プリウスに試乗してきました
この大不況下でも発売前から予約が殺到している、今話題の新型プリウスに試乗してきました。新聞では既に10万台受注とか、今注文しても納車が年内になるかぎりぎりだとか、信じられないくらいに景気のいい話が飛び交っています。政府の販売奨励策で実質的な支払額が減るのも魅力でしょう。私の行ったディーラーでもすでに数百台の注文を取ったと言っていましたので、発売したばかりの車としては空前絶後の受注ではないでしょうか。
さて試乗前に車をまずゆっくりと見ました。先代の外見を大きく変えることのない、誰が見てもすぐにそれとわかるいかにもプリウスといったデザインです。フロントシートはゆったりとした感じで、特にホールド性が良さそうにも思えません。このあたりはやはりハイブリッド車、燃費走行中心でゆったりと走ることが前提なのでしょう。内装に特に高級感はありませんが、センターコンソール付近のボタンは見やすい位置に配置されていて、使い勝手もいいです。リアシートは頭が天井に当たらない程度の空間は確保されていて、インサイトよりは確実に広い。だけどリアシートは背もたれの角度が直立に近くて姿勢としては楽ではないのに、リクライニング機能はない。長距離だとリアシートはちょっと辛いかも。
操作系ですが、シフトレバーやパーキング・ブレーキはポジションが検知式になっていて、いわゆるドライブ・バイ・ワイヤというものです。だから手動でシフトレバーの位置を動かすと、車がその位置を感知して車の設定を変えてくれます。これが意外といい。パーキング・ブレーキをかけるのも解除するのもボタン一つ。例えばシフトレバー横のパーキング・ボタンを押せばそれだけで車がギヤをニュートラルに入れたうえにパーキング・ブレーキをかけてくれるし、走り出せば勝手にコンピューターが自動でパーキング・ブレーキを解除する。これは便利です。
さていよいよ試乗。発進はエンジンを使わず基本的にモーターですので、車を始動しても極めて静か。電池が減ったりより強い加速が必要なときはいつの間にかエンジンがかかっていて、両方使って走行します。このエンジンの始動が実に静かで、いつエンジンがかかったのかわからないうちにエンジンの排気音がします。基本的に快適性は高い。
新型プリウスは99馬力の1.8リッターエンジンにモーターがついて、最高システム出力136馬力。トヨタによると2.4リッターエンジンなみの出力だそうです。しかしアクセルをベタ踏みしてもあまり加速感がない。思ったよりも遅い。ディーラーの営業員にそう言ったら、省エネモードに設定されているので、パワー・モードにすれば良いとのこと。パワー・モードにして走ってみましたが、多少は速くなったものの、1.3トン超えの重量のせいかやはりそれほど機敏な車だとは思いませんでした。ハンドリングはインサイトほどきびきびとしたものではないものの、かつてのトヨタ車のようなフニャフニャなサスペンションでコーナーが全く安定しないということもありませんでした。
試乗後、営業員と色々と話をしてみました。とりあえず納車のことを聞いて見ると、やはり年内ぎりぎりくらいだろうとのことでした。先週注文すれば11月納車くらいだったので、一週間で納車が一ヶ月ずれたそうです。政府の新車購入の補助金も今ならば多分受けられるだろうが、それも保証は出来ないとのことでした。
気になるバッテリーについても質問してみました。本社での試験だと、30万キロ走っても問題はなかったとのことでした。恐らく50-60万キロでも大丈夫なのではないかということです。これは安心出来る話です。でも逆に一ヶ月に一度しか乗らないような滅多に走らない使い方だとバッテリーの寿命はもっと短くなるかもしれないのではないかと聞いたら、それはそうだろうと言っていました。しかし普通に使っていれば10年たってもそれ以上たっても恐らく大丈夫なのではないかと言っていました。ちなみに保証は5年か10万キロかどちらか早いほうが適用されます。もしバッテリー交換するとなると、恐らく20万円くらいかかるのではないだろうかとのことです。まだ技術の低かった初代プリウスはメーカー保証で無償でバッテリー交換がされますが、2代目は技術の進歩でバッテリーを交換する必要のある車が出てきたことがないので、そのあたりはまだよくわからない、でも2代目の今までの信頼性を考えると、3代目も期待出来るかもしれないとのことでした。こればっかりは実際に年数を経過してみないとわかりませんが、技術の蓄積があるから大丈夫かもしれません。
その間にもひっきりなしにお客がきます。数ヶ月もたつと、道路には異常繁殖した新型プリウスが溢れ出している事間違いなしです。
さてプリウスの動力ですが、トヨタでは2.4リッター級といっています。しかし実際にはシステム出力は136馬力に過ぎず、低速域でのトルクの供給を得意とするモーターがあるとはいえ、普通のガソリン車の1.8-2.0リッター級といったところではないでしょうか。例えば同じトヨタのアリオンは1.8リッター・エンジンで136馬力です。アリオンの全幅はプリウスの1745ミリよりも少し狭い5ナンバーサイズの1695ミリですが、全長はプリウスの4460ミリよりも少し長い4565ミリ。車格的にはこのあたりと同格といったところ。アリオンの価格設定が168万円-233.1万円に対して、プリウスは205万円-327万円。燃費だけで価格差を埋めるのは簡単ではなさそうです。政府の補助金と中古車になったときのリセール・バリューを含めればプリウスの勝ち、ハイブリッド車に乗っているという満足感も足せばプリウスの圧勝でしょうか。
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