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牛丼の秋の値下げ合戦から、値下げ戦略を考える

 商品を売るにあたり、値引きすると利益が減るのは当然です。それでも値引きする理由というのは、売上を伸ばすことが出来ると思うからです。仮に原価60円のものを100円で販売していたならば、利益は40円。10個売れば1000円の売上と400円の利益が出ます。しかし80円で売れば、一つあたりの利益はわずか20円と半減します。しかし値下げによって30個売ることが出来れば、2400円の売上と600円の利益が出ます。実際にはより多く売るためによけいな手間がかかり、利益は減少します。しかし売上増によって合理化や競争力の強化も出来ます。シェアを競合から奪うことによって、競合の売上を落とし競争力を落とすことも出来ます。
  値下げにはまず市場内の競合相手を見る必要があります。自社に価格競争力があるならば、値下げによって同じ産業内の競合相手からマーケットシェアを獲得することが出来ます。また値下げの他の局面として、他の市場からいくら売上を奪うことが出来るかを見ます。値下げによって他の市場から顧客を獲得することが出来れば、市場自体が拡大します。
 例えば他の外食産業よりもハンバーガーに値下げ余地があって、ハンバーガーの値下げによってラーメンや牛丼といった他の外食産業、コンビニや弁当屋の弁当を買っていた市場からお客を獲得し、それによって値下げした分以上の売上や利益を出すことが出切れば、ハンバーガー業界は拡大・活性化します。また他のハンバーガーチェーンより顧客を奪うことも出来ます。近年のマクドナルドの成功要因の大きな一つはこれです。

 しかし単なる値下げは、際限の無い価格競争となる可能性があります。業界内大手の一つが商品の値下げをした場合、競合相手としては値下げを当然黙って見過ごすことが出来ません。何らかの対抗策をとってきます。上級商品を供給して新たな需要と顧客を獲得する、その市場よりも利益率のよい他の分野に進出する、新規商品を出して需要を刺激する、サービスを良くして競争力をつける、といった選択肢があります。
 その中でもやっかいなのは、対抗の値下げという選択肢です。商品に決定的な差をつけにくいものを取り扱っている場合、価格競争は双方にとって首の絞めあいになることがあります。その市場に参加している会社同士が値下げを繰り返すことによって価格競争となり、どの会社も利益が出なくなるというのが最悪の結果です。こうなったとき、体力のある業界最大手が優位の我慢大会となってしまいます。値下げ戦略は、同業他社か他の市場から顧客を奪い、自社の利益をより大きくすることが出来なければ意味がありません。

 秋の牛丼チェーンレストランで、気になったことがありました。松屋が10月に、一週間の期間限定で牛丼を80円引きで販売しました。しかし次の週には吉野家が同じような値下げキャンペーンを対抗策として展開しました。11月末にはすき家が同じような値下げキャンペーンをしましたが、再びすぐに吉野家が対抗策を展開しました。業界に注目を集めることは出来るでしょうが、短期的なキャンペーンを繰り返しても消耗戦になるだけの可能性があります。どれだけこれらのキャンペーンで利益を上げられたのか私はわかりませんが、値下げはもっと長期的視点にたった戦略的なものであるべきではないかと思います。簡単に競合相手に対抗策を取られる値下げキャンペーンならば、他の戦略をとったほうが有効であるかもしれません。

以下は各社のキャンペーンに関するニュース

 松屋フーズは、牛めし・カレー・定食店「松屋」において、10月1日より「秋の大感謝祭」を開催。期間限定で牛めし(並)を80円引きの300円で提供している。同社は、日頃の愛顧に感謝を込めて、期間限定で牛めし(並)を80円引きの300円で提供するほか、牛めしのセット類についても、80円引きとする。開催日時は10月1日15時から10月8日15時まで。

 大手牛丼チェーンの吉野家は25日、牛丼3食を食べると、牛丼の並盛り(380円)1食無料になる「師走のくいてー!祭」を12月3日から実施すると発表した。セールでは、牛丼1食ごとにカード1枚が配布され、カード3枚を集めると牛丼並盛りが無料になる。カードの配布期間は12月3日から12月23日で、カードの有効期限は12月31日までとなる。
 牛丼チェーンでは、ゼンショーの「すき家」でも牛丼を値引き販売するキャンペーンを展開中で、12月8日まで牛丼(並盛)が51円割り引き価格の299円となっている。吉野家がキャンペーンを開始することで牛丼チェーンの競争がさらに激化すると見られる。

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コメント

再現ではなく、際限ですね。

投稿: とおりすがお | 2009年2月21日 (土) 19時09分

変換ミスの指摘ありがとうございました。訂正しておきました。

投稿: 著者 | 2009年2月23日 (月) 19時59分

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