GM・クライスラー合併 何故この赤字企業同士が?
自動車関連ネタをもう一つ。アメリカでGMとクライスラーの合併交渉が大詰めを迎えているそうです。
ガソリン高に始まり金融危機に伴う消費不振で倒産の危機に瀕しているアメリカの自動車会社ですが、生き残りをかけての交渉がされています。しか
しGMは毎期巨額の赤字を垂れ流しています。クライスラーは2007年に投資ファンドのサーベラスに買収されているので、もう上場もしていませんし決算の発表はありません。しかし同じくまだ20%のクライスラーの株式を所有しているダイムラーの決算発表によると、やはりクライスラー部門は巨額の赤字を出しているようです。このままだと、今後数年どころか数ヶ月で倒産しかねないほどの危機です。実際、クライスラーの株式を所有するダイムラーは、クライスラーの株価の評価額を既にゼロにしたそうです。
そもそもそのような赤字会社二つが合併して、黒字になるなどということがあるのでしょうか。一応理由としては、合併による部品共同購買やら施設の効率化やらで経営を改善できるということでしょう。GMでは100億ドル超の相乗効果を出せると考えているそうです。
しかし私にはこの合併交渉に疑問に感じています。同じ北米市場を主要市場とし、燃費の悪い大型車を利益の源泉としてきた両社です。今は燃費の良
い小型車が注目され、北米の市場がこれだけ冷え込んでいる状態です。根本的に商品構成の悪いこの両社が合併しても、資産を食いつぶして倒産しないほど短期
間で黒字体質になるとは思えません。
クライスラーには日産・ルノーグループが興味を持っているといわれています。約20%の株式を取得し、提携をしていく計画だといいます。主要市場も商品構成も違い、財務内容も安定している日産・ルノーのほうがよほどいいように見えます。それでもクライスラーがGMと交渉する理由は何か。
私はクライスラーの80%の株式を持っているサーベラスの事情なのではないかと思っています。サーベラスは経営不振のクライスラーを買収し、再生して株価を上げた後で売却するつもりだったでしょう。しかしこの経済危機によって事情が大きく変わってしまいました。先述したとおり、ダイムラーは保有するクライスラー株の価値をゼロに評価しているそうです。サーベラスもこのクライスラーへ74億ドルの巨額の投資を失敗であったと認識し、普通に再生して回収することが出来ないと考えているのではないか。このまま放っておけば、倒産して完全に価値がゼロになると思って焦っているのではないか。
GMとクライスラーがどのような条件で交渉しているのか、私にはもちろんまったくわかりません。しかし合併してしまえば、そのまま倒産させるにはあまりに巨大すぎる会社が誕生します。この巨大企業が倒産すれば、経済の悪化にさらに拍車をかけるでしょう。実際、会社は政府に倒産回避の融資を求め
ていると言われていますし、政府も無視することは出来ないと思います。
その意味で、日産・ルノーグループによる20%程度の出資では、サーベラスにとって会社の存続に不安があるのではないでしょうか。つまりよりクライスラーを再生してくれる可能性の高い選択よりも、とりあえず目前の最悪の危険を回避する選択をとったのではないかということです。
GM/クライスラー合併案、米政府に100億ドルの支援要請=関係筋
10月28日13時34分配信 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000689-reu-bus_all
[ニューヨーク/デトロイト 27日 ロイター] 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>とクライスラーの筆頭株主サーベラ
ス・キャピタル・マネジメント[CBS.UL]は米政府に対し、GMとクライスラーの合併実現に向け100億ドル近い支援策を要請している。複数の関係筋
が27日、明らかにした。
そのうちの1人によると、米政府は合併会社の優先株約30億ドル相当を取得する。
別の関係筋は同日、財務省が両社の合併に向け直接資本注入などを含む金融支援を検討しており、早ければ週内に決定する見込みだと述べていた。
最初の関係者は、米政府はこのほかに約30億ドルの年金債務を引き継ぐことで合併を支援するよう求められている、と述べた。
関係者はさらに、両社は信用枠の供与を要請しているとし、短期流動性の圧力を和らげるための米政府によるGM発行コマーシャル・ペーパー(CP)の購入がこれに含まれる可能性がある、と述べた。
クライスラー、4―6月期最終赤字550億円
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【ニューヨーク=武類雅典】米自動車大手クライスラーの2008年4―6月期の最終赤字が約4億4000万ユーロ(約550億円)だったことが 23日、明らかになった。米投資ファンドが筆頭株主の同社は業績を公開していないが、大株主の独ダイムラーが7―9月期決算で最終損益への影響額を公表し たため、米国会計基準に基づき説明した。
ダイムラーの決算に反映したクライスラーの最終赤字は8800万ユーロで、このうち7600万ユーロが自動車事業の損失。ダイムラーは現在、 19.9%のクライスラー株を保有しているため金融事業を含むクライスラーの4―6月期の最終赤字は約5倍の4億 4000万ユーロ程度だったことになる。
ダイムラーはクライスラー筆頭株主の米サーベラス・キャピタル・マネジメントにクライスラー株を売却する方向で交渉中。保有するクライスラー株の評価額を9月末時点でゼロに引き下げた。
(10/24 12:34)
日産・ルノー、クライスラー株の取得打診 米紙報道
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【ニューヨーク=武類雅典】米紙デトロイト・ニューズ(電子版)は22日、日産自動車―仏ルノー連合が米クライスラーに出資を打診したと報じた。 日産がクライスラー株の約20%を取得する提案をしたとしている。ただ、クライスラーは米ゼネラル・モーターズ(GM)と合併交渉を進めており、日産・ルノー連合とクライスラーの組み合わせが実現するかは不透明だ。
同紙によると、クライスラー筆頭株主の米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントから接触を受け、カルロス・ゴーン日産社長が最 近、提案書を送った。ルノーに比べ資金面で余裕がある日産がクライスラー株を取得する方向という。ただ、サーベラス側はGMとの合併が「最良の策」と見て いるとも伝えた。
[10月23日/日本経済新聞 朝刊]
サーベラス、クライスラーを74億ドルで買収
2007年05月15日 07:30更新
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独ダイムラークライスラーは14日、北米クライスラー部門を米民間投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントに74億ドルで売却する事で合意に達したと発表した。
今後持ち株会社となるクライスラー・ホールディングスを設立し、ダイムラー・クライスラーがクライスラー・ホールディング株式の19.1% を出資し、サーベラスが残りの80.1%を出資する。
今回の74億ドルでのサーベラスによる買収では、サーベラスがクライスラーに50億ドル投資し、10億5千万ドルをクライスラー金融サービス会 社に投資する。また残りの13億5千万ドルをダイムラークライスラーに支払う形となっている。また独ダイムラークライスラーは今秋にも臨時株主総会を開催 して社名を「ダイムラー」に変更する予定。
サーベラスは着実に自動車産業での投資に力を入れてきた。昨年にはGMの金融事業であるゼネラル・モーターズ・アクセプタンス(GMAC)の主要株式を購入する投資家組合を先導した。またGM自動車部品製造社のデルフィへの投資も計画していた。
サーベラス会長のスノウ氏はドイツでの記者会見で「我々はクライスラーの歴史を考慮したとき、民間投資団体の参入する余地があると考えた。民間 投資会社が投資することで、クライスラーがより成長拡大を図ることができるようになり、より高性能の自動車を生産するための日々のビジネスに集中して取り 組む事ができる会社になるだろう」と述べた。
米アナリストによると、クライスラー消費者にとってもクライスラーが売却されたことで、同社自動車生産により投資することができるようになった ため、より高性能の自動車を購入する事が期待できるなど、恩恵が期待できると考えられるという。また、サーベラスが自動車部門に参与することで、同投資 ファンドがこれら自動車会社らの取引の仲介役となることができ、フォードやGMなど他の米自動車会社にとっても有益となるという。
サーベラスのような民間投資会社は年金基金やヘッジファンド、富裕層から資金を集めて上場会社を買収して、しばしば非公開企業にしている。また買収後再編を行ない、後に利益が出るようになってから売却を行なっている。
ダイムラークライスラー株価は14日、2.12ドル(2.6%)の上昇を示し、84.12ドルとなった。
合併会社の売上高は米自動車市場全体の約3分の1を占めるが、ほぼすべての事業で生じる過剰設備から発生するコストの削減を求める圧力に即座にさらされ
る見通しだ。アナリストらによると11のブランド、約1万人のディーラー、およそ9万7000人の労組加盟の工場労働者がこの範ちゅうに入る。
ただ、合併協議に詳しい関係者によると、合併手続きの完了に必要な政府支援の獲得に向けた広範な政治的支持を取り付けるため、従業員を出来る限り温存することが合併条件のひとつになる、と述べた。
GMのコメントは現時点で得られていない。サーベラスとクライスラーはノーコメント、とした。
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