保護貿易主義の後退
1929年の世界恐慌のとき、各国は保護貿易によって自国経済を守ろうとしました。自国で生産された製品を自国で消費し、他国からの商品を買わないようにする政策です。他国から製品を買えばその国へ自国のお金が流れますので、自国の経済を弱くすると考えられていました。自国の製品を買えば、お金は生産された自国の産業を潤します。お金は自国内を循環するため、資産の流失がないというのがその理論です。
幸いなことに、これは正しくありません。貿易は一般的に貿易に参加をしている全ての国の経済を潤します。競争力のある分野で輸出をし、競争力のない部分で輸入を相互に行うことは、強みを生かし弱点を補完することです。例えば日本は農業の生産性が良くありません。日本は自国で非効率に農作物を生産し、それに高い金を払うよりも、外国から安く買ったほうがいい。その反面、競争力のある機械・電気・自動車などを輸出することにより、他国から外貨を稼ぎます。また日本ほど機械・電気・自動車に強みを持たない国は、日本の高品質・高性能の製品を輸入することによって自国の弱点を補完できます。
もし日本が保護貿易をしたならば、非効率で高い農業生産物に多額の金を払い、国内需要分のみの機械を生産したならば、日本経済は壊滅します。多額の貿易赤字を毎年計上しているアメリカにすら同様のことが言えます。もしアメリカが品質・性能・価格で必ずしも競争力の高くない自国製電気製品を買うのならば、その負担はアメリカ国民が結局支払うことになります。貿易とは両者両得の関係であり、貿易によって参加国全ての経済は、貿易をしないよりも発展しえるのです。
さらに保護貿易は、相手国から同様の対策をされてしまいます。他国から輸入をしないのに、自国の製品だけを輸出することはまず無理です。自国が貿易障壁を設ければ、相手国も同様の貿易障壁を設けるのです。結局のところ、全ての国が貿易によって得られる経済の発展部分を失うだけということになります。
世界は既にそのことを歴史から学びました。外国からの輸入の脅威にさらされている国が、感情的に保護貿易に走ろうとするのはわかります。しかし今は多くの知識人や政治家が、自由貿易の強みを理解しています。今回オバマ大統領が感情論になびくことなく、保護貿易に警戒感を表し自由貿易を守るということを表明したことは、この経済危機を克服する時間を短縮してくれるものと思います。
バイ・アメリカン条項を修正=国際協定遵守を約束-米上院
2月5日11時40分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090205-00000060-jij-int
【ワシントン4日時事】米上院は4日の本会議で、景気対策法案の一部として公共事業に米国製品の調達を義務付けた「バイ・アメリカン条項」の修正案を全
会一致で可決した。保護貿易主義的色彩が強いとして、オバマ大統領や各国が見直しを求めたことに配慮したものとみられる。
修正案は、同条項について「米国の国際協定順守義務と整合的な方法で適用する」との一文を盛り込む内容。ドーガン上院議員(民主)が提出したもので、下院で可決した景気対策法案にも同じ文言が盛り込まれている。
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コメント
■インド、中国製玩具の輸入を全面禁止-保護貿易主義に走る各国?
こんにちは。中国は保護貿易的な動きをみせていますが、インドの措置はこれに対する報復だと思います。世界的に保護貿易的な動きが見られるようになって来ましたが、これに対する日本の対応は、比較的簡単なことだと思います。まずは、内需を徹底的に拡大して、GDPに占める輸出の割合を現在の16%から10 年前の8%以下にしてしまうことです。それと同時に保護貿易主義に走ろうとする国に対しては、徹底的に恐喝をすべきです。恐喝というと聞こえが悪いですが、保護貿易主義的な動きを見せた国で、日本が金を貸している国に対しては、金を返済させることをちらつかせたり、援助している国に対しては、援助を打ち切ることをちらつかせるのです。綺麗な言葉でいえば、外交カードを切るということです。現在世界中が金融危機の最中にあります。たとえ実行しなくても、日本がこうしたカードを切るかもしれないと思われた国は、株価は暴落、貨幣価値も下がることになります。経済が破綻する可能性も大です。このような国は、世界中にたくさんあります。日本は、そろそろこうした外交カードを切ることにより、世界でのリーダーシップを発揮する時に来ていると思います。このような外交カードを切れる国、現在では世界広しといえども、日本のみです。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2009年2月15日 (日) 10時18分