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2009年5月 7日 (木)

世界最高の仕事・ハミルトン島の管理人の本当の狙い

 オーストラリア・クイーンズランド州の観光公社が今年1月から「世界最高の仕事」と銘打って募集を始めた仕事の最終選考が発表されました。美しい島国のロッジに半年間滞在し、島の管理人として雑用をこなしながら島をPRし続ければ約一千万円の報酬が得られます。そして空いた時間には南国リゾートを思う存分楽しめるという、人によっては夢のような仕事です。

http://www.islandreefjob.com/en/#/about-the-job

 これには心動かされる人が多いのではないでしょうか。南国のリゾート地の綺麗な島で綺麗なロッジに生活し、ダイビングでも釣りでも好きなことが出来て多額の報酬がもらえるのです。自分の仕事が評価され知名度をあげることができれば、契約期間終了後も他の仕事を探すのには困らないかもしれません。
 実際、この仕事が発表されるや否や、世界中のメディアがそれをニュースとして配信しました。もちろん日本でも随分と話題になっていて、インターネットで検索すれば数多くのページが表示されます。結果として世界中から35,000近く、日本からも400件程度の応募が殺到したそうです。

 では何故クイーンズランド州の観光公社がこのような信じがたいような好条件を提示したのでしょうか。どう考えても費用を懸け過ぎのように思えます。世の中には自分でお金を払ってリゾートに長期間滞在する人が数多くいます。例え一千万円の報酬が無くても、無料で島内に適当な滞在場所を提供するだけで、この仕事をしたいという人は35,000人とまではいかなくても大勢応募してくるでしょう。
 好条件を提示することにより、まずは良い人を募集することが出来ます。これだけの好条件を手に入れたいという人はたくさんいますから、PRのうまい優秀な人が獲得できます。恐らく世界でもトップクラスの人が手に入るでしょう。
 そして何よりも、この募集はただ単に「島の管理人」を募集しているのではありません。管理人を募集することによって、「島を訪れる観光客」を募集しているのです。

 事実、この信じがたい好条件によって世界中のメディアに取り上げられたことが、世界中から多くの注目を浴びています。当然、島の管理人に応募していない人にもこのニュースを見ています。そのような人々がどこか南国のリゾートで休日を過ごしたいと思ったとき、この話題のハミルトン島が彼らの旅行先の候補地に挙がることが出てくるでしょう。また島の管理人が今後ブログなどで島をPRするとき、それを見てみようという人も出てくるでしょうし、それによって島に行きたいと思う人も出てくるでしょう。
 もしこの島の管理人を報酬なしで募集していたらどうでしょうか。当然注目を浴びることはないでしょう。そうなると島の管理人がいくら島の良さを宣伝したとしても、最初からそのようなことに気がつかない、気がついていても気にもとめないという人が多いのではないでしょうか。ハミルトン島というリゾート地の存在を知らないままの人も多くいることになります。
 今グーグルで「世界一素晴らしい仕事 ハミルトン」と日本語で検索すると、66,000件の検索結果が出てきました。「best job in the world hamilton」で検索すると、実に8,790,000件もの検索結果となります。ウエブだけでそれだけのページが作成されているのです。検索の言葉を変えればまた違った結果も出てくるでしょう。その他にもニュースで取り上げられたり口コミで広がったりしたものを考えれば、最低でも数十億円、恐らく数百億円の広告費用を出すとの同じ宣伝効果があったのではないでしょうか。それを考えれば一千万円の報酬と快適なロッジの提供など安いものです。
 これは人を募集するということにかこつけて、島をどのように効率的に宣伝するかということを最大限に生かした結果と言えます。普通に島の良さを宣伝するのでは、その他大勢のリゾート地の宣伝の中に埋没してしまいます。多くの人がリゾート地に旅行に行くのは、美しい場所でのんびりと好きなことをやって過ごしたいと思う欲求があるからです。しかし現実問題として費用や仕事の関係で、長期間にわたってリゾート地で過ごすことは困難です。仕事をもった日本人だと、せいぜい一週間がいいところでしょう。しかしこの管理人募集だと、半年もリゾート地で過ごせるのです。しかもお金の心配をするどころか、逆に高額の報酬がつくのです。このような夢のようなひと時が現実になるかもしれない。世界中の人々にそう思わせたところに、この企画の成功要因があるでしょう。実際には今の仕事を辞めてまでそんなことをするわけにはいかないという人が殆どを占めるでしょうが、それでも自分でなくても誰がその夢の仕事をするのかといった関心は引くことが出来ます。

 また最終選考に残った16人の出身国は15カ国になっています。地元オーストラリアをはじめ、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、オランダ、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダ、シンガポール、インド、日本、台湾、中国、韓国となっています。

http://www.islandreefjob.com/en/#/finalists

 私はわざと最終候補者を世界各国の出身者から分散させて選んだのだと思います。もし自国から候補者がいれば、その国の国民はニュースに関心を持って見ることになります。そうなればまた島に関心を持ってもらえるでしょう。実際、このような国からはいかにもオーストラリアに観光に行く旅行者が多そうです。

 このような工夫をすることによって大きな成功を収めることが出来たクイーンズランド州の観光局は、随分と満足していることでしょう。これは我々の普段のビジネスでも同様であり、ちょっとした工夫でとんでもない効果を挙げられることがある可能性を示しています。

 

「世界最高の仕事」最終選考会 日本人女性は惜しくも落選

5月6日15時45分配信 J-CASTニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090506-00000001-jct-soci

 オーストラリア・クイーンズランド州の観光公社が募集していた「世界最高の仕事」に向けた最終選考の結果が2009年5月6日、発表された。約3万5000人の応募者の中から最終選考に残ったのは、わずか16人。その中には日本人女性1人も含まれていたが、惜しくも落選した。34歳の英国人男性が 「島の管理人」の座を手にした。

■珊瑚礁の島の管理人、報酬は半年で1000万円

 この「仕事」は、世界最大の珊瑚礁「グレート・バリア・リーフ」をPRするというもので、珊瑚礁の中にある「ハミルトン島」の管理人を半年にわたって務める。仕事内容は、島内の巡回、PRブログの更新、魚の餌やり、郵便物の回収などだ。報酬は、半年間で15万豪ドル(約1000万円)という破格の額だ。

 募集は、自己PR動画をネット上にアップロードする方式で09年1月中旬に始まり、約200か国から3万4684本もの動画が寄せられた。

 最終選考では16人にまで候補者が絞り込まれ、会社員の小林美絵子さん(31)が、日本人としては唯一の候補者となった。最終選考は5月3日から6日にかけて現地で行われ、水泳のテストや面接のほか、現地を視察した上で書いたブログの審査などが行われた。

 その上で見事管理人に選ばれたのは、英国人のベン・サウスオールさん(34)。プロジェクトマネージャーや、慈善事業の資金調達(charity fundraiser)を行っているという。小林さんは残念ながら落選した。サウスオールさんは7月1日から「世界最高の仕事」につく予定だ。


豪州の「世界一素晴らしい仕事」、最終候補者16人が現地入り

2009年05月03日 20:14

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2599039/4107470

【5月3日 AFP】オーストラリアのクイーンズランド(Queensland)州政府が募集した南国の島で高給を得られる「世界一素晴らしい仕事」の求人で3日、最終候補16人が同州にある世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)内の「駐在先」、ハミルトン島(Hamilton Island)に最終選考のため到着した。

 16人はこの「トロピカル・パラダイス」の臨時「管理人」になろうと応募した全世界3万4000人から選ばれた。企業の受付として勤務する日本の小林美絵子(Mieko Kobayashi)さんのほか、韓国のジャーナリストや中国の経営者、シンガポールのスポーツ教師、インドのDJなど、出身国は15か国で職業もさまざまだ。同州関係者らによると、このキャンペーンですでに1億豪ドル(約70億円)の宣伝効果があったという。

 選考された15人のほか、オンライン上の一般人気投票では、台湾で通訳をするクレア・ワン(Clare Wang)さんが2位に約3倍の差をつけ、15万1676票でトップとなり、出場権を獲得した。

 最後に勝ち残った1人は、観光客の憧れるハミルトン島の管理人として6か月間「勤務」すると、15万豪ドル(約1000万円)が支払われる。降り注ぐ太 陽の下、シュノーケリングやセーリングを満喫し、毎週のブログやフォト日記、ビデオなどでその生活を世界にレポートする。

 クイーンズランド州観光局によると、最終候補者らは全員、オーストラリアまでの旅費は無料で3日に到着。優勝者が過ごす3ベッドルーム付きの豪邸を見学 した。同局局長は「候補者はここで楽しんでもらえれば良いが、みんな細かいところまで観察されることを分かっている。世界の目をわが州に引き付けるには誰 が最適な候補者か、わたしたちはしっかり選ぶ必要があるからね」と語った。

 最終選考による優勝者は6日、発表される。(c)AFP

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コメント

日本の放送でみましたが、エントリーの中にアンフェアな人もいるように見受けました。当然落選してましたが、もしえらばれていたら・・・・・
天国に近い島、最終選考に選ばれた人もフェアなエンジェルを期待してました。
特にアイルランドの方、アイルランドという國には好感持ってましたがこの方の露骨な妨害工作でアイルランド人のイメージ、変わりました。

投稿: nori | 2009年5月29日 (金) 23時52分

私はその放送を見ていないのでなんともいえませんが、もし選考が不公平ならば宣伝が逆効果になってしまいかねません。気をつける必要があるでしょう。ただしアイルランド人全てがそのような人だけではないとも思います。

投稿: 著者 | 2009年6月12日 (金) 23時27分

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