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2009年1月の7件の記事

2009年1月31日 (土)

吉野家は券売機を何故置かないのか

 「爆笑問題の検索ちゃんスペシャル」 という番組を今見ています。その中で、牛丼チェーンの吉野家は何故券売機を置かないかということを取り上げていました。ちなみにライバルの松屋は券売機を置いています。他の多くの和食系ファーストフードチェーンも置いています。

 実は昔から私も不思議に思っていました。券売機を置けば、支払いに関わる手間が省けます。従業員の負担を減らし、顧客の回転率を上げるためには 合理的のように思えます。しかも牛丼は大きな鍋から丼にかけるわけですから、数量というのがかなり曖昧です。タチの悪いバイトが顧客に牛丼を出して、支払 われたお金をレジに入れずに自分の財布にこっそりしまいこんだとしても、必ずしも不正行為がわかりません。棚卸ししても、牛丼は数が正確に数えられないか らです。24時間営業でバイトを雇って経営しなければならないのに、そのような「つけいる隙」をわざわざ与えているように思えたのです。
 私は単純にコストを抑えるためかなと思っていました。あの券売機、たかが食券印刷して出すだけのくせに、100万円くらいするんだということを聞いたことがあります。意外とでかいので、場所もとります。

 さて番組によるその回答。「お客様とのコミュニケーションを大切にしているため」だそうです。券売機で食券を買って最後まで一言も喋らないまま出て行くお客もいる中で、お客の気持ちの部分までサービスに含んでいるということでしょう。券売機がなければ、最低でも注文と支払いの時には声を交わすこ とになります。その時にいい接客が出来れば、顧客の満足度は上がります。顧客に対して接客の向上をしていきたいという経営方針なのでしょう。
 これが必ずしも本当の理由なのかどうかわかりません。やはり高い金出して券売機置きたくないっていうのもあるんじゃないの、という疑いも完全には消えません。でも経費削減効果に加えて、サービスレベルの向上という二つの理由が出てくることになれば、説得力が出てきたように思えます。

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2009年1月23日 (金)

フィアット、クライスラーと提携

 イタリアの大手自動車会社のフィアットが、アメリカのクライスラーとの資本提携するというニュースが出ています。フィアットはクライスラーの35%を小型車の技術支援と引き換えに取得、その後55%まで取得する権利まで持っているということです。

 フィアットはイタリア最大の財閥であり、度重なる合併の結果、フェラーリ、マセラティ、ランチャ、アルファロメオ、フィアットというブランドを持っています。欧州ではフォルクスワーゲン、プジョー・シトロエン、ルノーと並ぶ自動車会社の大手です。小型車を得意としていますが、ランチャ、アルファロメオといったちょっと値段の高めの中型者などもそれなりの販売台数があります。欧州が一番強いですが、南米等でも製造をしているようです。
 クライスラーは北米ビッグ3の一つで、ミニバン・SUVに強みがあります。セダンや小型車のラインアップも豊富ですが、残念ながらその分野ではあまり競争力があるとは言えないようです。北米がもちろん強く、南米にも進出しています。しかし世界展開では出遅れています。
 まとめると、北米に進出したい小型車・ちょっと高級な中型車メーカーと、アメリカに強い大型車を得意とするメーカーです。これだけをみると悪くない組み合わせです。しかしながら、クライスラーはダイムラーとの合併でも理想的組み合わせと言われていました。それが見事に失敗しているのですから、あまりあてにはなりません。

 それではフィアットにはこの赤字製造会社との提携で何が得られるのでしょうか。
 現在、世界最大の自動車市場である北米において、フィアットの主力ブランド車は販売されていません。ダスティン・ホフマンの出世作となった映画「卒業」では、彼はアルファロメオのスパイダーを乗り回していました。しかしかつてのイタリア車の品質は非常に低くて顧客を満足させることができず、結局販売不振で北米販売から撤退することになります。フェラーリとマセラティという高級車は販売されていますが、その価格ゆえに販売台数は非常に限定されています。
 昔、個人的にはフィアットのレガータという車を運転したことがあります。恐らく製造されたのは80年代の車です。しかしながら、まるでトラックを運転しているかのような性能の悪さと、オーナーから聞いた故障履歴には驚いたものです。これはイタリア車の販売不振もやむをえないだろうと納得しました。アメリカに住んでいたとき、ダスティン・ホフマンと同モデルのアルファロメオのスパイダーを見たことがあります。恐らく40年近い古いものですが、それがアメリカで見た唯一のアルファロメオでした。
 フィアットはかねてからアルファロメオ車で北米市場に再参入する意思があることが幾度も報道されています。日本車ほどではないにしても、現在のフィアット車は過去に比べて大幅に品質が向上しており、またデザイン・性能ともに魅力のあるものになっています。世界最大の市場でもっと数を売りたいというのは、フィアットグループにとっても悲願でしょう。

 この提携によって、フィアットはクライスラーの拠点をそのまま使うことができます。2008年12月のクライスラーは、販売台数が前年同期比で約半分となっており、工場等の施設稼働率が下がっています。この工場を使って製造すれば、北米再進出のための膨大な初期投資を抑えることができます。
 さらにクライスラーの販売拠点をそのまま使うことができます。ビッグ3系自動車ディーラーは、販売不振によって経営が行き詰っています。元々アメリカ車のディーラーは、販売台数に比べて数が多過ぎて、過当競争にあったと言われています。クライスラー系のディーラー網を使えば、比較的簡単に全米にアルファロメオをはじめとするフィアット車を販売する体制が築けます。
 しかもこの提携によってフィアットがクライスラーの株式を取得するにあたり、フィアット側の支出はありません。クライスラー側に小型車の技術を供与するだけです。ニュースの伝えるところの契約だと、既にある開発済みの技術を提供するだけで、製造拠点と販売網が手に入ります。フィアット車製造のための最低限の投資はいるとはいうものの、事実上無料です。最悪クライスラーが倒産したとしても、元々無料で仕入れた株券ですから減損処理をする必要はありません。たとえ倒産したとしても、必要な工場や販売網だけを本体から切り離して手元に残すことも可能です。またもしもクライスラーが再生すれば、莫大な利益を手に入れることも可能です。その可能性は低いですが、アメリカ政府の支援と良い再生計画があれば、全く無い話ではありません。

 一方のクライスラー側としては、提携先が現れたということ自体が大事です。巨額の累積赤字に加えて、全く将来の再建の計画すら立たない現状において、これは大きな前進です。記事によると、両社の合併効果は30億~40億ドルだそうです。北米でフィアット車が製造・販売されれば、費用ばかりかかっているクライスラーの施設が有効利用されることになります。それに加えて、フィアット社の持つ小型車の設計・製造の技術が手に入ります。クライスラーの株式の35%を無償譲渡するとはいえ、既にクライスラーの株価なんてゼロです。実際にクライスラーの株式約20%を保有するダイムラーは、クライスラー株の評価額をゼロにしています。ゼロ評価の株式をもって、代わりに小型車の技術や製造の注文が入るということです。
 そうはいっても、提携したからといって早急に小型車が開発・製造できるものでもないでしょう。またそれが利益に貢献してくるのはさらに後になってからです。やはり提携による改革・再生案がうまく機能しない限り、延命策にしかならないかもしれません。
 問題なのは、クライスラー側にはあまり選択肢がないことです。クライスラーの赤字を考えれば、他社がクライスラーと合併するとか株式を有料で買い取るということは考えにくい。他社から見れば、クライスラーのために金を払うくらいならば、クライスラーが倒産するまで待ってもいいわけです。クライスラー側に有利な交渉がまとまることはなかったでしょう。

 それでこの提携話はうまくいくのでしょうか。やはりフィアットに一方的に有利な提携に思えます。フィアットには、フィアット車を北米で売るための努力しかしないという選択肢もあるわけです。フィアットは、クライスラーが倒産してもあまり懐が痛みません。それでもフィアットはクライスラーの再生のために、危険を冒して多額の投資をするでしょうか。政府の動きもどうなるかわかりませんし、フィアットの計画もまだよくわかりません。だがクライスラーの行く末は、この提携だけではまだまだ不安だと思います。



フィアット・クライスラー提携…アルファロメオの北米参入など検討

http://autos.goo.ne.jp/news/industry/article_119328.html

フィアットとクライスラーグループは、戦略的提携を締結、フィアットのプラットフォームを使って、クライスラーの小型車の開発やクライスラーの米国工場で、フィアットグループのアルファロメオの生産を検討する。

戦略的提携は、フィアット、クライスラーとクライスラーの筆頭株主であるサーベラス・キャピタル・マネジメントの3社で合意した。フィアットはクライスラーの株式35%を無償で取得するほか、オプションで20%の株式を取得する権利を持つ。

提携によってクライスラーは、フィアットの小型車用のプラットフォームやエンジンを活用して小型車を開発するほか、フィアットの販売店を活用して欧州で販 売ネットワークを構築する。また、フィアットは、稼働率が悪化しているクライスラーの米国工場で、アルファロメオを生産し、アルファロメオの北米市場参入 を果たすことなどを検討する。

フィアットは一時期業績悪化が深刻化したものの、GMとの資本提携解消後、経営再建に乗り出し、これに成功した。クライスラーの経営再建のサポートも検討する。提携の実現には、米国財務省を含む監督機関のデュディリジェンスと承認が必要だ。

フィアットグループのセルジオ・マルキオンネCEOは、「この提携は急速に変化する自動車業界において画期的で、フィアットとクライスラーがその世界的な 流れの中で重要な役割を担い続けようとする意欲と決意の表れ。この合意で両社は関連性の高い自動車市場への参入が可能となり、フィアットが世界の牽引役と して知られる革新的な環境対応型の製品分野で製品を提供し、より高いコスト相乗効果を享受できる。この関係は、フィアットが過去5年間、提携先の成長や増 産を支援するために主要な自動車メーカーやサプライヤーと構築してきた業務提携や協力関係に続くもの」とコメント。

また、クライスラーのロバート・ナルデリ会長兼CEOは「フィアットとの提携により、強力な世界的競合企業となる可能性を秘めている。クライスラーの現在 の製品ラインナップを補う製品や北米外での販売網を活用でき、設計、エンジニアリング、製造、購買、マーケティングにおけるコスト削減など、数多くの戦略 的メリットをクライスラーにもたらすもの」としている。

さらに全米自動車労働組合(UAW)のロン・ゲトルフィンガー委員長は「UAWのクライスラー・チームにとって素晴らしいニュース。クライスラーの長期的存続に向け、UAWは支援、協力を惜しまない」とコメントしている。(22日 14:41)

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2009年1月11日 (日)

また発注ミスしてしまった

 2009年の新年明けから自動車株が急騰していたみたいです。昨年末に140円台で買ったマツダも、190円を超えて198円まで付けたみたいです。昨年から急激に下がっていたところで、オバマの景気対策への期待と円安を原因に買いなおされたみたいです。

 私は一本調子で上昇すると思っていなくて、 少し利益が乗ったところでさっさと売る。そして下がったらまた買いなおす、そんなスイングトレードで行くつもりでした。それで今週前半くらいで売り注文を出してしまっていたので、後半の急騰前に売却していました。あーあ、早まった、儲け損なった、と少々悔しい思いをしていました。

 実際この急上昇振りは予想以上でした。来年の世界の自動車販売予測は、悲惨という言葉が非常に良く似合います。数年先を見た長期的には割安だと思っていますが、悪い結果がさらに出てくるのはまだまだこれからです。

 ところが金曜日に証券会社のウエブを確認してみると、何故か売り注文を出したはずの株をまだ売却せずに持っている。どうやらまたまた発注ミスをしてしまっていたらしい。金曜日の株価がピークより下がって179円になったとはいえ、当初に売却するつもりの価格よりもまだ全然高い値段がついています。月曜日の株価がどうなるかわからないけれど、今のところはこの発注ミスのせいで予想よりも利益が乗りました。
 でもこれはあまり喜べない。前回年末に注文をしたときも発注ミスしました。去年の秋にもやってしまったような気がする。連続の発注ミスは馬鹿すぎ る。何かいいかげんにやっているのは、自分の生活がかなりいいかげんになっているからだろうか。結果的にプラスになっているからいいものの、これで損してたらもう発狂ものです。会社勤めならばよくても始末書ものです。もう少し気をつけなければ。

 さて来週の予想。米失業率の悪化によってニューヨークは下落、円も少し高くなって90円台になっています。そして自動車株はこれだけ上昇したのだから、ちょっと行きすぎでしょう。月曜日のニューヨーク市場や為替にもよりますが、成人の日明けは下落すると思います。そんなわけで頂点で売ることは出来なかったけど、下落する前に今度こそさっさと売ろうと思っています。

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ガソリン下落でも軽油は高い

 原油価格の下落に伴いガソリン価格が下落しています。このまえ友人と会った時、そんな話をしました。そしてガソリンと軽油価格の差についての話になりました。

 かつて日本では軽油は安く、ガソリンと軽油には20円くらいの価格差がありました。しかしガソリンと軽油は、原油から精製する際のコストに差はありません。価格差はほぼガソリンと軽油にかかる税金の差でした。

ガソリン
揮発油税 48円60銭、地方道路税 5円20銭、計53円80銭
軽油税
軽油引取税 32円10銭

 軽油を燃料とする燃費の良いディーゼルエンジンを普及させるため、トラック・バスなど物流にかかるコストを下げるため、物流業界からロビー活動があったから、といったような理由が言われています。真実はわかりませんが、どちらにしろ政治的判断みたいです。

 でも今は両者の小売価格には殆ど差がありません。これは税金を除いた軽油価格が、ガソリン価格よりも高いことを意味します。なんでこんなことに なるのかというと、これまた色んな理由があります。しかし根本的には、ガソリンの需要はたいしたことないけれど、軽油の需要は大きいということです。人気があって需要が大きいから、価格が上がっているのです。既に欧州では販売されている車の半数がディーゼルです。欧州のディーゼルエンジンは大変進化しており、出力・静粛性・環境性能含めて非常にいいです。私も体験 しましたが、言われなければディーゼルだと気がつかないくらいです。かつてのように、エンジンをかけた途端に大きな振動とガラガラという音と黒煙を吐き出 すようなことはありません。そんなわけで今までより大量の軽油が消費されています。だから大量の軽油が輸出され、その量は増加し続けているようです。

輸出入量(2006年度)  (単位:千kl)
          生産   輸入    輸出    国内販売
ガソリン     57,678  2,261     317     60,552
軽油       40,574   247    4,950     36,605
(データは下記ウェブより)

 今まではディーゼルエンジンは燃費が良いからという理由で買われていました。しかしこれだけ軽油の価格が高くなってくると、ディーゼルの持って いた優位性が一つ失われています。既に欧州では軽油価格がガソリンよりも高くなっているみたいです。元々ディーゼル車はガソリン車よりも価格が高いので、 燃料代の安さでトータルコストを抑えるということがより難しくなってきました。ディーゼル車の普及を戦略的に進めてきた欧州勢には不利なニュースです。

詳しくは

http://www.eneos.co.jp/binran/part02/chapter04/section03.html

1. 製品輸出入の現状

 我が国の石油政策は従来から消費地精製主義を基本としてきたため、精製設備は国内需要の最大規模に見合う能力の確保を前提に整備されてきた。その ため、石油製品の輸出入は、石化原料用のナフサ等の一部の油種を例外として、主として需要の季節変動や気象変化、景気変動等による需給ギャップを調整する ために行われてきた。

 規制緩和後は製品の輸出入も増加してきているが、現状は国内生産量および需要量(国内販売量)に対し小規模にとどまっている。表 2-4-5 は2006年度における主要石油製品の生産、輸出入量および国内販売実績を示したものである。

表 2-4-5 石油製品の生産・輸出入量(2006年度)
(単位:千kl)
生産 輸入 輸出 国内販売
ガソリン 57,678 2,261 317 60,552
ナフサ 21,827 28,855 23 50,078
ジェット燃料 13,318 99 7,887 5,453
灯油 24,718 560 499 24,498
軽油 40,574 247 4,950 36,605
A重油 24,327 79 165 23,961
C重油 31,876 3,169 9,409 22,696
合計 214,317 35,270 23,250 223,843
出所:資源・エネルギー統計より作成

 輸入量の過半をナフサが占めており、国内販売量の約60%が輸入ナフサであることが特徴的である。ナフサは大部分が石油化学の原料として使用され ており、厳しい価格競争が展開されている内外の石化製品市場に対し、低廉な輸入品によりコスト競争力を高めるとともに原料の確保を図っている。

 ジェット燃料やC重油において比較的高い輸出実績が示されているが、この内の大部分は、日本国内において外国航空機や外国船舶に対して供給された燃料油(輸出扱い)によるものである。また軽油の輸出は近年増加しているが、今後の動向も含めて次項で述べる。


2. 製品輸出入の今後の見通し

 我が国の石油製品の国内需要は緩やかな減少傾向にあり、さらには国内の人口減少もあって長期的に精製設備能力は余剰となるため、石油各社は更なる 設備の集約化を検討するほか、燃料供給の多様性を維持する企業努力として余剰設備の有効利用を図り、設備稼働率の低下による製造コスト上昇を回避すべく、 各種石油製品の輸出を積極的に行う道も模索している。

 今後、世界的な環境対応として急速に低硫黄化が進むと思われるガソリンおよび軽油の輸出増加が期待されている。日本のガソリン、軽油は世界に先駆 けて既にサルファーフリー(硫黄分が10質量ppm以下)を達成しており、特に軽油は品質面での優位性から、表 2-4-6 に示すように、北米、欧州、オーストラリア向けを中心に急速に輸出量を伸ばしてきている。

表 2-4-6 軽油輸出先および輸出量の推移
(単位:千KL)
輸出先 2004年度 2005年度 2006年度
アジア 1,121 1,275 905
米国 0 451 1,710
欧州 0 855 977
オーストラリア 191 919 801
その他地域 213 587 557
合計 1,525 4,087 4,950
出所:資源・エネルギー統計より作成

 現在、欧州全体では約3,000万KL/年の軽油が不足しており、世界各地からの輸入で対応しているが、2009年にはEU(欧州連合)加盟国を 中心に軽油のサルファーフリーへの移行が見込まれることから、既に環境対応が可能な品質の軽油として、日本からの輸出が大幅に増加する可能性も考えられ る。

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2009年1月 6日 (火)

赤福と産地偽装

年末のこと、赤福って食べたこと無いんだよね、って三重県出身の人の前で言ったら、里帰りしたついでにわざわざお土産で買ってきてくれました。どうもありがとうございました。
 実は私は一度、赤福の本場の伊勢神宮まで行ったことがあります。でもその当時赤福ってものの存在自体を知らなくて、たくさん並んでいる赤福の看 板の出ているお土産屋の前を素通りするだけでした。やたらとどの店も赤福ってのぼりが出ているけど、なんだよそれっ、って思うだけ。元々あまりお土産なん かを買う習慣のない私は、当時はそれ以上興味を持ちませんでした。そんなんことがあって、2007年に赤福に製造日・賞味期限の不正表示が発覚して大きな ニュースになって、初めてかなり有名な和菓子なのだと知りました。そんなに有名なものだとなると食べてみたくなる。でも近くでは売っていない。そんなこん なでようやく食べることが出来ました。

 さてその不正表示、赤福を製造販売している株式会社赤福の当時の立場では、不正表示をしているという認識がそもそもなかったようです。赤福は製 造能力の限界から、繁盛記に対応することが難しかった。そのために一部の商品を冷凍し、繁盛記に解凍して販売した。その時に実際に製造した日付ではなく、 解凍日を製造年月日として表示したために問題となった。しかし解凍した日を基にしても、味や賞味期限に問題がなかったため、不正表示とは思っていなかっ た。どうもそのような事情らしいです。
 その意味では、明らかに中国産なのを国産としたり、汚染米を流通させたりした悪意のあるものとは事情が異なるようです。それでも当時の赤福は かなりマスコミに叩かれていました。その叩かれ具合は、悪意のある不正を行っていた「白い恋人」と同じくらいではなかったかと思います。そしてあまりマス コミが悪意のあるかないかを問題にしていなかったように思います。実際、私が赤福の不正表示の内容について知ったのはずっと後の話、ビジネス誌か何かの記 事を読んでからでした。でももしその記事を読んでいなければ、私にとっては赤福も白い恋人も中国産鰻も同じようなものでした。そのあたりもマスコミは注意 して報道してほしいものだと思います。

 ところで今流行りの産地偽装ですが、これって昔からすごく当たり前に行われていたことだと思います。個人的に有名な高級料亭などに商品を納入し ている業者で働いている人を知っているのですが、普通に輸入物を国産だと偽装しているんだと言ってました。今みたいに産地偽装が問題になる何年も前の話で す。実際、国産の食料の生産量なんて限られているので、そんなにたくさん国産品が出回れるわけがないのです。安いのに国産と書いてあれば、まずは偽装品で しょう。そして高級料亭の国産表示品ですら、外国産である可能性が十分ある。そういえば船場吉兆の偽装もありました。中国人のモラルが低いとよく言われま すが、産地偽装に関しては、日本でも似たり寄ったりではないかと思います。
 そういえばこんな話を聞いたことがあります。東京湾で取れた牡蠣をどこかに輸送し、それを何日かその水域で成長させると、それは最早東京湾の 牡蠣ではなくそこの産地として合法的に表示できるそうです。いいかげんなものです。でもこのように食の安全性に対する問題がこれだけ注目をあびているのだ から、これを機会に透明性がよくなればいいことです。

 さて私は国産品にこだわるか。そこまではこだわりません。偽装が多くて信用できないのもあります。国産品ばかりを買うお金がないのも大きな理由 です。でも今までも普通に外国産を大量に食べてきました。今更急に国産品にばかりこだわっていられないでしょう。とりあえずそれでも私は生きています。そ れに国産品といっても、危険なものもあります。釣り好きだった私は、汚染で背骨が変形してまっすぐ泳げなくなってもがいている魚とか、ヒレの形が普通と違 う奇形魚なんかを海で直接見てきました。飛行機に乗ると、赤潮・青潮で色の違う海が時々見えます。日本の海の汚染具合を大いに感じました。

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2009年1月 5日 (月)

派遣切り報道

 派遣社員の首切り問題がよく話題になります。経済の急速な悪化によって真っ先に職を失うのは、このような派遣社員になります。そして企業が悪者扱いされ、職を失った派遣社員は同情を集めています。

 しかしそもそも最初から派遣社員とは、仕事のないときに職を簡単に失うような立場なのです。企業は仕事がなくなったときに簡単に人員調整をするために、正社員ではなくて派遣社員を雇用しています。派遣社員になるものは、最初からそれを理解した上で派遣社員になっているはずですし、なっていなければなりません。それが嫌ならば、努力して正社員になっておけばよいのです。
 テレビのニュースを見ていると、派遣期間が終了していないのに一方的に契約を解除するのは法律違反であるみたいなことを、ある弁護士が言って いました。私は法律問題はそれほど知りませんが、多分それはそうなのでしょうし、解雇するにしてもある程度の事前通告や補償金がいるでしょう。でも正社員でも正当な理由があれば事前に通告して解雇することは可能です。 派遣社員はそうされるであろうことを最初から覚悟し、それに対して準備をしておかなければなりません。
 そもそもずっと長期間派遣社員をやっておきながら、急に解雇されても行くところがない、住むところがないというのはおかしな話です。安いなりにも給料を貰っているのだから、多くの派遣社員はその気になれば少なくともいくらかの貯金は出来たはずです。20万円の月収があったならば、10万円以上貯金すれば1年で120万円貯まります。アパートを借りてゆっくり職探しするくらいの余裕はあるはずです。
 それが出来てないというのは、リスクをとって自分のために無駄遣いをし続けたということです。飲みにいったりとか、パチンコに行ったりとか、 買う必要のない服を買ったりとか、趣味に使ったとか、本来ならば我慢すべきことをしてこなかったゆえの結果なのです。私も昔、そのような金遣いをしている 派遣社員やフリーターの人達を何人も直接見てきました。貯金があれば安アパートを探すことは出来たでしょうし、その間に次の職を探すことも出来たでしょ う。しかし彼らは自己責任で「貯金をしない」ことを選択したのですから、本来ならば自己責任で危機を乗り越えなければなりません。税金を使ったり公共機関が彼らを救う必要はない。結局それは最終的に、まともに働いている国民への負担となる。

 そうはいってみても、理屈通りにはいかないのが現実です。自分の収入にあった生活を営み、将来への計画性がある人は、最初から貯金もないまま派 遣社員を続けてはいません。今更彼らに正論を説いても、問題は解決しません。また、やむをえない事情のあった人もいるでしょうし、そういう人を一人一人判別することは出来ません。結局のところ、彼らを救済する必要があります。
 彼らを救済するべき理由としては、社会不安が増えるということです。自己責任であるとはいえ、それを理解せずに犯罪に走る人はどうしても出て きます。仕事がなくなれば犯罪者が増えるというのは、世界共通の現象です。治安の悪化によって被害を受けるのも、多くの場合は一般の国民です。一般国民は 自分達が被害に会ったり、安全のための負担増を防ぐための予防措置への負担として、彼らを救済するほうがいい。そうでなければ町の一部がスラム化しかねません。



「派遣契約切られた」六本木ヒルズで男が刃物振り回す

12月31日1時18分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081231-00000002-yom-soci

30日午後8時30分ごろ、東京都港区六本木の六本木ヒルズの付近を、刃物を持った男がうろついていると、通行人から警視庁麻布署に届け出があった。

 同署員が駆けつけたところ、男は六本木ヒルズの正面玄関付近で、「刺すぞ。この野郎」などと叫び、刃物を振り回したことから、同署組織犯罪対策課の男性 巡査部長(35)が上空に1発を威嚇発砲し、男を銃刀法違反と公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。男は逮捕される前、「派遣社員の契約を切られた」など と叫んでいたという。

 逮捕された男は、杉並区天沼3、自称無職椎名賢次容疑者(28)。同署副署長によると、椎名容疑者は同8時35分ごろ、六本木ヒルズの正面玄関近くで、洋包丁(刃体約16センチ)を所持していた疑い。椎名容疑者は威嚇発砲の後、包丁を地面に置いたという。

 現場は、地下鉄六本木駅近くの広場付近。年末ということもあり、買い物客らが多数行き交っていた。

 映画を見に来たという30歳代の女性は、広場のそばにある映画館の前で、パーンという銃声のような音を聞いた。何人かが広場の方から逃げるように走って きたといい、広場の方へ歩いて行くと、男性が取り押さえられ、わめいていたという。女性は「映画のロケかと思った」と、驚いた様子だった。同署の阿多孝治 署長は「適正な執行と考えている」とコメントしている。

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2009年1月 2日 (金)

日本の食料自給率の向上は意味があることなのか

 最近は日本の食料自給率を向上させるべきだという報道がよくされます。日本の食料自給率は最低レベルです。実際、政府も現在約40%の自給率を、10年後を目処に50%に引き上げたい意向を持っているようです。では食料自給率を上げることは何故必要なのでしょうか。

 現在は数々の問題によって、食料の増産に対する限界が囁かれています。有効な耕地を開拓するには限度があります。肥料や品種改良、機械化によって大幅に向上してきた面積辺りの収穫量にも、今後は以前のような効率化を出来ないとも言われます。さらに環境問題によって、一部の農地はかつてのような収穫が出来なくなるという説があります。それにもかかわらず、人口は増え続けています。さらに発展途上国の人々が、肉といった、より手間のかかるものを食べるようになってきています。近年のバイオエタノール生産の増加は、本来食料であるものを燃料として消費するため、実質的な食料の消費増となっています。食料の供給は限られているのに、消費量は増加するということです。
 これは将来の食糧危機を示しており、食料自給率の低い日本にとっては危機的状況に見えます。実際、冷戦時代にアメリカはソ連に対する食料輸出を外交カードとして使用したと言われます。冷戦下でソ連はアメリカの最大のお得意様でした。アメリカは戦争などしなくても、食料輸出を止めるだけでソ連を屈服させられたということです。もし世界が日本に食料を売ってくれなくなれば、単純な計算上は40%の国民しか生き残れないことになります。もし食糧危機が起きたとき、あるいは戦争その他何かの大きな出来事が起きて日本に食料の供給がなくなったとき、日本はこのままの食糧自給率では大変なことになる。

 でも本当にそうでしょうか。日本は食料自給率を上げることで、そのような危機を回避することが出来るのでしょうか。しかもたかだか40%が50%になることに、大きな意味があるのでしょうか。
 私はそうは思いません。例えば食料の生産には、肥料を使うことが欠かせません。しかし日本はそれを大きく海外に頼っています。輸入肥料がなくなれば、40%の自給率は20%に低下するという試算もあります。さらに決定的なことは石油です。石油を使わなければ、トラクターもコンバインも動かないのです。鍬を使った手作業で田畑を耕し食料自給率を上げることが出来るわけがない。そして石油の殆どは輸入しているのです。
 肥料や石油を大量に海外から輸入しておいて国内の自給率を上げたところで、日本にいったいどのような利益があるのか。休耕田を再利用し農業従事者を増やして食料の自給率が上がったように見えても、肥料や石油の輸入が止まった途端に自給率は暴落します。既に輸入しておいた数か月分の在庫の肥料や石油がなくなれば、途端に日本は飢餓状態になります。例え日本が食料自給率100%を達成したとしても、そんなものは幻に過ぎません。
 基本的に資源のない日本は、常に海外から物資を輸入しなければ、国体を維持できないということを忘れてはいけません。そのためには日本は強みのある製造業・サービス業を発展させて外貨を稼ぎ、海外の国家と良好な関係を築き、食料・物資を安定的に輸入出来る体制を維持することに力を注がなければなりません。

 そもそも自給率が下がったのは何故なのか。原因の一つは、日本の農業に国際競争力がないということです。多くの規制に縛られ、大量の小規模農家ばかりが存在し、儲からないビジネスです。第二次大戦後、小作農を解放し封建的社会を解消したという意味において、かつての規制と大量の小規模農家の存在は意味がありました。しかし時代は変わりました。地主から小作農を解放し、自立した生活が出来る人々を作るという時代では最早ありません。これからの農業は、国際的競争力を高めて儲かるビジネスとして自立できる産業になるべきです。そのための規制緩和といった農業改革には大いに賛成します。
 しかしそれは自給率を上げることと混同されてはなりません。自給率を上げるために、他から予算を取ってきて助成金をばら撒いて自給率を上げても意味がありません。それは名目の自給率を上げるために、他の産業の競争力を削ぐことに過ぎません。日本の農業は大規模に改革されるべきです。しかしそれは強い魅力のある産業になるよう、規制緩和によってチャンスを与えつつも厳しい競争に直面するようになるべきです。それがうまくいけば、結果として自給率が上がることもあるでしょう。

 それでも日本が物資の輸入なしで食料の生産が出来ないという構図に、何ら変化はありません。では何故食料の自給率にこんなに注目が集まっているのか。
 詳しく調べたわけではありませんが、農水省の権益保護のためではないでしょうか。彼らも本当は肥料・石油の輸入なしで食料の生産が出来ないのはわかっているはずです。食料自給率の低さを理由に危機感を煽れば、農水省やその他農業関連の権力者は予算を獲得出来ます。それは彼らの新たな権力の獲得に過ぎません。食料自給率の上昇によって最も得するのは彼らであり、国民全体のためではない。食料自給率の問題の裏には、どうもそのような意図が隠されているように思えます。


食料自給率10年後に50% 米粉生産50倍、小麦倍増

12/02 22:36

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/201050/

 石破茂農水相は2日、閣議後の記者会見で、現在40%の食料自給率を約10年後に50%に引き上げる政府目標を達成するための工程表を発表した。コメ消費の拡大と小麦増産が柱。農林水産省は来年の通常国会に、企業の農地賃借規制の緩和で、耕作放棄地など未利用地の有効活用を図り、自給率向上を目指す農地法改正案を提出する方針だ。

 コメ消費拡大に向けての具体策としては、パンなどに新規需要が広がりつつある米粉の生産量を、平成19年度の1万トンから50万トンへと、50倍に拡大する。新規需要米に具体的な目標を政府が示したのは初めて。

  このほか、国際的に高騰したトウモロコシの代替として期待される飼料米の生産は、19年度のゼロから26万トンに拡大、小麦生産も裏作を促して91万トン から180万トンにほぼ倍増させる。大豆も23万トンから50万トンに拡大を図る。このほか、牛乳・乳製品の増産も盛り込んだ。

店頭から国産野菜が消える?
米・中が肥料の輸出を実質禁止

http://diamond.jp/series/inside/06_14_004/

 国産の野菜がスーパーの店頭から消える可能性が出てきた。

 化学肥料の原料であるリン鉱石の世界最大規模の輸出国である中国が実質的な禁輸措置に踏み切ったのだ。

 今年4月、中国は化学肥料の輸出関税を100%と大幅に引き上げ、翌5月にはリン鉱石の関税も100%に引き上げた。

 13億人という世界最大の人口を養うべく自国の農業向けにリン鉱石を活用するように方針を変更したためで、実質的には禁輸措置に近い。

 肥料の3大要素といえばリン、窒素、カリウム。この3つがなければ日本の農業は成立しない。にもかかわらず、日本はリン鉱石の全量を輸入に頼っており、その多くを中国に依存。もともと、危うい立場にあった。

 国際的な資源獲得競争のなかで、日本では原油や食料価格の高騰ばかりに目が向いているが、国際的には肥料も同じように重要視されている。

「米国地質調査所が戦略的物質として位置づけた8つの資源のうち、6つは金や銅などのメタルだが、残り2つは肥料に必要なリン鉱石とカリウム」と、資源問題に詳しいジャーナリストの谷口正次氏は説明する。

 中国に限らず、中国に並ぶ世界最大のリン鉱石の生産国である米国はすでに輸出を禁止している。ロシアなどでも産出されるが、国際的に品薄状態が続いており、すでにリン鉱石、窒素、カリウムは、ここ数年で2~5倍も価格が上昇している。

 今後、さらに入手困難になれば、中国や米国以外の国も自国の農業のために禁輸措置に動く可能性もある。そうなれば、日本の農業は窮地に立たされる。

 40%以下と先進国のなかで最悪の食料自給率を少しでも高めようと、農林水産省は、後継者不足の解消、減反政策の見直し、企業への農業の開放などさまざまな政策を打ち出そうとしている。だが、肥料がなければ国内農業生産増大は望むべくもない。

 中国産ギョーザに農薬が混入されていた事件以降、安全性を気にする消費者のあいだでは国産の食品に対する人気が高まっていた。

 しかし、中国からの肥料がなければ、食べるもの自体がなくなるかもしれない。それが日本の現状なのだ。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 清水量介)

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