあるフレモント本社で一部の幹部が依然働いている。ミラー氏は「われわれは身売りするか、知的財産の一部ないし全体を売却したい」と述べた。

 

 

 

 破産裁判所の判事は7日、同社に1カ月以内に同社資産の購入者を探すよう命じた。

 

 ソリンドラは私的整理による債務再編を実施した今年2月以降、生き残りのため買い手かあるいは投資家を探していた。この債務再編の下で、エネルギー省は 同社がデフォルト(債務不履行)の場合には政府から借りている大半の債務について会社存続に不可欠な新規民間融資6900万ドルの返済を優先させることを 受け入れていた。

 

 ソリンドラのウィルバー・ストーバー最高財務責任者(CFO)は7日、破産裁判所で、同社の潜在的な買い手2社と交渉中だと述べたが、社名は明らかにしなかった。

 

 

 

 ソリンドラは2005年に創設された政府の融資保証プログラムを受けているほか、2009年の政府の景気刺激法に基づき巨額資金を得ていた。オバマ政権 は同融資保証プログラムを再生エネルギー支援の目玉の1つと位置づけており、景気刺激法の下で執行されたソリンドラの事業計画が破綻したあとでさえ、融資 保証を供与していた。

 

 

 

 エネルギー省は8日、これとは別に、1億5000万ドルの融資保証を太陽エネルギー関連メーカーの1366テクノロジーズ社に供与した。このほか、9月30日の期限までに各種事業に数十億ドルの保証をつける見通しだ。

 

 しかしワシントンでは、オバマ大統領の2008年大統領選挙運動の資金調達者と関係のある基金がソリンドラに投資していた点を下院共和党が指摘、ホワイ トハウスがソリンドラとの取引で不適切に介入したのではないかと疑問視している。これに対し、ホワイトハウスは不適切な行為はないと否定した。

 

 下院エネルギー・商業委員会は来週、ソリンドラに関する公聴会を開催する予定だ。

 

 同委の民主党有力議員であるヘンリー・ワックスマン議員(カリフォルニア州)とダイアナ・ドゲット議員(コロラド州)は、下院エネルギー・商業委員会監 視・調査小委員会のスターンズ委員長に対する書簡で、ソリンドラのブライアン・ハリソン最高経営責任者(CEO)に公聴会で証言させるよう求めた。両議員 は、ソリンドラが今年夏、今年の売上高が2倍になると予測し、製品について「米国で強い需要がある」と述べていた点を指摘。「こうした保証は、破産法第 11条申請という同社の今回の決定と著しく対照的にみえる」と述べている。

                      

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ダイハツ・イースは実用的な低燃費車

 デミオのスカイアクティブがガソリンエンジンで低燃費を達成し思った以上に話題になっているが、ダイハツがガソリンエンジンでJC08モードで30km/リットルという低燃費を達成した。イースはアイドリング・ストップはあるものの、ハイブリッドや高圧縮エンジンや小型ターボエンジンといったわかりやすい新技術や新思想を使うのではなく、基本的に既存の技術の洗練によってこれを実現したようである。各社とも低燃費車を開発することが急務となっており、今回のダイハツの燃費は非常に魅力的である。

 軽自動車はエンジンが小さすぎるためにある程度回転数を上げなければ走行に必要十分な出力を得ることが出来ず、そのためにリッターカークラスの車と比べて必ずしも燃費が良いわけではない。しかしその軽自動車でこの燃費を達成したのはなかなかたいしたものである。
 しかも車両本体価格も79万5000円と低価格を実現した。軽自動車の車体価格も必ずしも安いものばかりではなく、背高のワゴンタイプは一つ上のクラスの車と比較してもそれほど割安感はない。イースの実際の売れ筋の価格はパワー・ドアロックのついた89万5000円のモデルになってくるかもしれないが、それでもこの価格は魅力的で競争力があるのではないかと考えている。イースは豪華さを目指したのではなく、経済的・実用的な車だろう。燃費が良くても値段の高くて元のとれないハイブリッドのような車ではなく、このような初期費用も維持費用も安くて実用的な車を欲しがっている潜在需要は多いのではないかと思っている。
 ガソリン・エンジンがこれだけの低燃費を実現しているなかで、トヨタはハイブリッドを使った小型車を開発中で、その燃費はリッター40kmを超えるのではないかと噂されている。燃費競争は今後もさらに加速していくものと思われるが、やはり燃費だけでなくこの価格は総費用で考えたときに大きな魅力である。ハイブリッドは魅力的だしおしゃれだが、それで価格が高いのではやはり一部の人のものとなってしまう。軽自動車は特に田舎においては主婦の足でありサンダルのようなものだから、気楽に買えて気楽に履きつぶせるものである車種も必要。ダイハツはいい商品を作ったと思うし、売れ行きもいいのではないかと予想する。

【ダイハツ イース 発表】燃費30km/リットル、79.5万円から
2011年9月20日(火) 15時34分
http://response.jp/article/2011/09/20/162553.html

ダイハツ工業は、低燃費、低価格を実現した新型軽乗用車『ミライース』を、20日から発売開始した。

ミライースは、昨今の環境意識や低価格志向の高まりを受け、誰もが乗れる「第3のエコカー」として開発。エコ(エコロジー+エコノミー)&スマートをコン セプトに、新開発「イーステクノロジー」を採用。既存技術を徹底的に磨き上げ、エネルギー効率の最大化を図ることで、約40%の燃費向上を実現。2WD全 車で、JC08モードで30km/リットルというガソリン車トップの低燃費で、全車、エコカー減税の75%軽減レベルに適合している。

外観は、スマート・エコスタイルをデザインコンセプトに、無駄を廃したシンプルでクリーンな造形により、合理的・知的なエコイメージを感じさせる先進的でいきいきとしたスタイリングを採用。

インテリアは、シンプルで合理的なデザインの中に上質さ、新鮮さを表現。インストルメントパネルは、ベージュとブラックのツートーンインパネを採用。独立したセンタークラスターとエッジを効かせたキャラクターラインにより質感と新鮮さを表現している。

また、部材配置・形状・材料選定を徹底的に見直し、品質面・原価面で、最も素質の良い図面を追求。車両特性に相応しいサイズ・機能・品質など、仕様を一から見直すことで、部品点数の削減や軽量化による原価低減を図り、79万5000円からという低価格を実現した。

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マスコミの報道と海外での取り扱いの差、同じニュースでも内 容や見方が違う

 いろんな事件が世の中起こりますが、その捉え方はそれぞれ違います。人によっても違うし、報道するメディアでも違うし、報道する国によっても違います。また事実をそのまま羅列し報道するメディアもあれば、ある特定の角度からその事件を取り上げたり或いはある解釈や意見をつけて報道するメディアもあります。報道する立場の違いから同じ事件が全く異なる報道の仕方をされることがあり、これらを知ることによって多方面な見方をすることが大切です。

 例えば第二次大戦前の日本は、日本の立場からの報道が非常に強かったように感じる。日本が朝鮮からさらに中国や満州に戦線を拡大していくとき、日本から見れば近隣の国々を日本の支配下におくことが国益にかなうことであり、欧米がかつてしたことを日本がしているだけのことだという思いもあったかもしれない。だがこれを中国や朝鮮はもちろん欧米の立場から見れば、日本の侵略主義であり全く異なる事件として捉えられるだろう。
 人は自分の立場をよく理解はしているが、他人の立場を理解するのは難しいことである。だが多方面な見方をし他の立場から物事を理解する簡単な方法がある。それは他国の報道を見て日本での報道と比較してみることである。新聞には小さな欄ではあるが、各国の主要な報道という部分があり、それぞれの大きな事件が掲載されている。幸運なことに、最近はインターネットの普及で各国の報道がもっと詳細に理解できる。すでに韓国・中国・台湾のメディアの一部は日本語サイトを開設あるいは開設準備中である。例えば朝鮮日報・中央日報・人民日報社・台湾トゥデイ等が日本語サイトを開設している。特にこれらの国の間で共通の事件があったとき、これらのサイトを参照することは事件での双方の立場を理解することに役立つだろう。また英語が多少でも出来ればアメリカ・イギリス・カナダ・インド・シンガポール・オーストラリアといった国々のニュースサイトを参照することが出来る。ヤフーの各国のバージョンにアクセスしてみるのもいい。
 実際に一つの事件をこれらのサイトを見て比較すると面白い。例えば尖閣諸島の問題、東北の災害の問題でも国によって報道の捉え方が違うのである。日本にとって外国からの腹立たしい行為があったとしても、国が違えばやはりそれぞれの立場や正義がある。日本に住んでいる人でも日本の立場からの主張だけをするのではなく、それぞれの立場を理解したうえでの対応をするほうがより有利となる。また日本が報道しないことについて知ることも出来るだろう。2008年に中国製の毒入り餃子事件があったとき、日本ではその毒薬成分は日本では手に入りにくいものであるが中国では普通に市販されているものであること、日本の別々の場所で販売されている餃子に入っていることから中国で既に混入されている可能性が高いことが報道されていた。でも日本以外ではこのような詳細な報道は必ずしもされていなかったか、されていてもそれほど大きく取り上げられていなかったようである。尖閣問題や竹島問題についてもそれぞれの国の報道がやはり違う。私も日本の報道だけ見ているとわからないことについてはっとさせられることがある。例えば今回の東日本の災害でも中国の支援などはあまり報道されていないが、中国のサイトでは大きく取り上げられている。

 もう一つ面白いのは、最近はインターネットの報道についてニュースの下に一般視聴者のコメントがつけられることである。かつてはメディア各社の報道する立場のものからの報道のみだったが、今ではそれについての一般人のコメントがつくことによって一般人の考えや捉え方がよくわかるのである。
 これについては一般人のコメントなので言語が理解出来ないと辛いのだが、中国や韓国の報道については代表的なコメントを翻訳してまとめたものを掲載している日本語のサイトが時々ある。英語のコメントについては大学卒程度の人ならばなんとなくわかる程度のものがあるだろう。多くの賛成票や反対票が入れられているコメントだけを見ていても、その国の国民の大意がそれで理解できるのである。この春の中国こ高速鉄道の事故でも、アメリカでのコメント欄を見ると面白かった。中国製品の悪口から中国全体に対する恐れや文句といったものから、今後アメリカに導入が計画されている鉄道計画に関する心配までたくさんのコメントがあった。もちろん事故に対する弔意もたくさんあり、これによってその国の民意の高さを表しているようにも思う。そうやって自分の視野を広げていくことが最終的には自分の立場や能力を優位に導くだろう。

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菅首相の脱原発政策について

 7月13日に菅首相が脱原発の方針を打ち出しました。

 原発事故以来、日本のエネルギー政策についていろんな意見が飛び交っている。これだけの事故の後に原発を推進するという意見はなかなか言えないのが現実でしょう。しかしエネルギーを殆ど輸入に頼る日本が、電力の原発依存度を高めてきたのは当然の帰結と言える。現在約30%にまで高まった原発への電力依存度を無視していきなり脱原発に舵を切るのはどうかと思う。

 ドイツやイタリアのように脱原発の方向に転換した国もある。しかしこれらの国はフランスから電力を買っており、単に国内の原発からフランスの原発に電力生産を移管しただけとも言える。簡単に隣の国から日本は電力を買うわけにはいかないので、いざというときのためにも日本は自分で電力を管理運営することが必要である。
 また日本は経済で成り立っている国である。また化石エネルギーに頼らない電力生産は、資源のない日本にとって合理的である。アメリカなどに比べてそうじゃなくても電力にかかる費用が高いと言われているのに、これ以上電力を高くする政策をとり、また現在経済に大きな影響を与える電力の使用制限や原発の再開延期をするとなれば、日本経済へのさらなる悪影響は避けられない。

 原発を廃炉にすれば原発事故の危険は避けられる。いまこれを言えばしかし今度は経済への悪影響がどれだけのものになるのかを考えなければならない。原発を稼動したからといって放射能漏洩事故が起きるわけではない。だが原発を停止すれば今すぐに確実に経済への悪影響が出る。今後原発を停止すれば電力費用の上昇や安定供給に問題が出るだろうし、その懸念によって実際にいくつかの企業が海外への拠点の移動を計画している。この政策は日本の企業に日本国内で事業を営むことを諦めて海外に出て行けと言っているに等しい。当然日本の雇用は下がり失業率は上がり収入は減るだろう。
 菅首相は果たしてどれだけこれらのことを考えたのだろうか。どれだけの影響が出るのか試算したうえでの判断だろうか。或いは首相の見解は、どれだけの国民がこれらのことについて知りその上で判断をした民意を反映しているのだろうか。脱原発をする前に、その長所(放射能事故が起きない)だけでなく、その短所(経済への悪影響)を考慮して比較をするのが最初に必要であろう。彼の発言にはそのような調査・比較があったようには思えない。また民意がどれだけ反映されているかも疑問である。さらに脱原発を進めるにしても、具体的にどのようにしていくのか、その際の経済に対する影響の見積もりを示すべきである。
 原発依存を今後も続けるべきだと言っているのではない。もし脱原発により多くの長所があるのならば、あるいは国民の大半が脱原発・原発継続それぞれの政策の試算を見て考慮したうえで脱原発を選択したのならば、それはいいと思う。だがどうも菅首相がそれを理解しているとは思えない。これだけの重大な問題を簡単に決めていいものではない。



「脅しではなく海外シフト考える」 同友会代表幹事、電力不足に激怒

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110720/biz11072017060021-n1.htm

2011.7.20 17:06

 長谷川閑史経済同友会代表幹事は20日の会見で、政府による西日本への節電要請について、「政府から来年以降の明確な解決策が示されない限り、企業は国際競争を生き残るために脅しではなく海外シフトを考えざるを得ない」と述べ、産業空洞化への強い懸念を示した。

 関西の電力不足の主因になった関西電力大飯原子力発電所1号機の停止については、「残念でしようがない。ストレステストをできるだけ早くやって国民のコスト増にならないよう再稼働にめどをつけてほしい」と要請した。

 最近の円高の進行にも「日本経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が良くないなかで懸念している」と指摘。「タイミングをみて必要な措置をとってほしい」と語り、政府・日銀による市場介入を含めた対応を求めた。

クローズアップ2011:「脱原発」方針表明 首相独走、募る疑心

http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20110714ddm003010121000c.html

 「3・11」以降、再生可能エネルギーの利用推進を掲げて「脱原発」の思いをにじませてきた菅直人首相が13日、ついに「原発に依存しない社会」 を目指す方針の表明に踏み切った。民主党執行部が首相の退陣時期に想定する8月末まで、残された時間は1カ月半。政府・与党にも諮らない唐突な表明には、 できる限りの実績を残したいとの焦りが見え隠れする。「辞めないのではないか」「脱原発解散を打つつもりだろう」--。与野党の疑心暗鬼は募るばかりだ。

 ◇与野党、延命警戒 「英断歓迎」の声も

 「私が責任を持っている間はもちろん、議論、計画立案を進めるが、私の段階だけですべてできると思っているわけではない」。菅首相は13日の記者会見で脱原発の方針を次期首相に引き継ぐ意向を示し、「延命」の意図を否定した。

 首相は会見前、海江田万里経済産業相と民主党の岡田克也幹事長に電話し、理解を求めた。岡田氏は視察先の宮城県名取市で記者団に「将来的に原発依 存度を減らしていくというのは当然あるべき意見だ」と前置きしたうえで「本格的な議論をするにあたって首相としての方向性を示すのだと思っている」と述 べ、具体化は次期首相の下で行うべきだとの考えをにじませた。

 「『脱』は使わないでください」。会見前、枝野幸男官房長官らは政府・与党内の調整なしに脱原発を打ち出そうとする首相にブレーキをかけた。

 昨年6月の就任直後に表明した「消費税率10%」、10月の所信表明演説に盛り込んだ環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加検討など、 唐突に打ち上げては政府・与党内の混乱を招いた失敗を繰り返すのを枝野氏らは懸念した。原発事故の発生後も電力事業の発送電分離や原発国有化などの発言が 「言いっぱなし」「思いつき」との批判を浴びてきた。

 首相は「脱」とは言わなかったものの「原発がない社会を実現する」と明言。与謝野馨経済財政担当相は13日、日本記者クラブで会見し、電気料金の 上昇につながる経済リスクを指摘し「脱原発のスローガンは、ある部分だけをみた議論」と閣内から批判の声をあげたが、社民党の福島瑞穂党首は「英断を歓迎 したい。政権交代の意味があった。自民党だったら脱原発とは言えなかった」と絶賛した。

 「菅さんは確信犯。中身についてはだれも『けしからん』とは言いにくい」(首相周辺)との見立て通り、政策的な方向性を否定する発言は野党からも少なく、批判は首相の手法に集中した。

 公明党の山口那津男代表は「再生エネルギー(固定価格買い取り法案)まではやらせてくれと言ったのに、今度はその先の重要な方向性まで言い出す。 一歩、また一歩と延命策を図っているとしか見えない」。自民党の逢沢一郎国対委員長も「退陣を表明した首相が何を語っても、そういう国づくりが進むとはだ れも考えない」と突き放した。

 菅首相が居座り続ける限り、東日本大震災の復興やエネルギー政策の転換へ向けた与野党協力は進みそうにない。その危機感を訴える民主党議員11人 が13日、即時退陣を求める連名の文書を首相官邸に提出。続投意欲ばかりが目立つ首相の「独走」に疑念が広がる。【平田崇浩、佐藤丈一、赤間清広】

 ◇「記憶に残る日」環境団体が評価

 菅首相が原発に依存しない社会を目指す方針を表明したことについて、環境保護団体からは歓迎の声があがった。

 地球温暖化問題に取り組む気候ネットワークは「歴代首相の中で初めて脱原発を宣言した。エネルギー政策の転換へ大きくかじを切った日として記憶に 残る日となる」と歓迎した。また、グリーンピース・ジャパンは「福島第1原発事故を受け、将来世代の安全・安心を最優先に考えれば当然の方針」と評価し た。【足立旬子】

 ◇「経済に悪影響」 電力不足の深刻化懸念

 「理念先行で何をどうしたいのか分からない。いつ辞めるか分からない首相の下で対応はできない」。経済産業省幹部は、菅首相の会見を聞いて頭を抱えた。

 定期検査で停止中の九州電力玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)を巡っては、首相指示によるストレステスト(耐性試験)導入で今夏の再稼働が絶望 的になったが、テストを1次評価と2次評価に分けたことで「今夏を節電で乗り切り、その後は(比較的短期間で行う)1次評価後の早めの再稼働につなげるこ とは可能」(経産省幹部)との見通しもあった。

 しかし、菅首相は13日の会見で「将来は原発がなくてもやっていける社会を実現していく」と表明した。菅政権が延命するほど電力不足が深刻になり かねない展開に経産省幹部は「在任中は原発を動かさないというメッセージだ。再稼働を目指していた海江田氏は見事にはしごを外された」と反発した。

 ソフトバンクが呼びかけて35道府県が参加した「自然エネルギー協議会」のように、「脱原発」の流れに乗る動きもあるが、経済活動への悪影響を不安視する声は強い。

 経団連幹部は「企業は生産計画を立てられない。雇用維持や企業活動に悪影響を与える」と批判。長谷川閑史代表幹事が原発依存率を段階的に引き下げ る「縮原発」を提案している経済同友会も「時間軸や技術的な課題が解決できるのかが全く見えない」(幹部)と、会見の内容を批判した。

 産業界からも「安定的に電力を確保できなければ、韓国や中国との競争には勝てない。海外移転に拍車をかけることになる」(大手電機幹部)と空洞化の加速を心配する声が上がる。

 電気事業連合会の八木誠会長は「国のエネルギー政策の大幅な見直しは、わが国の将来の根幹にかかわる極めて重要な問題。方向を誤れば大きな禍根を残す。国民的な議論を十分積み重ねた上で、結論を出すべきだ」との談話を発表した。【宮崎泰宏、野原大輔】

毎日新聞 2011年7月14日 東京朝刊

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中国製品は悪いと決め付けていいのか

 中国が開発中の新型戦闘機J(殲(せん))-20が時々話題になっています。中国製戦闘機は技術的に西側のものに対して遅れているという意見がある一方で、そのステルス性を設計思想に取り込んだデザインから相当な性能を持ち脅威であるとするものまで評価は様々。その性能データが公表されることなどもちろんあるわけもないので、実際のところはわかりません。
 さてここで少し思うところがあります。中国製品は西側製品に比べて本当にそれほど遅れているのかどうかということです。多くの人は中国の技術は相当遅れていて、軍事・民間製品両方で性能も品質も西側のものに対抗できないと思っているのではないかと思います。私もある程度はそう思っています。

 しかし中国製品、実はその品質や性能もかなり上がってきているのではないかと想像しています。例えば電子レンジなどの家電製品、実は世界市場ではすでに大半は中国製品かアメリカとかの外国の会社の名前で売られていても中国の会社からのOEMです。もうちょっと高度な家電、テレビ・洗濯機・パソコンなどの家電は例え海外の会社の工場で作られていても中国製であることは良く知られていますが、中国企業による生産も非常に増えているのが現状です。中国企業のハイアールの家電製品はいまや世界で自社ブランドで売られています。コンピューター・プログラムでも、日本の会社の製品と思っていても実は中国で中国人が開発していることも多いようです。私は中国で中国車の後席に乗ったことがありますが、特に製品の品質や性能に不満はありませんでした。何でも日本や欧米製の自動車から技術を学んでいたりあるいはそのままの部品を使っている中国製自動車も多いらしく、日本車の型落ちではあっても性能・品質にあまり差がないものも多いそうです。
 中国の高速鉄道がアメリカで独自技術だとして特許を出願したことが今日本で非常に大きな話題になっています。新幹線やドイツの高速鉄道の技術で作られたコピーだという論調が目立ちますが、まだその詳細な技術が公開されていないために実態はわかりません。日本の鉄道製造会社は特許を出願することに積極的でなかったようなので、そこをついて特許申請をしただけの可能性は捨て切れません。しかし私は日本や欧州の鉄道技術が使われているだろうとは思っていますが、わざわざアメリカで特許を出願するくらいのだからそれなりの独自の改良はあるのかもしれないと思っています。
 2003年、中国が有人宇宙飛行に成功したと発表された。宇宙開発でも中国は技術的に遅れていると思われていたので、このニュースは驚きをもって世界に迎えられた。正直私は宇宙開発に知識は殆どないのだが、それにしても私を含めて中国がこれほどのことを出来ると考えていた人は多くはなかっただろう。

 ここで思い出すことが一つ。第二次世界大戦前、技術の一流国は例えばアメリカ・イギリス・ドイツなどであった。日本やソビエトは技術的に二流国と思われていたし、それは必ずしもはずれではなかった。だから日本やソビエトが性能の良い製品を作ることは出来ないと思われていたし、実際アメリカやイギリスの軍事アナリストたちがそういうことを書いていたという本を読んだことがある。
 しかし世界で一番優秀な戦闘機「零戦」を作ってアメリカ・イギリスの戦闘機を圧倒し太平洋を制圧したのは日本であった。そして世界一優秀な戦車「T-34」を作ってドイツの戦車を圧倒し侵攻を食い止めたのはソビエトであった。欧米の優れた技術を吸収し改良を加え、そして一部とはいえども二流国が一流国より優れた技術を開発したという現実がある。

 現在の中国の技術はこれに似ているのではないか、中国製品だからといって最初から駄目だと決め付けていいものか。ひょっとするとこの戦闘機が日本の次期戦闘機よりも優れている可能性がやはりある。あるいは鉄道や車や家電も優れたものを作ってくるかもしれない、そんなことを思いました。戦闘機の性能だけで戦闘は決定されず、総合的な組織力が重要です。鉄道も営業速度だけでなく運営も含めた総合力が事業として重要です。冷静な評価が必要なのは当然ですが、中国製品は性能・品質が悪いという最初から決め付けをするのは良くないと考えます。特に私は中国製品の専門家ではないので自分で性能評価をしたわけでもないし、先入観をあまり持たないようにしなければならないと思います。


 

「正体不明」の中国空軍「見えない戦闘機」

2011.7.17 15:10 (1/4ページ)

 

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110717/chn11071715180003-n1.htm

 

 中国空軍の5世代戦闘機J(殲(せん))-20が、レーダーで探知され難いステルス性能を備えているかどうかなど、文字通り「正体不明」になっている。

  「脅威論」は根強い。オーストラリアの研究機関「ザ エア パワー オーストラリア」の研究員カルロ・コップ博士は米ウエッブ誌「チャイナ ブリーフ」に 「J-20の初期評価」なる論文を掲載。1月に実施された試作機の初試験飛行の画像などから、航空機の大きさや形状・構造をはじき出し、以下のように分析 している。

空の「支配者候補」

 ≪速度・高度・ステル ス・旋回性能は間違いなく米空軍のF-22多用途戦術戦闘機と同レベル。F-35多用途戦闘機に対しては、全てとは言わないが、多くの性能で勝り、十分に 対抗し得(う)る。エンジンの推力が大きければ戦闘機、防空要撃機、攻撃機としても活用できる。小さ目であれば、近接航空戦闘における敏捷(びんしょう) 性では劣るものの、要撃機や爆撃機としての任務には非常に効果的。ステルス性能に関しても、ほぼ全ての現存する統合防空システムを無効にする能力を備える ≫

 その結果-

 ≪環太平洋地域で確実に要撃できる能力を保有している機種はF-22とロシア空軍のミグ-31迎撃戦闘機だけになる≫

しかも-  

 《大きさから、重量やエンジン推力、燃料タンク容量を計算し、効率的な亜音速巡航速度で飛行したと仮定すると、空中給油な しに第1列島線(図参照)内の全標的を攻撃できる。空中給油を受ければ、米軍の戦略拠点グアムを含む第2列島線(図参照)に沿って、ほとんど全ての標的を 狙い得る》

 

 分析が正しければ、FX(次期主力戦闘機)の選定が米国の事情などによって大幅に遅れているわが国にとってはゆゆしき事態である。実際、論文が導き出した結論はこうだ。

 

 (1)初試験飛行は重大な戦略的段階を踏んだといえ、西側の水準に照らしても最先端技術と格付けできる最新鋭機といえる。

 

 (2)ステルス形成技術を習得したとみるべきで、アジアの航空戦略図のバランスを変えてしまう可能性を秘める。

 

 (3)米国とその同盟国による対抗戦略の選択肢は非常に限られる。通常型航空戦力に対する米国と同盟国の戦略的優位は、難しい課題に直面する恐れがある。量産化されれば、アジア・太平洋地域における航空戦略の均衡を変え得る「支配者候補」になることは疑いもない。

 

 しかし、米国防総省は現段階では脅威とはみなしていない。同省報道官は、脅威と恐れることは「やや大げさ」で「少し落ち着いて評価するように強く 勧める」とクギを刺している。その論拠については「開発の動きは掌握してきた」と前置き。現時点で判明したのは「過去の中国機と外形が違う点と短時間の試 験飛行を実施した点だけ」だとし「(ステルス性能を備えた)第5世代能力を獲得したかを見極めるのは時期尚早」との見方を示した。そのうえで「米軍は、中 国軍などに備え十分過ぎる数のF-22を保有、開発中のF-35にしても2500機配備する計画で、米軍の戦略分析には全く変化がない」と、脅威論を一蹴 した。

 

 これに対し、試験飛行を受け中国軍の研究機関・軍事科学院の研究員は北京日報紙上に、実戦配備は「2015~18年」だとの見通し を公言。試験飛行成功により「米露とともに『次世代戦闘機クラブ』の仲間入りをし、航空兵器の発展水準は米国に次ぎ、ロシアとともに第2グループにつけ た」と自賛した。もっとも、試験飛行から実戦配備まで「5~8年かかる」としている。一方、中国の軍事情勢に明るい民間軍事研究機関・漢和情報センター (本部・カナダ)は、配備について「10~15年」と見積もっている。

 

 中国当局者の話を鵜呑(うのみ)みにはできないが、試験飛行で観(み)た胴体は確かに「そろばん玉」のようで、レーダーから照射される電波の反射 方向に制約を課すかのような形状を成している。ただし、ステルス機運用は、早期警戒管制機(AWACS)などとの情報共有があって初めて隠密性を発揮、敵 の機先を制することができる。そういうネットワークシステムを完成させているか否かも、ステルス機運用に大きく影響する。

 

 ところで、米軍 と中国軍の間にはステルス機開発において20年の差があるといわれる。だが、米軍の立ち位置は「安全圏」とは言い難い。コソボ紛争最中の1999年に撃墜 された、米空軍のF-117ステルス攻撃機の残(ざん)骸(がい)を住民から買い集め、機密を取得したという、当時のクロアチア軍高官の証言もある。

 

 米ハワイ州の連邦裁判所では、B-2ステルス戦略爆撃機開発メンバーのインド系米国人が、赤外線レーダー探知から逃れる技術などを中国側に売り渡した容疑で禁固32年の判決を言い渡されてもいる。

 

 「いつもの手」を使えば、中国軍にとって20年の技術格差など…。(九州総局長 野口裕之)

 

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エアコンの風を体に直接当てるとよく冷えるし節電になるのでは

 日本のエアコンに昔から疑問がありました。それは風を部屋全体に送りこむということです。安いエアコンはとにかく、風を送る角度を変えるフラップが自動で動くものがついたエアコンならば、勝手に角度を決めるものが多いようだ。暖房のときはフラップを下にむけて暖かい空気が上のほうに集まらないようにし、冷房ならばフラップを上に向けて冷えた空気は下のほうにたまらないようにする。あるいはフラップを常に動かして部屋全体の空気を攪拌するようにする。

 暖房ならば暖かい空気が人のいない部屋の上にたまってしまうので、空気を混ぜることに意味があるのはわかる。しかし冷房にそれをする必要があるだろうか。部屋の上のほうがどんなに暑くてもかまわない、むしろそんな人の行けないところは放っておいて、部屋の下のほうだけ冷やしてくれればいい。特に夜に寝る時はエアコンが必要な人は当然部屋の下のほうにいるため、部屋の下のほうだけ冷やしてくれれば効率がいいのは明らかである。電気料金も節約できるだろう。残念ながら私のダイキン製のエアコンは、冷房にすると自動的かつ強制的に空気を上のほうに送り込もうとフラップが上向きに動き固定されてしまいます。腹立たしいので、自分で下向きのフラップを作って追加しています。
 多くの人の間では、エアコンの風が直接人の体に当たらないようにするというのが健康にいいということになっているようです。しかしこれもどうかと思います。確かに体質的にエアコンに弱い人というのが日本にはたくさんいて、風を直接当てたくないという人もいるのはわかります。特に高齢者や女性でそのような人は多いでしょう。しかしそうではない人もたくさんいます。むしろ私のように暑いから直接風を当てたいという人もいるはずです。風が当たるようにわざわざ扇風機とエアコンを併用する人もいるくらいですから。特に外から帰ってきてエアコンのスイッチを入れたばかりのときはそうです。
 たとえそうでなくても、エアコンの温度設定を高めにして弱い力で動かし、その代わりにエアコンから送られる風を直接体に当てれば電気代金を節約しつつ快適に過ごすことが出来ます。最近の高級なエアコンはセンサーで人の位置を感知するそうなので、部屋全体を冷やすのではなく人の位置を捉えてそこを集中的に冷やすようなフラップの設定を選択肢に加えて、使用者の好みで選択できるようにすればいいのにと思います。今年は特に震災でエアコンの電気需要が心配される時期ですから、このような設定を何故考えないのかと思っていました。

 実は去年そんなことを友人に話したら、そんなふうに直接体に風が当たることを望むほど暑がりの人はほんのわずかであって、商品化するにいたるほどの市場を作り出せないだろうと言われました。そんな暑がりの人だけを対象にしているのではない、このやり方でエアコンの設定温度を普通よりも高くしてその代わりに風を当てれば、少ないエネルギーで体を冷やし効率使用が出来るし電気代の節約になるだろうと言ってみても、結局賛成意見は得られませんでした。別にエアコン関係の仕事をしていない私にとってもたいした問題ではなかったので、ここでこの話は終わりました。
 しかし最近偶然私と同じ考えで作られたエアコンがあることが下記の東京大学の論文を読んでわかりました。それはインドです。日本よりも暑いインドでは、エアコンの風を直接体に当てるのは当たり前の行為のようです。家庭用のエアコンではないですが、トヨタ自動車がインドで売り出す新型車「エティオス」の車載エアコンも、体に直接クーラーの風を当てることを考慮して開発したようです。
 インドほどでなくても日本でも夏がかつてより暑くなってきています。また節電がいつも以上に必要になっています。まして炎天下で放置されていた車内の温度は非常に高くなっています。日本でもこのようなエアコンの需要があるのではないか、いずれ商品化されて出てくるのではないか、出てきて欲しいと思います。

 

赤門マネジメント・レビュー 9 巻5 号(2010 年5 月)

〔ものづくり紀行 第四十四回〕
インドの経済発展とインド企業、日本企業のものづくり:後編
鈴 木 信貴
東京大学ものづくり経営研究センター
E-mail: nsuzuki39@yahoo.co.jp
新宅 純二郎
東京大学大学院経済学研究科
E-mail: shintaku@e.u-tokyo.ac.jp

www.gbrc.jp/journal/amr/free/dlranklog.cgi?dl=AMR9-5-4.pdf


 一部抜粋


日立ホームインドは、2006 年からは、毎年、家庭用エアコンで明確な製品コンセプトを作り、製品開発を行っている。インドでエアコンが売れるのは3 月から5 月である。そのため例年、2 月に新製品を発売する。それに合わせて、毎年、製品コンセプトを決め、開発を行っている。
 製品コンセプトの作成は、日立ホームインドの主導でインドの広告会社と共同で行っており、例えば、2006 年は、30 代の共働きの夫婦を対象に、Emerging new life style をコンセプトに製品開発を行った。
 2009 年の家庭用エアコンはsave energy をコンセプトとした。しかし、インドでは省エネだけでは消費者に対して魅力が薄い。そこで、コンセプトを分かりやすくするために、センセーで人を感知し、直接人に風を送りつける「フォローミー機能」を付加した。フォローミー機能は、センサーによって人を感知し、直接、人に風を当てることによって、省エネを体感できる機能になっている。工場には、この機能を体感できる部屋があり、人が移動しても、風が追い掛けてくることを体感できた。

元サムスン電子常務・吉川良三氏「日本がものづくりで韓国に勝てない理由」 GLOBIS.JP2010年8月22日(日)13:00

http://news.goo.ne.jp/article/globis/business/globis-20100820-02.html?pageIndex=2

 一部抜粋

 インドでは現在、日本の某・空調メーカーの製品がとても伸びていますが、聞いてみるとインドでは100dBが静かすぎるというんですね。インド人は動く ものやうるさいものにしか金を払わない習性があるためなんです。だから、500dBとかいうもの凄い音をさせている。なおかつ、人に対して扇風機のように 集中的な風をあてる。これがインドのクーラーです。


 

トヨタ エティオス、最大風速のエアコンはインド人好み

2011年7月13日(水) 10時00分

http://response.jp/article/2011/07/13/159365.html

トヨタ自動車が新興国専用のエントリーモデルとして2010年末にインドに投入した『エティオス』は、同国の気候に合わせて専用のエアコンをデンソーと開発した。

エティオスの開発責任者である則武義典製品企画本部チーフエンジニアによると、「“のど元風速”が現地では重要な要素であり、乗員に当たる風速は秒速2.5mとクラス最大にした」という。

則武氏は2006年の開発着手時から、頻繁にインドに出張滞在し、さまざまな現地のニーズを掘り起こし、開発に反映してきた。エアコンについては「暑い車室外から乗車した時には、とにかく強力な冷風が必要」と判断した。

また、後席にも十分な冷風が届くようインパネの中央部に大きな縦型の送風口を設置し、インド向けならではの工夫を凝らした。「冷房や送風能力があれば、騒 音はある程度犠牲にする」というのもインドユーザーの価値観だと分かり、コスト面でも割り切って送風重視の設計とすることができたという 。


インド人だけでなく、日本人もびっくり!トヨタのインド戦略車「エティオス」に乗ってみた
2011.7.16 18:00

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110716/biz11071618010009-n1.htm

一部抜粋

 「インド人になれ」。5年かけた開発で掲げられたスローガンだ。その結果、開発陣が思いを込めた「101のこだわり」が盛り込まれた。そのひとつが冷房だ。

 排気量1・5リットルのセダンタイプに乗り込むと、まず目に付くのはダッシュボード中央で縦に2つ並んだエアコンの送風口。横に2つ並んだ日本仕様とは異なる。

 真夏は40度を超すインドにとって「冷房は売り」(則武義典チーフエンジニア)。運転席や助手席にじゃまされず、冷風を直接、後部座席まで届けるための工夫だ。また、効き具合も重点ポイントで、風が直接体にあたる設計はインド人の好みという。

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