原油価格下落の長期的負担
原油価格の下落も止まりません。ニューヨークのWTIが43ドル、ドバイ原油は40ドル割れだそうです。元々投機で上昇していた部分があり、その反動によって下落が加速しているのかもしれません。50ドルくらいで下げ止まるかとも思われましたが、暫くは下値を模索するのかもしれない。今日は1リットル113円の表示をしているガソリンスタンドがありました。
2003-2004年に原油価格が上昇し始めたときは、価格の上昇が一時的なものではないかと思われ、油田の新規開発にも慎重な意見があったようです。しかしその後の上昇が継続したことで、産油量増大に対する投資が増えたという話を聞いたことがあります。今需要が減ったからといって、既に投資・開発した施設を閉鎖するというわけにはいかないでしょう。また産油国は高い原油価格を基に今年度の国家予算を計算しており、この急落によって歳入不足が著しくなっているという話も聞きます。表面上は減産に合意したからといって、実際に歳入を減らしかねない減産を簡単にするわけにはいかない事情もあるでしょう。かつては10ドル台でもそれなりに利益が出ていた原油ですが、産油量増大のために莫大な投資をした結果、損益分岐点も上昇しているという意見もあります。これだけ投資しておいて、今更後には引けない可能性があるでしょう。
原油価格の下落は、この不況の経済には朗報です。ガソリン等の燃料価格だけでなく、食料をはじめとする物価の上昇分をある程度取り戻してくれ、経済には好影響です。今年夏の170-180円台のガソリン価格を経験した後では、現在の110-120円台のガソリン価格は随分と割安に思え、この価格ならば許容できるかと思えます。10年近く前に70-80円台だったころの価格にはもう戻りそうにない。
しかし個人的には、安すぎる原油価格は長期的に見て良くないのではないか考えます。原油価格の上昇に伴い、大腿エネルギー、節約や省エネに対する投資が随分と増えました。中にはバイオエタノール生産のために食料価格が上昇するなど行き過ぎたものもあったように思えますが、それでもこういうことを意識して効率化を追求することはいい傾向です。特にエネルギー効率の低い国々が、エネルギーの効率化を意識したのはいいことです。安いエネルギーを非効率に使い続ければ、環境を汚染したときの将来の負担が増えます。また原油に大きく依存する以上、将来も常に原油価格の変動に経済と政治が振り回される。このことを考えれば、原油価格50ドルくらいの負担は仕方ないし、するべきではないのかと思っています。
原油価格、現状水準なら相当量の減産を OPEC議長
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081205AT2M0500H05122008.html
【カイロ=安部健太郎】石油輸出国機構(OPEC)議長のアルジェリアのヘリル・エネルギー鉱業相は4日、同国国営テレビを通じ、原油価格が現状水準であれば、17日に同国で開くOPEC総会で相当量の減産を決めるべきだとする考えを述べた。ロイター通信が伝えた。
指標となるニューヨーク市場の原油先物相場は4日、1バレル43ドル台と3年11カ月ぶりの水準まで下落している。ヘリル議長は「例えば (原油)価格が60ドルに達するようなことになれば、減産に関する決定は厳しいものにはならないだろう」と述べ、価格動向を見極めたうえで減産量を決める 方針を示唆した。
OPECは10月に開いた臨時総会で日量150万バレルの減産を決めたが、先月29日に開いた緊急会合では追加減産を見送っている。
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投稿: 損益分岐点 | 2008年12月12日 (金) 11時26分