カテゴリー「ニュース」の54件の記事

2009年11月 7日 (土)

日本航空の年金減額について

 日本航空のリストラ問題の大きなものの一つが、年金問題です。赤字を垂れ流し続ける会社なのに、多額の年金の不足金の穴埋めに苦しんでおり、この高コスト体質をなんとかしない限り日本航空の再生は不可能でしょう。

 記事によると、退職者に払う年金は給付利率4.5%の確定給付年金で、年間240億円以上の損を会社に与えているのだそうです。退職者に払う金額も業界よりもかなり高い。企業を再生するにあたり、これをほうっておくわけにはいかない。
 しかし過去にもこの問題を解決しようという努力はされてきましたが、いずれも失敗している。退職者にしてみれば、契約でそうなっているものを一方的に減額されてはたまったものではない。今まで働いて支払ってきた年金なのに、何故今会社が赤字だからといって、もう会社を退職した私たちが割をくわなければならないのかという思いは強いと思います。

 しかし日本航空は、本来ならば倒産していてもやむをえない会社です。燃料代の高騰・激しい競争・不景気・半官半民ならではのいくつもの縛りがあり、ずっと赤字が続いている。いくら融資をしてもあっという間に資金を食いつぶしてしまい際限が無い。もし政府が助けないただの民間企業ならば、もうとっくに倒産していることでしょう。日本航空を倒産させないためには、リストラ次第で将来は利益が出る企業に再生できるということをはっきりと示さなければならない。
 このままほうっておけば会社は倒産します。そうなればいくら退職者が年金減額に反対していたとしても、彼らに対して払われる年金も自動的に減額されることになるでしょう。しかし政府としては倒産は日本経済に対しての負の影響が大きいと見て、倒産させることなく再生をさせる方針を打ち出している。業界よりもはるかに高額の年金を受け取って企業の負担になっている退職者が、この状況でも無事でいられるべきだと考えるのは、見通しがゆるいと思います。しつこく繰り返しますが、日本航空はとっくに倒産していても当然の会社なのです。半官半民であるから政府が助けているだけのボロ会社に、退職者は一体何を期待しているのでしょうか。日本航空は根本的にあらゆる高コスト体質を見直さなければならない。会社は倒産したものとみなし、それを前提に物事を考えるべきです。

<日本航空>年金支給額のモデルケース 月額最大48万円

11月6日2時30分配信 毎日新聞

 経営危機に陥った日本航空の年金の支給額がモデルケースで月額最大48万円と、同業の全日本空輸の同31万円を大幅に上回っていることが5日、政府の内 部資料で分かった。日航は官民共同出資の「企業再生支援機構」の管理下に入り、公的資金投入を含めた資本増強などによる再建を目指しているが、手厚い年金 支給を受けたまま公的資金を投入することに対しては国民の反発も強く、年金減額への圧力が強まりそうだ。

 日航の年金支給額が最大の48万円(うち5万円は本人が掛け金を負担)になるのは、退職金1700万円を選択した場合で、内訳は企業年金が25万円、国 民年金・厚生年金が計23万円だった。退職金を最大の3650万円受け取った場合は、年金は公的年金の月額計23万円のみとなる。

 日航の企業年金には現役約1万6000人、OB約8500人が加入しており、年金・退職金債務の積み立て不足が3042億円発生している。

 公的資金投入の前提として、日航は給付引き下げを目指すが、確定給付企業年金法の施行規則では全受給者の3分の2以上の同意が必要で、OBらの説得は難 航するとみられる。政府は年金を削減できる特別立法を検討しているが、憲法に保障された財産権を侵すとの見方もあり、ハードルは高い。【大場伸也】


JALはOBの企業年金を削減していいのか

http://questionbox.jp.msn.com/qa2777474.html

 それでは、JALの企業年金はどれくらい重荷なのか。「週刊ダイヤモンド」7月25日号の企業特集に「日本航空 政府保証の次は公的資本注入か  再建シナリオの全貌と赤字構造」と題する力の入った記事がある。この中に同業のANAとJALの年金(企業年金部分)の比較が載っている。

 JALとANAの企業年金は標準的なケースの月額で、JALが約25万円、ANAが約9万円と大きな開きがある。正確には人件費の全体を見なければならないが、燃費ならぬ「年費」(=年金費用)だけでこんなに差があっては苦しかろう。JALがGMに見えてくる。

 尚、この問題を報じた「週刊現代」(7月25日号)には、「JALの年金は『毎月49万円です!』」とあるが、49万円は、国の厚生年金(含む基礎年金)の給付を足した金額だ。ちなみに、「週刊現代」の記事によると、東京電力の年金はもっといいらしい。

 また、2009年3月期で、JALの退職給付債務は約8千億円で、積み立て不足は約3千3百億円だ。4千億円台の年金資産の運用では、もちろん大きな損が出ている。

 もう少し詳しく見ると、JALの年金は3つのパートに分かれていて、会社3:社員1で掛け金を負担する第1加算年金、退職金の15%を掛け金とす る10年保障、本人終身の第2加算年金、退職金の20%を掛け金として給付は10年保障の第3加算年金がある。大きな問題は3つの年金の何れもが給付利率 4.5%の確定給付年金であることだ。

 4.5%の確定利回りで運用しなければならないのだから年金を支給する側は大変だし、年金を受け取る側から見ると大いに魅力的だ。

 はっきり言って、現在の金融環境下で「4.5%の確定利回り」というJALの企業年金は、これを提供する側から見ると「出血大サービス」というし かない。「確定」ベースで考えるなら現在長期国債の利回りは1.5%に満たないのだから、年率3%以上の実質的な損失がビルト・インされているということ だ。退職給付債務額にこれを掛けると、年間240億円以上の損を会社にもたらしている理屈だ。これを現在赤字の会社が稼ぐつもりだと口で言う将来の利益 と、リスクを取った年金運用とで埋めるという話なのだから、JALの株主は頭が痛いだろうし、銀行をはじめとする債権者は胃が痛いにちがいない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月27日 (日)

亀井金融相の経済音痴ぶり

 「わたしが言ったからといって、株が下がるほど脆弱(ぜいじゃく)な銀行は、銀行業を営む資格はない」

 亀井金融・郵政改革担当相の発言です。期間限定とはいえ、貸した金が返さなくていい・利子の支払いもしなくていいというのは、銀行の本業を否定することであり経済の原則を否定することです。金融政策を実行する立場にある人がそんな発言をしたとき、株価が下がるのは当然のことであり、下がらないと考える人がいたならばそちらのほうが余程どうかしています。銀行が脆弱だから株価が下がるのではなく、銀行の利益の源泉である融資を実行してその元本と利子の返済を受けるという本業を否定されたから株価が下がるのです。政府から突然に本業を否定されて、株価に影響のないまともな企業が果たして存在するのか。このような大原則すらわからないほどの人物がこのような責任のある地位についたことは、日本の経済に対して非常に危険なことです。
 中小企業は今後の支払いは猶予されたとしても、今後の融資を受けられる可能性は低くなるだろうし、そうなったときに困るのは中小企業である。少なくとも銀行は間違いなく直接の損害を受けるし、そうなれば経済全体にとっての損害となる。これも民主党の掲げる「友愛」だと彼は言うが、少なくとも彼の友愛は中小企業向けのみであり、金融機関や経済全体には向けられないようです。

 亀井金融相のこのような発言に対し、鳩山首相は「与党3党、政府内で議論して、できるだけ早く結論を出したい」としています。一方で「鳩山由紀夫首相は(反対なら)わたしを更迭すればいい。できっこない。最初から合意している話だ」と亀山金融相は述べています。しかし首相は彼のこのような動きを支持している態度を明確にもしていません。まだ内閣が出来たばかりですので、いきなりの分裂はまずいと思っての沈黙ではないかと思われますが、首相は本当にこのまま亀井金融相を野放しにしてこの政策を実行させる気なのか。それとも本当に最初から合意している話なのか。それは日本経済・鳩山政権自体の危機ともなりえます。このまま次の参院選で民主党が人気を維持できるとも思えません。水面下で説得をし、それが駄目ならばまだ傷の広がらないうちに更迭もやむをえない。そんな態度を見せて欲しいものです。

「首相は更迭できっこない」=返済猶予対象、利払いも-亀井金融相

9月27日14時39分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090927-00000027-jij-pol

 亀井静香金融・郵政改革担当相は27日のテレビ朝日の番組で、中小企業などの融資返済を猶予する制度の導入について、「鳩山由紀夫首相は(反対なら)わ たしを更迭すればいい。できっこない。最初から合意している話だ」と強気な発言を繰り返し、実現に自信を見せた。亀井氏は出演後、記者団に「首相とは価値 観を共有している。『友愛』を返済猶予の形で実現していく。首相も喜んでいると思う」とも語った。
 また、亀井氏は同番組で、借り入れ元本の返済に加えて金利支払いの猶予も視野に検討する考えを表明。亀井氏は28日にも直嶋正行経済産業相と会談し、中小企業の経営実態について意見を聞く。
 一方、亀井氏の返済猶予方針が銀行株下落の一因になっているとの指摘に対しては、「わたしが言ったからといって、株が下がるほど脆弱(ぜいじゃく)な銀行は、銀行業を営む資格はない」と強調した。

首相「モラトリアム法案、早期に結論」

9月26日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090925-00000011-fsi-bus_all

 訪米中の鳩山由紀夫首相は25日、亀井静香金融担当相が主張している、中小企業の借入金や個人の住宅ローンの返済を3年程度猶予する「モラトリアム法案」について、「与党3党、政府内で議論して、できるだけ早く結論を出したい」と語った。これを受け、金融庁は週明けから大塚耕平副大臣を中心に与党3党 との調整を本格化させる。

 一方、亀井担当相は同法案に政府内や金融界から異論が出ていることについて、「(平野博文)官房長官がああだこうだとコメントする立場にない」と不快感を示した。

 このほか、日本航空の再建問題で25日に再生タスクフォースが設置されたことに関連し、「金融庁として助けるときは助けないといけない」と述べ、政府が一体となって支援していく意向を示した。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年9月19日 (土)

亀井静香金融相のモラトリアム発言はただの人気取りに見える

 鳩山内閣で新郵政・金融相になった亀井静香大臣の発言が、金融市場にちょっとした衝撃を与えています。中小企業が銀行による貸し剝がしによって黒字倒産が起きていて、個人もローンに苦しんでいるから、三年くらいの返済猶予をするモラトリアムを実施する、という意向を示しました。

 私はこれには反対です。こんなことをすれば、銀行は貸した金が暫く返ってこないのですから、大きな損害を受ける。そうなると金融機関の収支は悪化し、より保守的な経営方針となるでしょう。そうなれば新規の貸し出しにも慎重にならざるを得ず、銀行本来の役割である融資が少なくなれば、結局困るのは中小企業ということになる。経済全体も停滞し縮小することになる可能性があります。
 また、そもそも本当に中小企業の黒字倒産がそれほどにまで多いのか、モラトリアムを実施して得られる中小企業の利益と、銀行の損害+新規融資を得られない中小企業の損害を比較したのか、一時的とはいえ貸した金を返さなくてもいいという超法規的措置によって日本の経済システムに対する信頼が揺らぐのではないか、そのような疑問がまず浮かぶ。
 実際、この発言を受けて金融機関の株式は下落している。株式が下落すれば時価評価によって企業の資産価値も下落し、またそれにより銀行はコール市場で短期の資金調達に苦労することになるかもしれません。既に経済に対する悪影響が出ています。

 さらに、彼が党首(2009年9月現在)を務める国民新党の2008年の緊急金融安定化対策では

大阪証券取引所における「日経225先物取引」は、投機マネーとして、現下の株乱高下の一因となっており、早急に廃止する。

http://www.kokumin.or.jp/seisaku/20081017.shtml

 としています。先物取引は確かに投機に使われることがありますが、リスクヘッジへの使用や金融商品取引の簡略化といった役割があり、経済に貢献しています。例えばあなたが日経平均が上がるから買いたいと思ったとき、日経225を現物株で売買する手間を考えてみてください。また株価の乱高下を先物の責任だけにするのはおかしな話です。日経225先物がなくなれば、昨年のリーマンショック後の株価暴落は避けられたのでしょうか。私はそうは思えません。先物がなくてもやはり現物は売られていたでしょう。

 このようなことから、亀井静香金融相が、経済や金融のことをよく知っていて、適切な対応が出来る適任者であるとは思えません。むしろ私には、亀井金融相はまともに政治をするというよりも、何か目立つことをしたり受けの良さそうなことを言ったりして目立つことにより、人気を得て政治をしているように見せているだけのような気がするのです。
 1995年、フランスはムルロア環礁で核実験を行いました。そのとき亀井議員はわざわざ現地の近くまで船に乗り繰り出し、反対のパフォーマンスをしていました。しかし日本国内の選挙が終わると、まだ核実験が続く現地をさっさと離れて日本に帰国しました。また、諫早湾干拓事業が無駄であると話題になったとき、彼はやはり現地まで飛び、繰り返しテレビに大きく写っていました。というよりもテレビによく映ることだけを意識しているように思えました。
 私は、彼が核実験に反対したことや干拓事業に反対したことを責めてはいません。核実験反対は被爆国の日本人として当然のことです。米余りの日本でさらに農地を増やす意味のない干拓事業に反対するのもいいことだと思います。しかし私には、亀井議員は人気取りになること、選挙の票につながることを何よりも優先しているだけの役者というかパフォーマーのように思えて仕方がない。中小企業の支払い猶予をすれば、弱い立場の人に優しいというイメージを作れる。日経225先物が株価の暴落の原因だと決め付けて廃止を唱えれば、経済への不安を持つ人々から支持を得られる。核実験反対・公共事業反対をアピールするのも、国民の味方であるような印象をつけられる。実際に亀井議員は昔から核には反対の立場を取っていたようです。しかし本当に優先しているのは良い政策を通すことではなく、国民に自分を印象づけることであったり良い評価を得ることであるような感じをどうしても受けてしまいます。

海外勢が「亀井発言」嫌気、閣内の影響力は限定的の見方も

9月17日19時34分配信 ロイター

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090917-00000557-reu-bus_all

[東京 17日 ロイター] 亀井静香郵政・金融担当相の発言が金融市場に波紋を広げている。17日の東京株式市場では、中小企業による借入金や個人の住宅ローンなど銀行への返済にモラトリアムを設けるとのコメントが海外勢に嫌気され、金融株が売られた。
 市場関係者は金融行政の運営に対して懸念を強めている。ただ、先の総選挙で300議席超を獲得した民主党主体の政権にあって、少数政党の国民新党の代表として影響力は限定的との指摘もある。
 17日の東京株式市場は、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、三菱UFJフィナンシャ ル・グループ<8306.T>など大手銀行株が続落。中でもみずほの下げが目立った。大手証券の株式トレーダーは、前場では米系投資家が売り、後場に入っ てからはアジア勢が追随し、金融株の下げ幅が拡大したという。
 亀井担当相は就任後の記者会見で、中小零細の企業・商店が日本の経済の基になっており「貸しはがしによって黒字倒産がドンドン起きている」のが実態と指 摘。個人も住宅ローンの返済で苦労しているとして「3年ぐらいは借入金の返済を猶予する措置をとるべきだと考えている」と語った。
 ただ、具体的な制度の詳細は「まだきちんと決めているわけではない」としつつ、郵政民営化凍結法案と合わせて、モラトリアムを法案として整備し、10月に召集予定の臨時国会に法案を提出するとの考えを示した。
 日本全国に新幹線を建設する――。1993年8月に発足した細川政権が整備新幹線の凍結を決めていたが、94年に政権を奪還した自民・社会・さきがけの 村山内閣で運輸相に就任した亀井氏は、初閣議の後の記者会見でいきなり凍結解除を打ち出した。亀井担当相の豪腕ぶりが分かるが、その当時は自民党が第1党 として強力な政権基盤が背景にあった。 
 8月30日に実施された総選挙に向けて策定された国民新党のマニフェストは、第1章の「国家の姿」のなかで「郵政民営化を見直すことが日本のやさしい社 会を取り戻すことにつながる」とし、7項目の政策提言のうち、冒頭が「郵政民営化・4分社化を抜本的に直す」となっている。
 欧州系証券のシニアストラテジストは、郵政民営化の巻き戻しについて海外からみれば「3公社5現業」という非効率な運営がイメージされるので政権にはネ ガティブなイメージを与えると指摘する。その上で鳩山政権が「人為的に誤った政策運営をするとの懸念を持たれる恐れがある」との見方を示す。
 同時に「亀井氏の大臣就任は小泉純一郎元首相への恨みを抱いてきた亀井氏へのはなむけの人事だ」と指摘する。というのは「今や大政党となった民主党主体 の政権内で、議席が過半数に届かない参院での国会対策としての連携であって、来年の参院選で民主党が過半数を獲得すれば、亀井氏は自然と不要になる」と説明する。
 先のシニアストラテジストは、衆院で民主党が結成した会派は311議席なのに対し、国民新党は3議席に過ぎず「最終的にバランスのとれた政策が期待できる」とし、亀井氏の影響力は限定的との見方を示す。
 ただ、金融担当相は、メガバンクをはじめ国内で営業する銀行、証券を監督する巨大な権限を持つ。亀井担当相の発言で早くも大揺れの金融界は、強い風圧にさらされることになった。
 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者)

| | コメント (1) | トラックバック (3)

2009年9月15日 (火)

使われていない高速道路は有効使用するべき

 民主党の掲げる高速道路の無料化ですが、まず北海道と九州から始められるようです。

 都市圏と異なり、地方には作ってはみたもののあまり交通量の多くない高速道路があります。昔雑誌である記事を読んだのですが、北海道には国道に沿って作られた高速道路があり、もともと通行料の少ない無料の国道を走れば、高速道路を使用しなくてもあまり目的地への到着時間の差はないというものでした。わざわざ通行料を払って高速道路に乗らなくてもいいわけです。当然高速道路を使用する車は殆どありません。そしてそのような場所に巨額の費用をかけて高速道路を建設して、それが無駄になっていることを批判していました。
 都市圏の高速道路はかなり通行料が多く、渋滞も頻繁に起きています。ここを無料にするとさらに渋滞が発生するというのは、ありうる仮説です。もっとも高速道路が渋滞することが時間と共に知られると、一般道に車が流れて分散されるのでそれほど渋滞が激しくはならないという意見もある。また渋滞の最大の原因である料金所を撤去すれば、渋滞は著しく減るという意見もあるので、これもやってみなければわかりません。
 しかしはっきりと言えるのは、通行料の少ない高速道路は無料化によってその地方に貢献出来るだろうということです。何故このような通行量の少ない高速道路を巨費を投じて作ったのかという批判をするのは簡単ですが、もう完成しているものは今更どうしようもありません。このような地方の高速道路は、もともとその許容量以下の通行量しかないのですから、無料化してそれを最大限に使用してやったほうがいい。九州と北海道に限ったことではなく、通行量の少ない高速道路は他にも多く存在する。既にあるものは最大限使用しないと、逆に損です。


高速無料化 まず北海道・九州で 来年度、ダメージ最小限と判断

9月15日7時56分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090915-00000060-san-pol

 民主党は、衆院選マニフェスト(政権公約)で明記した「高速道路の無料化」を、北海道と九州で来年度から先行実施する方針を固めた。複数の関係筋が14 日、明らかにした。利用状況や経済効果をにらみながら無料化路線を段階的に拡大していく考えだ。ただ、これまでの道路建設に伴う約30兆円の有利子負債や 道路の維持管理コストをどう捻出(ねんしゅつ)するかはいまだに示されていない。民主党の鳩山由紀夫代表が掲げる「温室効果ガス25%削減」方針にも矛盾 するとの指摘もある。

                   ◇

 無料化を先行実施するのは、供用されている高速道路約7678キロのうち、北海道エリアの581キロ、九州エリアの794キロ。東名高速など大都市圏をつなぐ主要路線と比べると、交通量が少ない路線だ。

 高速道路を無料化すれば、交通渋滞、排ガスによる環境悪化、料金所廃止による雇用問題、他の交通機関への影響-など数々の問題が起きるといわれる。

 このため、民主党では、交通量が少なく、限定された地域で先行実施すれば、無料化に伴う悪影響を最小限にとどめることができる上、対策を講じやすいと判 断した。加えて地域経済に与える効果などを把握でき、このデータを基に複合的な地域活性化策を策定できるメリットもある。

 民主党は、マニフェスト工程表で、平成24年度には首都高速、阪神高速を除くすべての高速道路を「原則無料開放」する方針を示した。これに伴い、民主党 は23年度の通常国会で、高速道路を保有する独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」を国有化するため法改正する方針。無料化後の高速道路は一般 国道の「自動車専用道路」とする方向で検討している。

 民主党は経済効果を3年間で2兆円、国内総生産(GDP)を0・41%押し上げると試算している。国交省も20年、首都高速と阪神高速を除く無料化による経済効果を2兆7千億円とする試算をまとめた。

 一方、国有化すれば、返済機構が抱える約30兆円の有利子負債は国の債務として計上され、道路の維持管理費や新規建設費は税金で負担することになる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月11日 (金)

高速道路無料化論争

 民主党の公約の一つである高速道路の無料化ですが、賛否両論あるようです。無料化によって、道路の建設・維持に関わる財源をどうするのか、道路公団の借金をどう返済するのか、渋滞が増えるだけではないのか、使用者負担の原則に沿っているのか、環境の悪化につながるのではないか、その他いろいろな疑問が提示されています。
 しかし高速道路は完成して30年後に無料化するといって建設しておきながら、その約束が反故にされています。また高速道路ではないですが、本来道路建設等に使われるべき自動車にかかわる税金(ガソリンにかかる揮発油税、自動車重量税、自動車取得税)が二重取りになっていたり、それがさらに一般財源化されるなど、自動車に関するお金の流れが政策として筋の通っていない部分があり、どうも道路行政全体に違和感を感じてしまう。
 例え約束違反や税金の二重取りや使用者負担の原則に反することになっても、それで国が良くなるのならばまだ納得も出来る。しかしそうであるかどうか、私個人はまだその詳細について詳しく検討していないので、はっきりと結論が出ていません。そうなると今の時点で感情的には、約束違反や二重取りといった今まで当たり前のようにやってこられた、ある意味で国民を馬鹿にしているお金の流れや政策に反感を覚えてしまいます。他に費用がいるのならば、政府は新たに財源を作ってそれに当てるのが筋であって、約束を反故にして勝手にお金の流れを変えるのはおかしいだろうと思うのです。自民党の独裁であったがゆえに、このような無茶ぶりがまかり通っていた部分は否定できないでしょうし、自民独裁が続いていたら見直し論など出てこなかったのではないかと思います。
 もちろん、高速道路の無料化には、批判だけでなく想定される優位点がいくつもある。高速道路に車を誘導することにより一般道路の渋滞が少なくなる、高速道路の渋滞の最大の原因である料金所を廃止することにより、高速道路の渋滞も少なくなる、建設しても高い通行料金ゆえに使われない地方の高速道路が有効利用される、都市間の交通にかかる金銭的・時間的余裕が生まれ、物流も盛んになり、ドイツやアメリカでそうなったように経済の活性化が生じ、それにより税収も増える、といったものです。

 どちらがいいのかはまだ誰にもわかりません。まして私は詳しく調べてもいません。ただし上記理由によって感情的には無料化賛成です。しかしこの問題は単に高速道路としての問題だけでなく、経済効果・財政問題・社会問題・政治問題を総合的に見て判断する必要があります。とりあえず民主党の高速道路無料化を引っ張っているらしい山崎養世氏の主張と、それに反論している道路公団民営化を手がけた猪瀬直樹氏の主張のウエブサイトを紹介してみます。

山崎養世氏
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/08/post_351.html

日経ビジネスにも高速道路問題を何度も寄稿しています。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071009/137073/

猪瀬直樹氏
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090825/176220/?P=1

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年8月28日 (金)

ジーンズの価格競争

 イオンが今月発売した880円のジーンズの売上が非常に好調だそうです。8月26日の日経の記事によると、昨年の販売額の4割を既に販売してしまい、一部で品不足が出ているとのことでした。西友、ユニクロなども低価格のジーンズを手がけていて、どこも好調だと報道がされている中、価格競争が激化しているようです。イオンのジーンズは業界最安値に加え、股下も含めた多くのサイズを揃えて裾上げの手間を省いたお手軽なところが評価されているとされています。
 近くのジャスコに商品を見に行ってきました。なるほど、一部サイズで品切れが出ていると表示が売り場でされていました。本当に人気のようです。実物を見た私個人の感想ですが、生地も薄いしパッチと呼ばれる右後ろポケット上部につくブランド名などを入れる皮などで出来たラベルもない。安い価格で頑張っているのはわかるけどやはり値段相応のもので、あまり欲しいと思わないというのが正直なところでした。ユニクロ系の低価格店のジーユーにも行ってみましたが、やはり似たようなものでした。この値段だとこの程度が限界なのでしょう。
 それでもこれらの低価格ジーンズが売れているということは、ブランドや品質以上に価格に敏感な消費者が多いということを示している。実際、ジーンズ以外でもファッションでは価格破壊が進んでいます。かつてはリーバイス・リー・ラングレー・エドウィンといったものから二万円くらいのブランド物などが人気を博しており、ブランド力のないものや明らかな安物では多少負い目を感じる時代もありましたが、ジーンズだけが低価格化の例外ではいられなくなっているのでしょう。私は価格が安くてもこの品質で今のような人気が長続きするかどうかに少々疑問を持っていますが、少なくとも暫くは話題が続くことになるでしょう。またジーンズのブランドや品質にこだわりがない層の需要は今後もつかむと思います。

 そのような中、国内ジーンズ大手のボブソンは売上低迷でジーンズのブランドを手放すことになりました。低価格商品との競争に押されているようです。未だに圧倒的ブランド力を持つリーバイスなども、今後は影響は避けられないでしょう。

 ジーンズの生まれたアメリカでも、リーバイスなどのブランド物のジーンズはまだ人気です。カルバンクライン、ポロといった高めのものから、GAPのようなちょっと低価格ものまで幅広く売れています。また、日本に先駆けて小売業発のプライベートブランドものやノーブランドの低価格ものも広く売られていて、それらはある程度定着しています。
 そのような中、小売業の力は着実に増えていき、メーカーはその力を無視出来なくなりました。結果としてラングレーはディスカウント店のターゲットで15-20ドルくらいの安めの商品を供給しています。これはおそらくディスカウント店用に開発された安めの専用商品だと思われます。ちなみに私も買ってみましたが、特に品質に問題は感じません。さらにリーバイスは、世界最大の小売ウォルマートに、値段と品質を落とした専用商品を開発・供給しています。これらの行為によって自社の安い商品によって本来の主力商品の売上が減少することになりますが、このまま座視して他のメーカーにシェアを奪われるよりもましと考えた結果といえます。

 価格が1万円を超えるハイエンドの高級ジーンズは、ファッションに興味がある層と富裕層からの支持を得られます。しかしアメリカの先例を見る限り、日本においてもハイエンド品と2-3000円以下のローエンド品との中間にあるジーンズは、今後はさらなる価格競争や売上減は覚悟しなければならない。1000円程度のジーンズが今後も好調な売上を定着させられるかどうかはわかりませんが、2-3000円程度のジーンズならば品質もデザインもそれなりにいいものがあります。PB以外でも、ファッションブランドでもこの分野に参入が増えています。かつてのジーンズの有力ブランドメーカーがそれらと競争するのは厳しいことになるでしょう。日本でもそれらのメーカーがヨーカドーやイオンに対して供給する、安めの専用商品が出現するかもしれません。



ユニクロより110円安い!!イオン880円ジーンズ

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/fuji-320090813204/1.htm

2009年8月13日(木)17時0分配信 夕刊フジ

ジーンズの安売り戦争が激化してきた。スーパー大手のイオンが14日以降、880円(税込み)の独自ブランドのジーンズを全国のグループ店舗で発売するの だ。中国の工場で生産し、製造コストを削減。シンプルなデザインが特徴という。西友もこの秋に1000円を切るジーンズの販売を計画しており、価格破壊が 一気に進みそうな感じだ。

 880円という価格設定は、カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、傘下の「ジーユー」で展開する990円ジーンズを110円も下回っている。イオンは「業界最安値の独自ブランドジーンズ」と強調、節約志向の消費者の心をつかむ考えだ。

 ジーンズは、イオンの独自ブランド「トップバリュ」として販売。紳士用、婦人用ともに紺と青の2色で、主なターゲットは30~50代。9月からの半年間で計100万本の販売を目指す。

 紳士用はウエストを73~97センチまで9サイズとし、それぞれに股下の長さを66~85センチまで7サイズを設定。計63種類のサイズ展開ですそ直しの費用や手間を省く。婦人用は生地の伸縮性を重視し、足が長く見えるブーツカット仕立て。

 イオンは、ファーストリテイリングの手法を意識し、商品企画から製造販売までを手掛ける「製造小売り」に力を入れる。イオントップバリュの堀井健治取締役は「切磋琢磨しながら、お客さまに喜んでもらえる商品を作りたい」と説明している。

 25日からは、880円の紳士用ドレスシャツとネクタイも発売する。

 格安ジーンズをめぐっては、西友もこの秋、1000円を切るジーンズを投入する予定。親会社である米ウォルマート・ストアーズの生産拠点を活用し、提供 する。「西友では3月に投入した1470円のジーンズの売れ行きが好調」(証券アナリスト)といい、さらなる低価格化で消費者の心をつかみたい考えだ。

 格安ジーンズの火付け役となったファーストリテイリングでは、高機能商品の開発に力を入れており、今冬は高機能下着が大ヒットした。これに追随するように、イオンや西友もこの夏、吸汗・放熱性に優れた「涼しい高機能下着」を相次いで発売している。

 下着といい、ジーンズといい、ファーストリテイリングの商品展開をスーパー大手がマネをするという動きがこのところ目立っている。


ボブソン:ジーンズ大手がブランド譲渡

http://mainichi.jp/select/biz/news/20090808k0000m020143000c.html

 ジーンズ大手のボブソン(岡山市)が「BOBSON」ブランド名の製造・販売事業を譲渡することが7日、分かった。譲渡先は、企業再建などを手が ける投資会社マイルストーンターンアラウンドマネジメント(東京都)が9月に設立する新会社で、社名も「ボブソン」となる予定。現ボブソンは社名を変更す る。

 「ボブソン」ブランドのジーンズは1971年に誕生。約40年親しまれてきたが、ユニクロなどの低価格帯ジーンズに押されて苦戦し低迷していた。同社は今後、子供服ブランド「オシュコシュ ビゴッシュ」のライセンス生産、販売を中心に事業を継続する。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月 5日 (水)

自動車販売奨励金の効果

 ドイツで始まった自動車買い替え補助金が今や世界に広まり、一般の人にもその存在が認識されるにつれて、新車販売が回復しています。景気刺激策でいち早く回復した欧州や中国に加え、アメリカでも新車買い替え補助金の申し込みが殺到、一週間ほどで早くも予算を使い切って追加予算が審議されているようです。日本では当初は静かな滑り出しとなりましたが、現在では消費者の認知度は高いようです。これに合わせて自動車株も回復しており、トヨタやホンダが年初来高値を更新するなど活況です。家電業界も同様で、エコポイント制度によってデジタルテレビなどの販売も好調です。これらの会社も決算を上方修正する会社が相次いでいます。
  このようなばら撒きによる景気刺激策に否定的意見をいう人もいますが、このような政策の実行はいい傾向だと思います。中国では販売が伸び続け、いまや中国市場はアメリカ・日本を抜いて世界最大の自動車市場となりました。今年も前年比二桁増になる可能性が高そうです。元々経済成長率の高かったアジアは他でも回復が見られます。日本でも先月7月の軽自動車を除く新車販売は前年同月比でわずか0.6%減と、ほぼ前年並みに回復しました。北米市場はまだまだ対前年同期比でマイナスですが、最悪期は脱したのかもしれません。

 とはいうものの、これは本格的な回復とまでは言えません。昨年秋からの極端な販売不振と在庫過剰によって、自動車産業株は相当に売り込まれていました。例えば日産やマツダは経営不振によって2000年前後につけた株価の下値をさらに更新するほどに下落していましたので、現在の株価はそのような行き過ぎた反応が元に戻りつつあるに過ぎません。また現在の自動車販売の回復は各国の景気刺激策に大きく依存した回復ですので、それらの政策の期限が過ぎてしまった後にはまた販売が急減する可能性があり、来年以降の販売は未知数といえます。

 一部にはこのような販売奨励策は需要の先食いをしただけで、未来の販売分を今販売しただけに過ぎないという意見を時々見かけます。例えばヤフーの産経新聞の記事で

だが、先行きへの不安材料も依然として多い。足元の販売回復は、日米ともに政府の支援頼みというのが実情だ。「いずれ買い替えよう」と考えていた消費者が、前倒しで購入しているだけという可能性が高く、こうした需要が一巡した後も、回復基調を維持できる保証はない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090812-00000531-san-bus_all

 とあります。このような意見によれば、数ヶ月先や来年に車を買おうという需要があったのを政府の補助政策によって今実現させているだけであり、そのために後々の車を買いたい人の数が減少してしまっているので、将来の販売が減少するということになります。しかしこれは必ずしも正しくないと思います。何故ならば、人々は車を買いたいのに昨今の景気悪化によって買い替えをためらっていただけです。「買い換えたいけど、不景気だからもう少し乗り続けて節約しながら様子を見よう」としていたのです。新車の販売台数が極端に減少していたのを、これらの刺激策によって、通常の景気ならばありえたであろう需要数に近づけただけということに過ぎません。将来への不安や収入減少によって我慢を強いられていた、本来存在する潜在需要が、刺激策によって表に出てきたのです。これは昨年の株価暴落後の自動車販売台数の急減を見れば明らかでしょう。需要の「先食い」ではなく、むしろ需要の「先送り」状態を通常の状態に戻したと言えるのではないでしょうか。消費税が3%から5%に上がる前に起きた駆け込み需要とは根本的に違うのです。
 もしそうであるならば、その後の需要は今先食いしたかどうかではなくて、景気の回復具合に大きく依存すると思います。これらの刺激策によって産業の利益が回復し、それらの産業の投資が増え、一般市民の所得が増えて先行き不安感が解消されるならば、消費もまた上向き経済は回復に向かうでしょう。政府は多大な予算を景気刺激策につぎ込みましたが、経済が回復するならば将来の税収増が期待できます。何もせずに企業の赤字転落を傍観するならば、企業は投資を控え一般市民は消費をしなくなります。そうするとさらに企業の収益は悪化し一般市民の所得は減少し、投資や消費もまた減少するという負のスパイラルになります。当然そうなれば政府の歳入も減少します。ばら撒きや需要の先食いに過ぎないという批判があっても、今は財政悪化を恐れず刺激策をとるべき時期であると思います。

7月の乗用車販売、0.6%減に回復 ほぼ前年並みに

http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?id=AS1C0300E%2003082009

                

 国内の乗用車販売が回復してき た。自動車業界団体が3日発表した7月の新車総販売台数(軽自動車含む)は前年同月比5.2%減の43万962台となり、減少幅が5月の19%、6月の 14.5%に比べ大幅に縮小。総販売台数の6割強を占める乗用車(排気量660cc超)に限ると、0.6%減の26万6173台とほぼ前年並みに戻った。 エコカー購入時の減税に加え、6月に導入された補助金制度が奏功した。

 乗用車のうち車のサイズや排気量が比較的大きい普通乗用車の7月の販売台数は11万8539台。前年同月比0.5%増となり、1年ぶりにプラスに転じた。この分類に入るトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」がけん引した。                 

  [8月4日/日本経済新聞 朝刊]



自動車大手8社のうち5社で業績改善

8月4日20時30分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090804-00000630-san-bus_all

 自動車大手8社の平成21年4~6月期連結決算が4日、出そろった。世界的な販売低迷と円高の影響で5社が営業赤字となったが、エコカー減税“特需”や 中国での販売増などで、前期の1~3月期に比べホンダと日産自動車が黒字転換し、トヨタなど3社も赤字幅が縮小し5社で業績が改善した。ただ、先行きに は、米国市場の動向に加え、国内でも需要の先食いによる反動減の懸念があり、ホンダ、トヨタを除く6社が22年3月期の通期予想を据え置き、慎重な見方を 崩していない。

 8社合計の営業損益は通算で2430億円の赤字だったが、7社が赤字だった1~3月期の1兆2979億円から5分の1以下に縮小しており、業績の底入れが鮮明になった。

 中でも、日産は116億円の営業黒字を確保し前期の2303億円の赤字から一気に挽回(ばんかい)した。3月末に在庫調整を終え、6月から追浜工場(神奈川県横須賀市)で休日操業を始めるなど、生産の回復は鮮明だ。

 ホンダはハイブリッド車(HV)「インサイト」の販売が好調で、近藤広一副社長は「ほかの車種にも波及効果を与えている」と手応え十分だ。前期に唯一の 営業黒字のスズキは、ドル箱のインドが好調で前期より減ったが、黒字を堅持。トヨタ、マツダ、いすゞ自動車は固定費の削減などで赤字幅を縮小させた。三菱 自動車と富士重工業の2社は国内外の販売減を補えず、赤字幅が拡大した。

 一方、先行きには「底を打ったと言いたいが、不透明感が残る」(トヨタ幹部)と慎重な声が多い。国内のエコカー減税や今年度で終わる買い換え補助をはじ め、各国の支援策による販売増が一時的に終わり、「反動が業績に悪影響を与えかねない」(マツダの尾崎清専務)と懸念する。

 中国やインドなど新興国はいち早く回復しているが、各社とも依存度がなお高い米国市場は底入れの兆しが出ているものの、依然として2けたのマイナスだ。「本格的な黒字転換は北米が回復してから」(ホンダの近藤副社長)というのが実情だ。

米新車販売台数7月 新車助成制度の効果でフォードは増加

8月4日9時24分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090804-00000516-san-bus_all

 【ワシントン=渡辺浩生】米調査会社オートデータが3日発表した7月の米新車販売台数は前年同月比12・2%減の99万7824台となった。21カ月連 続で前年実績を下回ったが、減少率は6月の27・7%から縮小。前月比では16%増だった。7月下旬に導入された新車買い替え助成制度の恩恵が大きく、 フォード・モーターがプラスに転じたほか、他メーカーも軒並み下げ幅を縮小。年換算でも昨年12月以来7カ月ぶりに1000万台の大台を回復した。

 ビッグスリー(米自動車3大メーカー)で唯一公的支援を受けていないフォード・モーターは1・6%増と2007年11月以来1年8カ月ぶりにプラス転 換。米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を終えたゼネラル・モーターズ(GM)は6月の33・2%から18・9%減へ、クライスラーも 41・9%減か9・4%減とそれぞれ大幅に縮小した。

 トヨタ自動車も新型ハイブリッド車プリウスの好調な販売などを受けて11・4%減と6月の31・9%から縮小。減少率が20%を下回ったのは昨年8月以 来11カ月ぶり。ホンダ自動車も29・5%から17・3%に縮小。ただし、日産自動車は23・1%から24・6%減とわずかだが下げ幅が広がった。一方、 韓国の現代自動車は24・2%減から11・9%増と大躍進した。

 同助成制度は、燃費が向上する新車に買い替える消費者に最大4500ドルを支援するもので7月24日にスタート。各メーカーとも「予想以上に販売が好転した」(トヨタ)と同制度の効果を強調している。10億ドルの予算はすでに枯渇したため、議会が増額を検討している。

エコカー購入支援、20億ドル上乗せ 米下院可決

2009.8.1 09:25

このニュースのトピックスオバマ米大統領

http://www.sankei.jp.msn.com/economy/business/090801/biz0908010926004-n1.htm

 米下院 は7月31日、新車販売のてこ入れを狙った総額10億ドル(約950億円)の低燃費車の購入支援制度に、20億ドルを上乗せする法案を可決した。燃費効率 の良い新車に買い替える消費者に最大4500ドル(約42万6000円)を支援する制度が好評で、開始から約1週間で資金が枯渇する恐れが強まったため。

 米メディアによると、上院は来週、審議を始める方針。オバマ政権も法案を支持しているが、上院の一部には慎重論も根強いという。

 この制度は7月下旬に開始。燃費の悪い乗用車やトラックを下取りに出して金券を受け取り、低燃費車の購入代金に充当できる。(共同)


| | コメント (0) | トラックバック (2)

2009年6月16日 (火)

遂にアメリカでも車買い替え補助金か

 まず欧州で導入されて大きな効果をあげ、日本でも徐々に認識されて効果をあげつつある車の買い替え補助金ですが、遂にアメリカでも検討され始めたようです。

 もっとも法案自体はまだ検討段階ですので、これが通過して実施されるかどうかはまだわかりません。また内容は今のところ燃費が28マイル/1ガロンの新車に買い替えで1000ドル、32マイル/1ガロンで2500ドルの補助金が出るというものです。1マイルは約1.6km, 1ガロンは約3.8リットルですので、だいたい12km/1リッターの燃費の車を買えば補助金が出ることになり、大型のSUVやピックアップを除く多くの日本車はこれに該当するでしょう。
 この記事によると、9年落ちや13年落ちの古い車を買い替える必要は無くただ燃費のいい車を買えばいいのですから、欧州や日本よりも条件が緩いのも魅力です。去年からアメリカの自動車販売は非常に悪いので、補助金が出るとなれば買い替えする人は出てくると思います。
 しかし燃費のよい車は日本や韓国の会社が得意とする分野なので、アメリカの会社に対する効果は思ったほど大きくないかもしれません。またアメリカでは2004年からの原油高の時点で多くの燃費の悪い車が中古車市場に流れ、中古車価格が落ちました。それに2008年の金融危機によりローンの支払いができなくなった人が車を手放し、大量の車が中古車市場に流れ込んでこの流れを加速しました。このうえ新車価格が実質的に下がると、中古車市場の価格がさらに崩壊しかねません。それは自動車販売業者を圧迫するだけでなく、自動車会社のブランド価値を落として将来の収益性を下げます。特に破綻が続いてブランド価値の落ちているアメリカの自動車会社は厳しいでしょう。結局法案通過したときに一番喜ぶのは日本と韓国の会社かもしれません。

H.R. 1808, The Clean Car Rebate Act of 2009

H.R. 1808 would amend the Internal Revenue Code of 1986 to provide for consumer rebates for purchases of certain new passenger motor vehicles.

http://www.washingtonwatch.com/bills/show/111_HR_1808.html

Detailed Summary

Clean Car Rebate Act of 2009 - Amends the Internal Revenue Code to allow a refundable tax credit for the purchase of new fuel-efficient passenger motor vehicles. Allows a $1,000 tax credit for vehicles purchased in 2009 that achieve a mile per gallon (mpg) rating of 28, and increases such credit amount to $2,500 for an mpg rating of more than 32. Increases required mpg ratings in 2010 and directs the Secretary of the Treasury, in consultation with the Administrator of the Environmental Protection Agency (EPA), to prescribe mpg ratings for such credit for taxable years beginning after 2010 to achieve specified fuel economy goals by 2015. Terminates such credit after December 31, 2014.

Directs the Secretary to establish a program for making advance payments of credit amounts to individuals who purchase vehicles that meet the mpg ratings established by this Act.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月30日 (土)

117億円の巨大な国営マンガ喫茶について

 麻生首相が国立メディア芸術総合センター、いわゆるアニメ美術館建設費を計上したことについて、一部で批判が寄せられています。国費で漫画やアニメを保存したり閲覧させたりする施設についての批判です。そういえば大阪府の橋下知事も、府立の児童向け施設の国際児童文学館には漫画ばかりだと批判していました。漫画というものは良くないという世間一般の認識がまだまだ強いようです。文学を大量に保有する図書館が批判されることはまずないのに、漫画ということになると途端に批判されるという傾向が未だにあります。漫画は何故悪いのでしょうか。

 昔、私がまだ小学生とかの子供のころには、漫画は良くないものだとか、漫画しか読まないと馬鹿になると言われていました。当時の私は漫画よりも文章を読むことがずっと多かったのですが、そうかといって漫画が嫌いなわけではありませんでした。それに漫画がそれほど悪いものだと決め付けられるものでもないだろうと、当時から疑問も持っていました。それというのも、歴史や科学といった教育を目的とした漫画もあったし、漫画によって得られる知識や感性といったものもあるだろうと思ったからだし、実際私は漫画からそれらを得たと思っていたからです。知識や感性を得るための媒体が、何も文字ばかりの専門書や純文学で独占されなければならない理由はありません。
 漫画は絵を多用することによって、視覚から多くの情報を読者に瞬時に伝えられるという大きな強みがあります。いわゆる百聞は一見にしかず、というものです。例えば恐竜の一つであるブラキオサウルスを知らない人でも、漫画ならば容易にブラキオサウルスがどのようなものかを映像として理解させることができます。文字だけで特定の形や風景を描写することは簡単ではありませんし、それをいちいちやっていたら文章は非常に愚鈍なものになってしまいます。そうなると重要な部分や本筋がぼやけてしまうでしょう。
 また私は小さいころ、教師から漫画というものは読者に想像力を使用させることがないから良くないということを言われました。漫画は映像をそのまま提供させるために、読者の想像力を掻き立てないというのがその根拠です。しかしこれも間違いです。例えば漫画家は、人の服装や表情一つ一つを意図を持って気を使って描くそうです。その表情からその登場人物の心情を想像し、服装からその人の身分や生活環境を想像することができます。一方的に与えられた映像からは想像力が発達しないというのならば、ピカソやルノワールの絵を見たときでも人は想像力を発揮することは出来ないでしょう。

 もう一つ漫画が批判される理由としては、漫画は良くないという決め付けや先入観があると思います。それには一般的なこととして、かつての漫画というものの質があまり高くなかったというのはあったでしょう。漫画が本格的に定着しだしたのはここ数十年のことであり、一般的なものとしての歴史はまだ長くありません。そのような短い歴史の中で、残念ながら漫画の多くは子供向けのものであったり、ストーリーが稚拙であったりして、文学と比較して一般的に質が高いとは言い難かったというのはあると思います。しかし全てがそうであったとは思いません。例えば数十年前から火の鳥やブラックジャックといった手塚治虫の一部の漫画は極めて質が高かったし、その他にも質の高いものはありました。今や漫画は単なる子供向けのものを遥かに凌駕し、大人が読んでも十分楽しめたり勉強になるものが数多くあります。例えば政治、軍事、経済、法律、医療、社会問題、文化、歴史、生命、人をまじめに扱った漫画が数多く存在します。
 漫画を批判する人の中に、これらの漫画を読んで漫画の質の高さや実態を知っている人がどれだけ存在するでしょうか。一部の質の低い漫画だけを知って、それで漫画の全てを知っているかのように思い込んでいる人ばかりなのではないかと思います。少なくとも私個人の周りではそうでした。漫画を批判する人に、私が考える質の高いいくつかの特定の漫画を読んだことがあるのかと聞けば、読んでいないしどうせくだらないものに決まっていると言うのです。漫画というものの本質を見誤り、自分の思い込みによって漫画は良くないものだと決め付けているのです。
 昔、私は小説の歴史について調べたことがあります。欧州では小説というものは中世の活版印刷の普及と共に人気を得ていったそうです。しかし小説はあくまでも庶民のための娯楽に過ぎないもので、小説を読むことは決して褒められた行為ではなく、貴族や知識層などはそれを馬鹿にしていたということでした。実際、その当時の小説は文学として質の高いものが少なかったのではないかと想像できます。また中国においても、かつては小説は歴史書や思想に比較してくだらないものだとされていたようです。しかし今や小説を馬鹿にする知識層はあまりいません。相変わらずくだらない小説がある一方、質の高いものも数多くあることが広く理解されているからです。例えばノーベル文学賞の受賞は大変な名誉であるとされています。今の漫画という存在は、欧州で小説が普及し始めたときの状況に近いのではないかと思います。

 そんなわけで、私は日本の漫画文化を支持します。幸いなことに、この分野において日本は質・量共に圧倒的な競争力を持っています。この分野を国が支持するのは日本にとって非常に合理的なことです。かつてのアメリカが映画でアメリカの立場を強くしたように、日本も漫画やアニメを世界に先駆けて普及させることは極めて大きな意義があります。今回の国立メディア芸術総合センターがどのようなものなのか、果たしてそれだけの費用に見合うものであるかは私は検討していません。しかし漫画やアニメであるから国が支持するのに反対という考えかたには到底同意できません。積極的に支持し、この分野での競争力をさらに高めるべきです。

 

117億円の「巨大な国営マンガ喫茶」が誕生か

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090529/trd0905292254011-n1.htm

2009.5.29 22:49

このニュースのトピックス

 マンガやアニメ、ゲームを収集展示する拠点施設の「国立メディア芸術総合センター」。29日、補正予算が成立したこ とで、国立初の「アニメの殿堂」は実現に向かうが、「巨大な国営マンガ喫茶」と揶揄(やゆ)する声もあり、具体的な中身は見えない。日本のアニメやマンガ は「ジャパン・クール」と呼ばれ、世界的にも評価が高い。センターでは、こうした作品のセル画や生原稿などの資料を収集展示。実際にマンガを読んだり、ア ニメを見たりできるようにすることで、外国人観光客にもアピールする。

 文化庁は「新たなコンテンツ産業の発展につながる」と強調。構想では、4~5階建て(延べ床面積約1万平方メートル)で、東京・お台場が有力候補地。運営は民間に委託し、60万人の年間来場者を見込む。21年度の補正予算で事業費117億円を計上した。

  しかし、巨額を投じる割には、具体的な展示内容が見えてこない。これに民主党がかみついた。鳩山由紀夫代表は「巨大な国営マンガ喫茶」と評した。同党が開 いた勉強会でも「本当に計画通りに来場者数になるのか」「展示作品はどのように集めるのか」と批判が噴出。文化庁の担当者が答えに窮する場面も。

 勉強会で意見陳述した漫画家の石坂啓さんも「お上にほめられて喜ぶ漫画家はいない。ものすごくつまらない施設になる」と批判。「私の作品は展示してほしくない」と突き放した。

 文化庁は「予算成立後、できるだけ早く計画を進める」としている。

アニメ美術館は「国立の漫画喫茶」 民主・鳩山氏が批判

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090509/stt0905092001001-n1.htm

2009.5.9 20:00
このニュースのトピックス民主党

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は9日夜、青森県南部町で講演し、平成21年度補正予算案に計上されたアニメ美術館建設費について、「アニメが好きなのは麻生太郎首相だ。首相が好きだから、官僚が作ってやろうと(いうことになった)。簡単に言えば国立の漫画喫茶だ。大変な浪費で、ばかばかしい」と厳しく批判した。

 政府の構想では、美術館にはアニメ、漫画、映画などの作品を展示。東京・お台場が候補地で、来場者数の目標は年間60万人。補正予算案には建設費117億円が計上されている。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年5月 7日 (木)

世界最高の仕事・ハミルトン島の管理人の本当の狙い

 オーストラリア・クイーンズランド州の観光公社が今年1月から「世界最高の仕事」と銘打って募集を始めた仕事の最終選考が発表されました。美しい島国のロッジに半年間滞在し、島の管理人として雑用をこなしながら島をPRし続ければ約一千万円の報酬が得られます。そして空いた時間には南国リゾートを思う存分楽しめるという、人によっては夢のような仕事です。

http://www.islandreefjob.com/en/#/about-the-job

 これには心動かされる人が多いのではないでしょうか。南国のリゾート地の綺麗な島で綺麗なロッジに生活し、ダイビングでも釣りでも好きなことが出来て多額の報酬がもらえるのです。自分の仕事が評価され知名度をあげることができれば、契約期間終了後も他の仕事を探すのには困らないかもしれません。
 実際、この仕事が発表されるや否や、世界中のメディアがそれをニュースとして配信しました。もちろん日本でも随分と話題になっていて、インターネットで検索すれば数多くのページが表示されます。結果として世界中から35,000近く、日本からも400件程度の応募が殺到したそうです。

 では何故クイーンズランド州の観光公社がこのような信じがたいような好条件を提示したのでしょうか。どう考えても費用を懸け過ぎのように思えます。世の中には自分でお金を払ってリゾートに長期間滞在する人が数多くいます。例え一千万円の報酬が無くても、無料で島内に適当な滞在場所を提供するだけで、この仕事をしたいという人は35,000人とまではいかなくても大勢応募してくるでしょう。
 好条件を提示することにより、まずは良い人を募集することが出来ます。これだけの好条件を手に入れたいという人はたくさんいますから、PRのうまい優秀な人が獲得できます。恐らく世界でもトップクラスの人が手に入るでしょう。
 そして何よりも、この募集はただ単に「島の管理人」を募集しているのではありません。管理人を募集することによって、「島を訪れる観光客」を募集しているのです。

 事実、この信じがたい好条件によって世界中のメディアに取り上げられたことが、世界中から多くの注目を浴びています。当然、島の管理人に応募していない人にもこのニュースを見ています。そのような人々がどこか南国のリゾートで休日を過ごしたいと思ったとき、この話題のハミルトン島が彼らの旅行先の候補地に挙がることが出てくるでしょう。また島の管理人が今後ブログなどで島をPRするとき、それを見てみようという人も出てくるでしょうし、それによって島に行きたいと思う人も出てくるでしょう。
 もしこの島の管理人を報酬なしで募集していたらどうでしょうか。当然注目を浴びることはないでしょう。そうなると島の管理人がいくら島の良さを宣伝したとしても、最初からそのようなことに気がつかない、気がついていても気にもとめないという人が多いのではないでしょうか。ハミルトン島というリゾート地の存在を知らないままの人も多くいることになります。
 今グーグルで「世界一素晴らしい仕事 ハミルトン」と日本語で検索すると、66,000件の検索結果が出てきました。「best job in the world hamilton」で検索すると、実に8,790,000件もの検索結果となります。ウエブだけでそれだけのページが作成されているのです。検索の言葉を変えればまた違った結果も出てくるでしょう。その他にもニュースで取り上げられたり口コミで広がったりしたものを考えれば、最低でも数十億円、恐らく数百億円の広告費用を出すとの同じ宣伝効果があったのではないでしょうか。それを考えれば一千万円の報酬と快適なロッジの提供など安いものです。
 これは人を募集するということにかこつけて、島をどのように効率的に宣伝するかということを最大限に生かした結果と言えます。普通に島の良さを宣伝するのでは、その他大勢のリゾート地の宣伝の中に埋没してしまいます。多くの人がリゾート地に旅行に行くのは、美しい場所でのんびりと好きなことをやって過ごしたいと思う欲求があるからです。しかし現実問題として費用や仕事の関係で、長期間にわたってリゾート地で過ごすことは困難です。仕事をもった日本人だと、せいぜい一週間がいいところでしょう。しかしこの管理人募集だと、半年もリゾート地で過ごせるのです。しかもお金の心配をするどころか、逆に高額の報酬がつくのです。このような夢のようなひと時が現実になるかもしれない。世界中の人々にそう思わせたところに、この企画の成功要因があるでしょう。実際には今の仕事を辞めてまでそんなことをするわけにはいかないという人が殆どを占めるでしょうが、それでも自分でなくても誰がその夢の仕事をするのかといった関心は引くことが出来ます。

 また最終選考に残った16人の出身国は15カ国になっています。地元オーストラリアをはじめ、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、オランダ、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダ、シンガポール、インド、日本、台湾、中国、韓国となっています。

http://www.islandreefjob.com/en/#/finalists

 私はわざと最終候補者を世界各国の出身者から分散させて選んだのだと思います。もし自国から候補者がいれば、その国の国民はニュースに関心を持って見ることになります。そうなればまた島に関心を持ってもらえるでしょう。実際、このような国からはいかにもオーストラリアに観光に行く旅行者が多そうです。

 このような工夫をすることによって大きな成功を収めることが出来たクイーンズランド州の観光局は、随分と満足していることでしょう。これは我々の普段のビジネスでも同様であり、ちょっとした工夫でとんでもない効果を挙げられることがある可能性を示しています。

 

「世界最高の仕事」最終選考会 日本人女性は惜しくも落選

5月6日15時45分配信 J-CASTニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090506-00000001-jct-soci

 オーストラリア・クイーンズランド州の観光公社が募集していた「世界最高の仕事」に向けた最終選考の結果が2009年5月6日、発表された。約3万5000人の応募者の中から最終選考に残ったのは、わずか16人。その中には日本人女性1人も含まれていたが、惜しくも落選した。34歳の英国人男性が 「島の管理人」の座を手にした。

■珊瑚礁の島の管理人、報酬は半年で1000万円

 この「仕事」は、世界最大の珊瑚礁「グレート・バリア・リーフ」をPRするというもので、珊瑚礁の中にある「ハミルトン島」の管理人を半年にわたって務める。仕事内容は、島内の巡回、PRブログの更新、魚の餌やり、郵便物の回収などだ。報酬は、半年間で15万豪ドル(約1000万円)という破格の額だ。

 募集は、自己PR動画をネット上にアップロードする方式で09年1月中旬に始まり、約200か国から3万4684本もの動画が寄せられた。

 最終選考では16人にまで候補者が絞り込まれ、会社員の小林美絵子さん(31)が、日本人としては唯一の候補者となった。最終選考は5月3日から6日にかけて現地で行われ、水泳のテストや面接のほか、現地を視察した上で書いたブログの審査などが行われた。

 その上で見事管理人に選ばれたのは、英国人のベン・サウスオールさん(34)。プロジェクトマネージャーや、慈善事業の資金調達(charity fundraiser)を行っているという。小林さんは残念ながら落選した。サウスオールさんは7月1日から「世界最高の仕事」につく予定だ。


豪州の「世界一素晴らしい仕事」、最終候補者16人が現地入り

2009年05月03日 20:14

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2599039/4107470

【5月3日 AFP】オーストラリアのクイーンズランド(Queensland)州政府が募集した南国の島で高給を得られる「世界一素晴らしい仕事」の求人で3日、最終候補16人が同州にある世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)内の「駐在先」、ハミルトン島(Hamilton Island)に最終選考のため到着した。

 16人はこの「トロピカル・パラダイス」の臨時「管理人」になろうと応募した全世界3万4000人から選ばれた。企業の受付として勤務する日本の小林美絵子(Mieko Kobayashi)さんのほか、韓国のジャーナリストや中国の経営者、シンガポールのスポーツ教師、インドのDJなど、出身国は15か国で職業もさまざまだ。同州関係者らによると、このキャンペーンですでに1億豪ドル(約70億円)の宣伝効果があったという。

 選考された15人のほか、オンライン上の一般人気投票では、台湾で通訳をするクレア・ワン(Clare Wang)さんが2位に約3倍の差をつけ、15万1676票でトップとなり、出場権を獲得した。

 最後に勝ち残った1人は、観光客の憧れるハミルトン島の管理人として6か月間「勤務」すると、15万豪ドル(約1000万円)が支払われる。降り注ぐ太 陽の下、シュノーケリングやセーリングを満喫し、毎週のブログやフォト日記、ビデオなどでその生活を世界にレポートする。

 クイーンズランド州観光局によると、最終候補者らは全員、オーストラリアまでの旅費は無料で3日に到着。優勝者が過ごす3ベッドルーム付きの豪邸を見学 した。同局局長は「候補者はここで楽しんでもらえれば良いが、みんな細かいところまで観察されることを分かっている。世界の目をわが州に引き付けるには誰 が最適な候補者か、わたしたちはしっかり選ぶ必要があるからね」と語った。

 最終選考による優勝者は6日、発表される。(c)AFP

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年5月 2日 (土)

車買い替え補助金の効果はいまひとつ

 景気対策に政府が四月から導入した25万円の車の買い替え補助金ですが、四月の車販売を見る限りあまり効果をあげているとは言えないようです。ドイツでは車齢9年以上の車に補助金が出るのに対して、日本では13年以上の車でかつ10年度燃費基準を満たした車に買い替えする場合と条件が厳しくなっています。年々日本の平均の車齢は高くなっていますが、それでも13年落ちの車を持っている人となると、流石にその数が限定されすぎてしまうということでしょうか。また特定の環境対策車への買い替えによって自動車重量税などの減免制度がこの四月から始まりましたが、どの車が対象車なのか制度が複雑でわかりにくいというのもあるでしょう。
 そもそもすぐに新車を買ってまだ動く古くなった車を手放してしまう日本において、13年落ちの車に乗っている人となると、それなりに所得の少ない人であるということは十分考えられます。となるとこの悪い景気の中で、いくら補助金が出るといっても所得の減少や職への不安があるわけで、買い替えには躊躇があるのかもしれません。
 それにしてもドイツではこの補助金政策はかなりの注目を集めて大きな話題となり、ディーラーでは販売する車を確保するのが難しいほどになっていました。その反面、日本ではドイツほどの大きな注目を集めているようには思えません。やはり条件に当てはまる人が少ないのが原因のように思えます。
 さてそれでは13年落ちの車を非常に安く、例えば一万円くらいで買ってきて、それを下取りに出せば25万円もらえる計算になります。でもここはやはり政府のほうも考えていて、そのような古い車は1年以上乗っていることが条件だそうです。抜け道はしっかり塞がれているようです。
 とりあえず三月以前は対前年度比較で3割程度減少していた新車販売台数が、四月には2割程度の減で収まっていました。しかし3割増のドイツとは大きな開きがあるのも確かです。あまり効果が出ないようならば、条件を緩和するといったことを検討したほうがいいかもしれません。もっとも今日5月2日の日経新聞によると、13年落ちの車の保有者の6割が買い替えに意欲的とのことですから、どれが対象車なのかをじっくりと検討しているのでしょうか。効果が出るのはこれからなのかもしれません。



減免税効果見えず---4月の新車総販売台数、23.0%減

http://response.jp/issue/2009/0501/article124125_1.html

2009年5月1日

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が1日発表した4月の新車販売速報によると、総台数は前年同月比23.0%減の28万4035台となった。前年割れは昨年8月から9か月連続。

3月に比べて落ち込み幅は縮小してきたが、4月から始まった環境対応車への減免税の効果はほとんど出ていない状況だ。このうち、登録車は28.6%減の16万6365台と、9か月連続のマイナスとなった。

登録車は落ち込み幅が3割を超えた2、3月よりは若干改善したものの、依然として冷え込んだ状態が続いている。軽自動車も13.4%減の11万7670台と2ケタ減で、6か月連続のマイナスだった。            

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月18日 (土)

英雄毛沢東の虚像

 以下はMSNに掲載されていたものです。要約すると、毛沢東時代の中国では、公費で医療・教育が農村にもあったために農民でも最低限の生活が出来た。しかし彼の死後の改革・開放によって貧富の差が拡大し疲弊した大衆が毛沢東時代を懐かしみ、現代の政治体制を否定し過去の毛沢東時代の政治体制に戻ることを希望するかもしれない。最悪の場合は、それによって中国は毛沢東時代の恐怖政治に戻ってしまうかもしれない、というものです。

  さて毛沢東という政治家、中国では未だに英雄とみなすように教育されています。天安門広場では彼の巨大な肖像画が掲げられ、紙幣にも彼の顔が描かれています。中国共産党は彼の大躍進政策や文化大革命の失敗を認めながらも、それでも毛沢東を第二次大戦後の中国の混乱を収めた英雄として結論づけています。
 しかし実際には彼は20世紀における究極の極悪人であり、戦争で死んだ数を除いても彼が直接・間接に殺した人数は数千万人とも言われています。全く機能するわけがない大躍進政策を推し進めて無数の国民を餓死させ、その失態をそらして権力を握り続けるための文化大革命によってまたたくさんの人々が死にました。
 あまりにたくさんの人々が死にすぎたため、その数を正確に知ることは出来ません。wikipediaには、大躍進政策では2000-5000万人、文化大革命で数百万から1000万人としています。これはヒトラーが虐殺したユダヤ人や少数民族の合計をはるかに上回るものです。wikipediaによると、その数は900-1100万人程度とされています。

大躍進政策

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%BA%8D%E9%80%B2%E6%94%BF%E7%AD%96

文化大革命

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E5%A4%A7%E9%9D%A9%E5%91%BD

ホロコースト

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88

 毛沢東ほどの極悪人が未だに人気があるのは、中国共産党の情報統制にあります。中国国民の多くは、毛沢東がどのようなことをしたのか、正確に知りません。毛沢東に限りませんが、中国政府はマスコミを管理し、自分に都合のよい情報しか国内に流通させません。中国国内において真実を調べるということは簡単なことではないようです。


 さてこの筆者、このようなことを書いています。

改革が進んで市場経済が広がる中、官僚の腐敗が進み、貧富の差が拡大し、労働者が切り捨てられて農村は疲弊した。毛沢東時代にあったはずの公費医療や公費教育が廃れた一方、毛沢東時代にはなかった売春や麻薬、「黒社会」などが復活し、氾濫(はんらん)しているのである。 

 私は詳しい調査をしたわけではありません。しかし官僚の腐敗はたいしたことがなく、売春、麻薬、黒社会が毛沢東時代にはなかったと書いています。本当でしょうか。私には俄かには信じられません。今でも中国では公式には売春や麻薬は無いことになっていますが、もちろん存在します。また当時の官僚は自分だけは食料を確保しつつ、多くの国民が餓死するのを容認したのではないでしょうか。また権力を持った一部の人々によって搾取の限りを尽くされたと思いますし、それ自体が政府主導の巨大な黒社会であると思います。中国南部では毛沢東時代から麻薬が栽培されていたという説もあります。
 しかし中国政府がもしそのように国民を教育しているのならば、それは大きな問題となります。国民は毛沢東時代の悪い部分を知ることなく、良かったことばかりに焦点を当ててしまいます。そして毛沢東時代は良かったと勘違いしていることになるからです。
 中国の大きな問題は、歴史的に常に施政者が情報を管理し、国民が真実を知る機会が極めて限定されていることです。結果として、国民や国家のためでなく施政者のために情報が操作され、巨大な混乱を引き起こしてきました。この筆者は毛沢東時代が酷かったことよく知っています。基本的に私はこの文章の言わんとしていることには賛成です。そして彼も、中国が恐怖政治に戻る可能性は高いとは思ってはいないかもしれません。しかしこの筆者ですら毛沢東時代の官僚の腐敗は少なく、売春や麻薬がなかったと書いてあるのですから、中国国民は果たしてどう思っているでしょうか。そして情報が自由に流通している日本ですら、毛沢東の極悪ぶりを知らない人がかなり多い。旅行者は中国に行って毛沢東グッズのお土産を買い、日本でも毛沢東の写真がプリントされたシャツが売られています。私は毛沢東はヒトラー、スターリンと並ぶ20世紀最悪の極悪人だと思っている反毛沢東派ですので、毛沢東グッズは身に付けません。


【石平のChina Watch】悪夢?蘇る毛沢東の亡霊

2009.4.16 08:06

http://sankei.jp.msn.com/world/china/090416/chn0904160808002-n1.htm

 4月4日の清明節、北京の毛主席記念堂に大勢の民衆が慰霊のために訪れた。当日の正午までに、入館者数は「4万人以上に上った」と報じられている。

 本来、先祖の墓参りをするための祭日に、数万人の民衆が、先祖でも親族でもない毛沢東の記念堂に押し寄せてくるのは、いかにも異様な光景だ。

 3月20日に公表された、「都市部住民の宗教信仰」に関する調査の結果も興味深い。北京や上海などの都市部では、11・5%の一般家庭に毛沢東の像が仏像や先祖の位牌(いはい)と同じように祭られているという。

 都会でもこのようだから、農村部はなおさらのことだ。去年2月に四川省の田舎へ帰省したとき、私も、「毛沢東崇拝」が盛んであることをこの目で確認している。

 死去してから33年目、毛沢東は相変わらず、民にとっての「神」である。

 だがこの三十数年間、中国人民は実際にはむしろ、毛沢東が示した方向とは正反対の道を、ひたすら走ってきたはずである。

 改革・開放路線の実施以来、中国は政治的に毛沢東流の「階級闘争路線」と決別し、経済的には毛沢東が警戒する「資本主義の復活」を見事に成し遂げた。この間における中国の発展は、毛沢東路線から離反した結果でもあるのだ。

 それなのに、多くの民衆が依然として、毛沢東を神様のように崇拝しているのはなぜなのだろう。

 よく考えてみれば、その理由も簡単だ。要するにポスト毛沢東におけるトウ小平改革路線の推進は、あまりにも大きな弊害も生み出したからである。

 改革が進んで市場経済が広がる中、官僚の腐敗が進み、貧富の差が拡大し、労働者が切り捨てられて農村は疲弊した。毛沢東時代にあったはずの公費医療や公費教育が廃れた一方、毛沢東時代にはなかった売春や麻薬、「黒社会」などが復活し、氾濫(はんらん)しているのである。

 こうした中で、政府や官僚や黒社会に苦しめられながら深い絶望感と疎外に陥っているのは底辺の民衆であろう。一度の病気で年収数倍分の蓄えが消え、金持ちの飲むコーヒー数杯分の金額で娘が体を売るという今の世の中は、彼らにとって“生き地獄”である。

 だからこそ、民衆は貧富の差が小さく、最低限の生活が保障された毛沢東の世に救いを求め、現在の諸悪を退治してくれるような「人民指導者」の再来を渇望するのである。

 言ってみれば、今の「毛沢東崇拝」の背後にあるのは、トウ小平路線のもたらした社会的ゆがみの深さと、トウ小平路線それ自体の行き詰まりである。

 そして、中国の左派のたまり場である「烏有之郷」というウェブサイトの言葉をみれば分かるように、彼ら左派たちは今、トウ小平路線に対する痛烈な批判を公然と展開しながら、毛沢東路線への回帰を熱心に唱えているのである。

 彼らはいまだに少数派であるが、現状不満から毛沢東崇拝に走る一般民衆は大いにいるから、潜在的支持者層は厚い。しかも、左派の掲げる「毛沢東思想」の旗印は共産党公認のイデオロギーでもあるから、政権は彼らの運動を簡単に封じ込めることもできない。

 そして今後、経済成長が落ちて失業が拡大し、民衆の不満が頂点に高まったとき、「毛主席の良き世に戻ろう」とのスローガン一つで民衆をたき付けるような野心家が立ち上がると、誰の手にも負えない一大政治勢力が、あっという間にできてしまう可能性は大だ。

 ファシズム恐怖政治の権化である毛沢東の亡霊は再び蘇(よみがえ)ってくるのか。それこそは悪夢なのである。

                   ◇

【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年、中国・四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『私は「毛主席の小戦士」だった』など著書多数。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月16日 (木)

日本でも自動車買い替えに補助金

 ドイツの古い車の新車への買い替え促進の補助金が景気対策に大きな効果を得ている話、デジタル家電に対する補助金の提案を今年3月12日の日記に書きましたが、この四月には日本も同様の対策をすることに決定したようです。車に関してはドイツであれだけ大きな売り上げ増につながったのですから、日本でも同様な成果が期待されてのことでしょう。また省エネ家電に対する補助金もあり、このような政府の対応の早さを予測してなくて、少々嬉しい誤算でした。

 さて日本の車に関する補助金ですが、ドイツのものとは違うところもあります。まず燃費基準を満たした環境に優しい車への買い替えを狙っていることです。環境に優しい車が増えるということはいいことですし、また環境に優しい車は小型車が多いために、それらの車の実際の購入者である人々、それは恐らく国民の大多数である庶民への刺激という面でも効果的であると思います。庶民の生活を助け、また多くの人を対象に出きるということです。価格の安い小型車に25万円の補助が出ると、新車価格からの実際の割引率という面ではかなり魅力的です。反面小型車へ人気がさらに移り、利益率の高い大型車などへの需要は減少してしまうかもしれません。
 また、25万円の補助金が初年度登録から13年たった車の買い替えに限定されるというのはちょっと問題かもしれません。それ以外ではわずか10万円の補助ですから、あまり大きな魅力ではありません。日本での車の平均使用年数はだんだんと増加しているとはいえ、対象者は限定されてしまうでしょう。ちなみにドイツでは9年落ちの車から補助金が出ます。

 とはいうものの、ホンダのインサイトとトヨタの新型プリウスの低価格によるハイブリッド車の競争も激化するでしょうし、自動車販売の低迷が改善されることは十分期待できます。自動車各社の株価は円安とあいまって、四月になってからかなりの上昇を見せています。個人的にはこれらのニュースに気がつくのが遅れてしまって、投資のタイミングを逃したことが痛いのですが、最悪期は脱してきているのでしょう。

新車買い替え最大25万円補助 新経済対策に盛る方針

http://www.asahi.com/business/update/0408/TKY200904080161.html

2009年4月8日12時10分

 経済産業省が新経済対策の一つとして検討している自動車買い替えの促進策が8日明らかになった。新車登録から13年以上経過した車を廃車にして、10年 度燃費基準を満たした車を購入する場合、普通車で25万円、軽自動車で12.5万円を補助することを想定。同基準はほぼすべての新車が達成しており、4月 からの省エネ自動車に対する税の減免措置より対象が大きく広がる。

 登録13年未満の車の買い替えや新規に車を買う場合も、省エネ自動車を買えば普通車で10万円、軽自動車で5万円を助成する方針だ。10年度燃費基準より15%以上燃費がいい車が対象だが、新車の4割程度が該当するという。

 トラックなど商用車についても同様に20万円から180万円を補助する。

 4月から始まった自動車重量税などの減免制度と合わせれば、200万円のハイブリッド車への買い替えの場合なら、購入者の負担は約40万円程度減ることになる。政府は今回の買い替え促進策で、9万人の雇用創出効果があるとみている。

 対策には省エネ家電の普及支援策も盛り込む。対象はテレビ、エアコン、冷蔵庫。一定の環境基準を満たす製品を購入した場合、販売価格の5%を「エ コポイント」として購入者に与えて新たな買い物に使えるようにする方向で、具体的な方法を詰めている。地デジ対応のテレビの場合は、さらに5%上乗せす る。今持っている商品をリサイクルに出す場合には、リサイクル料分も還元する。

 いずれも09年度限定の措置で、自動車で3700億円、省エネ家電で2700億円程度を09年度補正予算案に計上する方向で検討中だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 4日 (土)

GM・クライスラーへの再建策の期限きたる

 GMやクライスラーの破綻の可能性についての報道が三月末に新聞紙上を少々賑やかにしました。また遂にGMのワゴナー会長も会社を追われることになりました。しかしいつまでたっても再建の道筋を示すことができず追加融資を要求する姿は、昨年秋から容易に想像出来たことです。何より自動車が売れないこの時勢に、巨額赤字を脱却する方法を見つけることはほぼ出来ないでしょう。以前にも何度か書きましたが、このままGMに融資をしたとしても、いつまでも底に穴の開いたグラスに水を注ぐようなもので、きりがありません。
 大きな問題の一つは、GMの再建がGMを危機に陥れたとの同じ経営陣によって託されていることです。そのような経営陣には、過去や感情のしがらみもあるでしょうし、会社の利益よりも会社が倒産する前に自分の利益も優先してしまうこともあるでしょう。ワゴナー会長が辞めたのは、遅すぎたとはいえ責任問題と今後の再建を思い切ってやるためには良いことです。しかし彼一人が辞めたところで、根本的な改革を出来る再建チームが機能するようになるとは思えません。
 そのような中で、GMに対する追加融資に対する政府や国民の姿勢が、少しずつ厳しくなってきているように思います。少し前にアメリカ国内のアンケート調査をニュースで見ましたが、破綻もやむなしという意見が救済策と同じくらいになっていました。このままいけば、国民はGMの破綻を認める意見がさらに増えるかもしれません。またオバマ政権もそれを固めるための時間稼ぎをしているのかもしれません。
 実際、UAW(全米自動車労働組合)との不利な契約の見直し、優良資産を残しての事業継続といったような再建策が出てきています。私ならば現経営陣には責任を取らせたうえで、政府主導のチームによる実質国有化にした思い切った再建をします。UAWとの契約は全面見直し、優良資産は残して過剰資産は売却します。また国有化にするならば、例え破綻させたとしても信用はある程度残るから破綻の影響を小さく抑えることが出来るでしょう。ただ破綻させると経済に与える影響が大きすぎるし、このままいっても赤字を累積していくだけというのならば、それが一番いいのではないかと思います。本来自由競争の資本主義社会において、政府が一民間企業を助けるのは筋違いです。しかしGMがtoo big to fail(倒産させるには規模が大きすぎる)という理由で政府の特別融資を受けている非常事態である以上、政府が出資した会社の再建に大きな権限を持って口出しするのは、決しておかしなことではない。少なくとも再建の道筋を現経営陣が示せない以上、政府から金だけとって口出しをさせないという理屈は通らないでしょう。そして世界は破綻を現実として受け入れ、それに対する備えを少しずつ進めているのではないでしょうか。

米自動車危機 大統領からの厳しい最後通告(4月1日付・読売社説)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090401-OYT1T00043.htm

 オバマ米大統領が、政府に追加支援を要請していた米自動車大手に対し、事実上の“最後通告”を突きつけた。

 ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの再建計画を「不十分」とし、支援するかどうかの結論を先延ばしした。現状では、昨年末に続く巨額融資は認められないとの判断だ。

 GMに60日以内の計画練り直しを求め、クライスラーには、30日以内にイタリア大手フィアットとの提携交渉合意を要求した。

 この猶予期間中は、資金を手当てし、2社の

破綻

(

はた

)

を回避する。ただ、期限内に抜本再建策を示せない場合は、追加支援に応じない。そうなれば、連邦破産法11章の適用が現実味を帯びるだろう。

 実際に破綻すれば、日本の自動車業界も大打撃を免れまい。再建の展望が開けるのかどうか、業界は

固唾

(

かた

)

をのんで見守っている。

 大統領があえて破綻の可能性も強調し、支援決定を延期したのは、2社を背水の陣に追い込むことで大胆な改革を促したものだ。

 再建への明確な見通しが描けないまま、税金による巨額支援を続けることに批判を強める国内世論への配慮もあろう。

 一方で、2社の破綻は、大量失業をもたらし、米国経済をさらに冷え込ませかねない。世界不況も深刻化しよう。大統領は、ぎりぎりの決断を迫られた形だ。

 GMのワゴナー会長は、政府の要請で辞任に追い込まれた。経営陣を刷新し、局面を転換させたい政府の思惑がうかがえる。

 しかし、GM、クライスラー両社の先行きは依然、厳しい。

 主力の北米市場を中心に、世界の自動車販売は冷え込んでいる。市場が早期に回復する見通しはたっていない。

 GMは、巨額債務の削減や、全米自動車労組(UAW)との労働コスト削減の交渉が難航中だ。

 クライスラーとフィアットの提携交渉も

(

こうちゃく

)

状態が続く。経営規模が小さい両社が提携したところで、展望が開けるか、不明だ。

 ニューヨーク市場の株価が急落したのも、残り時間が少なくなった両社の再建の道筋は険しい、と評価したからだろう。

 GMなどを顧客とする日本の部品メーカーは多く、2社が破綻すれば、業績悪化は避けられない。日本の自動車各社も、現地での部品調達が滞りかねず、生産戦略に狂いが生じる恐れがある。

 瀬戸際に立たされた2社の再建の成否は、世界の自動車業界を大きく変える可能性があろう。

(2009年4月1日01時27分  読売新聞)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月21日 (土)

ETC割引の開始と、高速道路の経済効果

 20日金曜日の祝日から、ETC装着車による高速道路の割引が本四高速・アクアラインから始まりました。週末は高速道路料金が土日祝日にはいくら走っても1000円になるというものです。世界的基準で見ても相当割高と言われている日本の高層道路料金ですが、これはかなりの劇的な割安価格です。
 今月にはETCの装着に条件付ですが補助金が出るという事もあって、オートバックス等の車用品店ではETCの注文が殺到し、どこの店も軒並み在庫切れということがニュースで度々放送されています。しかも入荷の見込みは当分立たないそうです。今回の政策によるETCの投資効率を考えれば、こうなることなど容易に想像できそうなものなのに、いったいメーカーは何をしていたのかと呆れてしまいます。これらの車用品店を展開する会社の売上が予想外の上方修正をして、株価にも反応するかと思っていたのですが、この様子だとどうやらそれほどでもなさそうです。

 実は偶然にも今週金曜日から淡路島に行ってました。淡路島には本土と淡路島をつなぐ明石海峡大橋があります。通常の中型車の通行料金は明石海峡を渡るだけの最短で2800円。垂水ICから淡路ICまでの、距離にして11.3Km、時間にしてわずか8分です(本四高速株式会社ウエブページより)。ところがこの祝日の金曜日からは1000円。しかも三連休ということで、いつも以上の車の通行があり、高速道路は相当な渋滞が起きたという話をタクシーの運転手がしていました。また島内のホテルの宿泊客数が一杯になり、予約が非常にとりにくくなったという話も現地で聞きました。これほどのことは今まであまりなかったそうです。これを見る限り、ETCの割引による経済効果が出ていると言えます。今後も週末に車で外出する人は増えるのではないでしょうか。私も実はそのつもりです。

 私が昔からおかしいと思っていることが、日本の高速道路の料金です。とにかく高い。距離あたりの通行料金では、世界でも圧倒的に高かったように記憶しています。日本は地価も建設費も高く、それが料金にも反映されるというのは理由の一つでしょう。しかしアメリカの高速道路は原則無料です。ドイツもかつては原則無料でした。それによって物流や市民の交通が活発になり、経済発展に大きな貢献をしたのは広く知られているところです。
 ところが日本の高速道路は、道路が果たす経済効果を無視しています。高速道路の建設費は、使用者の払う道路使用料金によってまかなうという考えが根付いている。道路が人や物を安く速く運ぶことによって、経済効率が飛躍的に高まり、それによって経済が発展して税収が増えるということが計算に入っていない。野菜が早く安く運べれば、消費者も生産者も得をします。会社の営業員が高速道路を安く速く通行できれば、より多くの取引先を訪問することが出来ます。考えるまでもないことです。高い高速道路はいわば貿易における高い関税のようなものです。また料金所では度々渋滞を引き起こし、通行の速度を減らします。

 数年前も、第二東名高速道路の見込み通行料金収入では建設費をまかなえないから建設反対という意見があったのを記憶しています。これもおかしな意見で、東名のような間違いなく大きな通行料が見込める道路を、通行料金だけで建設費の収支計算をするというのはかなりの異常な話です。

 とにかく期限や日にちや使用者の条件があるとはいえ、日本の高速道路が使いやすくなりました。そしてその経済効果が早くも出ています。そもそも東名高速道路は数年前に無料開放されていなければならないのを反故にされているのですから、これはいい実験です。今後その効果がはっきりと数字になって出てくれば、二年後の期限が来るときに高速道路の料金の引き下げが議論される可能性があります。そしてそれは経済を発展させるものになってくれるのではないかと期待しています。確かに道路のキャパシティの問題はありますが、今後は一般の車だけでなく、物流を担うトラックのために平日の通行にも割引料金が適用されればと思います。



ETC売り切れ続出 購入助成の期間延長へ

3月19日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090318-00000015-fsi-bus_all

 今月12日から31日までの期間で始まった高速道路のETC(ノンストップ料金収受システム)車載器の購入費用助成制度が、延長される見通しとなった。 購入希望者がカー用品店に殺到して在庫がなくなる店舗が続出し、助成を受けられない人が続出していることに対応。国土交通省は18日、助成窓口となってい る高速道路交流推進財団に対して、助成期間延期を要請した。同財団は19日にも延期を決定する方向だ。

 国交省の春田謙事務次官は18日の記者会見で同財団に対して「(ETC車載器が)店頭で品切れになり混乱が生じている。4月にまたがっても混乱なく助成 できるようにしてほしい」と要望した。これに対し、同財団は19日の理事会で、助成台数引き上げや助成期間延長などについて協議する。今回の制度では、予 約しただけでは助成が受けられず、期間延長を求める声が強まっていることから、国交省の要請に応えるとみられる。

 助成制度は、今月20日からETC利用車限定で始まる高速道路料金値下げに伴い、助成額は四輪車用で5250円、二輪車用で1万5750円で始まった。 助成開始と同時にETC車載器が飛ぶように売れ、国交省によると12日から17日までの6日間の四輪車・二輪車用合計の販売台数は約28万5000台にの ぼったという。

 カー用品大手のオートバックスセブンは17日、自社のホームページで「現在、商品供給が追いつかず、在庫切れの店舗が数多く発生しており、希望の商品を 当日提供できない場合がある」と、おわび文を掲載。また、車載器を購入しても取り付け作業の予約が多数入っており、「店によっては数週間以上待つ場合もある」という。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年3月12日 (木)

効果的な景気刺激策

 麻生政権の政策の呼び物の一つとして話題になった定額給付金の交付が、今月三月から始まりました。麻生首相は元々首相になる前、今回の経済危機表面化前から財政出動による景気刺激策について言及していたのをニュースで見た記憶があるので、これもその流れの一つとなります。次期首相と見られていた当時の麻生議員が、景気回復途上にある日本において、小泉政権からの財政再建の政策をあっさり無視し、いきなり財政出動についての方針を打ち出したときは、いったい何を考えているのだろうと思いました。しかし今や世界各国が財政出動による景気刺激策を挙げているので、図らずも麻生政権の政策は世界の流れに沿ったものとなっています。

 しかしその給付前から、このばら撒き政策はかなりの批判にさらされています。その批判の中心は、たかだか二万円程度の給付をしても、景気対策に大きな影響を与えることができない、生活費に消えるだけだというものです。実際に人の一ヶ月の生活費を考えれば、二万円などあっという間に生活費として消えるでしょう。色々なメディアでアンケートがされているようですが、生活費として使うとかその分を貯金にまわすといった回答が多く見られました。例えば以下の「リアルタイム世論調査ネット」によると、約49%が貯金や生活費として使うと答えています。あるテレビニュースでも似たような結果が出ていました。

http://www.yoronchousa.net/result/6140

 このようなアンケートを見る限り、当初の縣念どおり、景気刺激策としてこの政策の効果を疑問視せざるえません。景気刺激策は、普段使っている以上の金額が消費として使用されることによって機能します。せっかく給付金を給付しても、それが生活費や貯金として使われるのならば、まったく景気を刺激していません。手続きに関する余計な手間ばかりかかっているという批判がそのまま当てはまります。アメリカのオバマ政権が減税政策を挙げていますが、給付金手続きの手間が減るだけで、減税をしても経済効果そのものは似たようなものでしょう。

 その反面、世界各国で急減している自動車の新車販売を横目に、ドイツでは景気刺激策が大きな効果を上げています。9年落ち以上の中古車を下取りに出し、新車もしくはそれに近い車に買い替えるオーナーが、2500ユーロの補助金を得るというものです。これにより、ドイツでは前年同月比で20%以上販売が伸びたということです。
 消費を先取りしただけだという批判はあるでしょう。しかしあるテレビニュースでは、車を買い替えた人が、この制度がなければまだ車を買い替えることはなかったということを言っていました。このような人は多いと思います。9年落ちの中古車でも、動くのならばまだあと1年か2年は乗り続けようかという人はいるでしょう。しかし補助金が出るのならば買い替えようかという人は必ず出てきます。現在ドイツでは、補助金の有効期間内に車を買い替える人があまりに多くて、車の供給が追いつかないのだそうです。この政策は、普段の生活費の支出以上の消費を生み出したのです。

 消費の刺激策はこのようなものであるべきです。例えば日本では、もうすぐデジタル放送に移行します。しかしデジタルテレビの需要も、景気悪化に伴い急減しているそうです。ならばアナログを下取りにしてデジタルに買い換える人に補助金をつける。あるいはマンションデベロッパーが次々に倒産しています。マンションを買い換えるときに、金利や税金の優遇をする。家を買うということは、家具や家電製品を買い換えることにもつながるので、景気刺激の副次的効果も大きいそうです。さらにマンション販売が増えてデベロッパーの倒産も防ぐことができるのならば、さらに景気に対して有効となるでしょう。麻生首相の景気刺激策には、世間の多くの人と同様に私も賛成できません。でも私は拒否することなく頂けるものは頂くつもりです。



(2009年3月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/680

旧型車の廃棄を促す政府の補助金制度のおかげでドイツの新車販売が急増し、外資を中心とした大衆車メーカーにかすかな希望をもたらす一方、ドイツ国内の高級車メーカーを苛立たせている。

 欧州最大の自動車市場であるドイツでは、2月の新車登録台数が前年同月比21%増の27万8000台となり、過去10年間で最多を記録した。

 ドイツ自動車工業会(VDA) のマチアス・ヴィスマン会長は、「第1四半期を通しても、新車登録台数は前年を上回るだろう」と話す。ヴィスマン氏の楽観的な見方は、ドイツ国内の新車受注台数が2月に63%増加したことに裏打ちされている。

壊滅状態の自動車市場で販売台数が2割アップ

 車の「スクラップ奨励金」制度は、500億ユーロ(630億ドル)規模のドイツの景気対策第2弾の一環。この種の対策が工業部門において即座に効果を上げる珍しいケースとなっている。

 伊フィアットや仏ルノー、独オペルなどの自動車メーカーでは小型車の需要が急激に拡大し、その結果、従業員の一時帰休を取りやめる企業も出てきた。

 欧州最大の自動車メーカーである独フォルクスワーゲン(VW)は、小型車「ポロ」が今週新モデルに切り替わるのを前に、現行モデルを急ぎ4万台生産した。通常、モデルチェンジの時期は、旧型モデルの需要はほぼゼロに落ち込む。

 奨励金制度が始まったのは今年1月で、9年落ち以上の中古車を下取りに出し、新車もしくはそれに近い車に買い替えるオーナーは、2500ユーロの補助金を受け取れる。

 ドイツ以外の欧州諸国も似たような対策を打ち出したが、補助金の額が小さいために、ドイツほどの販売増加は見られない。

 スクラップ奨励金を管理するドイツ当局は3月3日、これまでに15万7000台分の申請を受け付けたと述べた。同制度は、申請件数60万件、金額にして15億ユーロを上限としている。

 こうした中、ドイツの高級車メーカーのBMWとダイムラーは、スクラップ奨励金の恩恵を主に受けるのはルーマニアのダチア(ルノー系列)やプジョー、フィアットだとして、補助金制度を批判している。

補助金は「ただの需要の先食い」、輸出は半分以下に激減

 BMWのCEO(最高経営責任者)、ノルベルト・ライトホーファー氏は、「この制度は競争を歪める。やればやるほど、自由市場を損ねる結果となる」と語った。また、アナリストらは、同制度は先に予定されていた需要の先食いに過ぎないと警告している。

 ウニクレディトのシニアアナリスト、アレクサンダー・コッホ氏は、「夏休みが終わる頃には、今のような購買力は見られないだろう」と言う。しか し、ドイツ経済に対する効果はプラスだったと指摘し、「スクラップ奨励金は、ガタガタのドイツ経済にとって絶対的に必要な即効性のある下支えとなってい る」と語った。

 だが、こうした補助金も、輸出主導型のドイツの自動車メーカーの販売急減を防ぐことはできなかった。VDAによれば、2月のドイツの自動車輸出台数は20万2000台で、前年同月より半分以上も落ち込んだ。

By Daniel Schafer
.

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年2月26日 (木)

映画の国際展開は商品と文化の輸出につながる

 2月22日(日本時間23日)の第81回アカデミー賞で、日本の作品「つみきのいえ」がアカデミー賞短編アニメーション賞、「おくりびと」が外国語映画賞を受賞しました。日本のアニメの質の高さはかねてから評価されているところですが、日本の俳優、映画作品も最近は国際的な注目が集まっているように感じます。これは日本の映画界にとってのみならず、日本全体にとってもとてもいいことです。

 かつて、国際的に評価される映画といえばまずはアメリカの映画であり、さもなくば欧州の映画でした。特にアメリカの映画の強さは圧倒的でした。アメリカの映画産業は規模も産業規模も、日本はもちろん他を引き離していたような印象があります。
 映画の強さというものは、映画産業だけにとどまりません。映画は他のビジネスのための地ならしであり、政治的意味も持ちます。まだ日本をはじめとする各国が貧しかった時代から、人々がアメリカ映画を見たとき、派手なオープンカー、広い家、ハンバーガー、コーラが登場し、高層ビルやネオンが並ぶ街を登場人物が駆け抜けます。実はこれを世界の人々に見せるというのは、大変な宣伝効果を生みます。映画を見た人は、映画の主人公と同様にコーラを飲みながら車を乗りたいと思うのです。アメリカ企業が海外に進出するにあたり、アメリカ製品が広く知られているというのは大変な優位性です。今でこそ企業が映画のスポンサーになり、企業の商品を作品に登場させるのは当然ですが、それを大昔から実行していたアメリカは強い。
 同様に、人々は映画を通じて豊かなアメリカに憧れたり、アメリカの文化や価値観を映画を通じて学ぶのです。映画のなかでアメリカ人がテロリストを退治すれば、映画を見た人はアメリカ人を応援したくなったりするのです。アメリカの映画にはアメリカ軍がよく登場しますが、アメリカ軍は映画撮影に協力的であると言われます。たとえいつもそれが機能するわけではないとしても、政治的なプロパガンダにも映画は一役買っていると言えるのではないでしょうか。

 かねてから日本のアニメ、漫画、テレビドラマはアジアをはじめとする国々で一定の人気を持っています。それらに親しんでいる外国人は、日本に対してもいい印象を持っている人が多い。私はあまりドラマを見ないのですが、そういったアジアの人のなかには私よりもはるかに日本のドラマや俳優について知っている人がいて、私の無知ぶりをからかっていました。そして実際そのような人は親日家でした。直接会った人ばかりではなく、そういった人が多いということを雑誌やニュースでも間接的によく聞きます。フランスをはじめとする欧州にも日本アニメ・漫画のファンは多いと聞くし、反日教育を受けた韓国や中国の人でも、漫画等を通して日本の文化は好きとか理解を深めたという人々が存在するようです。
 同様に、韓国のドラマは日韓関係の改善に寄与しました。韓国では国内の市場規模が日本のように大きくないので、早くから海外に輸出することを前提として努力していたといいます。ビジネス上での関係が順調でも、日韓両国民の間ではあまり親近感が醸成されなかった日韓関係において、韓国ドラマの流行は両国間の改善に役立ち、ヨン様一人で多数の外交官に匹敵すると言われました。
 その意味で、日本の映画界は遅れをとっていました。評価されていたものの多くはサムライ映画だったでしょうか。しかしアニメだけでなく、日本の現代劇が評価されてきているのは大きい。しかもアメリカで、です。今までの日本は、文化の輸出というものに対する考えにあまり積極的でなかったように感じます。最近は政府も外国人観光客を増やすことや文化の輸出ということにも目を向けているようですが、取り組みはじめたのが少々遅かった。このいい流れを今後も維持してほしいところです。


【第81回アカデミー賞速報】「おくりびと」が外国語映画賞を受賞!

2月23日13時9分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090223-00000016-eiga-movi

 [eiga.com 映画ニュース] 2月22日(日本時間23日)、米カリフォルニア州ロサンゼルスのハリウッド・コダックシアターで第81回アカデミー賞の授賞式が行われ、「おくりびと」が外国語映画賞を受賞した。

eiga.com 第81回アカデミー賞特集 受賞結果速報&ノミネート一覧

 日本映画の同部門へのノミネートは12作目で、受賞は史上初の快挙。授賞式に参加していた滝田洋二郎監督と主演の本木雅弘が壇上にあがり、プレゼンターのリーアム・ニーソンらからオスカー像を受け取った。

 同作は昨年のモントリオール世界映画祭グランプリをはじめ、今月20日に発表された日本アカデミー賞でも最優秀作品賞ほか10部門を受賞。国内外での受賞は計60冠に達していたが、さらに米アカデミー賞受賞という映画界最高の栄誉が加わった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月25日 (水)

自動車会社、資金ショートの危険

 株安ですが、円安が進んでいます。サブプライム問題の影響をあまり受けていないと思われていた日本経済ですが、世界経済の減速に伴い輸出企業関連をはじめとして急減速。円も弱くなっていて、輸出比率の高い企業にとっては、少しだけいいニュースです。かなり売り込まれていた自動車関連企業にも、買戻しに加えて円安を好感した買いが入っているようです。そのなかで、マツダは10円安の122円と、上場来安値を更新する逆行安となりました。

 日経新聞の2009年2月21日付朝刊の記事に、自動車7社のフリーキャッシュフローについての記事がありました。キャッシュリッチで有名なトヨタは、予想通りかなりの余裕があります。しかし、なかには苦しい会社がありました。以下はその記事を基にしたグラフです。

       
 FCF08/12月末の
手元資金
手元資金/FCF
                                                                                                                                             
トヨタ-3,550 22,606 6.4
 -8,932 4 2.5
ホンダ-8,383 7,394 0.9
 -5,594 -30 1.3
日産-1,925 4,846 2.5
 4,746 -19 -
スズキ-1,844 2,627 1.4
 -218 -45 12.1
マツダ-1,967 1,440 0.7
 102 -36 -
三菱-1,093 2,705 2.5
 1,394 -25 -
富士重-470 1,017 2.2
 624 -14 -
08年4-12月期のキャッシュフロー計算書
と手元資金
単位億円、下段は08年3月期一年間実績
手元資金欄下段は08年3月期比増減率%
出典は日経新聞   2009/2/21付朝刊より

 一番右側の「手元資金/FCF」の欄は、手元資金をキャッシュ・アウトフローで割ったものです。上段は08年4-12月期のキャッシュ・アウトフローで手元資金を割り、下段は一年間のキャッシュ・アウトフローで手元資金を割っています。

 キャッシュ・リッチで有名なトヨタは、年間ベースのキャッシュ・アウトフローを使って計算した場合、このままの金額のキャッシュ・アウトフローが続いたとしても、2.5年は手元に資金があることになります。言い換えれば、このままの赤字が続いたとしても、2.5年は資金ショートが起きないということです。
 日産・マツダ・三菱・富士重は、年間のキャッシュは黒字です。しかし前半の経済危機以前で黒字を稼いでおり、後半は大幅な赤字です。来期は前期のような黒字分が消える可能性が極めて強く、そうなった場合はFCFの上段の赤字額が大きな意味を持つことになります。リストラや対策によってアウトフローの額をある程度抑えることは出きるでしょうが、基本的に来期は年間ベースで赤字になると考えるべきでしょう。仮に今期の08年4-12月期のキャッシュフローが来期の年間のアウトフローと同額だと想定した場合、マツダとホンダは1年足らずで資金ショートが起きることになります。特にマツダは9ヶ月もたないということで、これはかなり深刻な問題です。

  このキャッシュ・ショートの大きな原因は、製品が売れていないことです。実はこの日経新聞の記事には、在庫の増加のデータも同時に掲載されていました。車を製造することで資金を使っているのに、車が売れないから現金化できない。在庫だけが積みあがっています。現在はどの会社も在庫削減のために、極端にまでに大幅な減産をしています。減産によって在庫が削減できれば、キャッシュ・アウトフローは食い止められるでしょう。ニュース記事によると、「ホンダは21年3月期見通しで営業黒字を見込んでおり、赤字に転落するトヨタや日産自動車に比べて“深手”を負っていない」ということです(下記ニュース参照)。

 そうはいっても、余裕のあると言われているトヨタですら、もしものためにすでに今月20日に2000億円の社債の発行を決めました。日産は米政府に低利融資を申請しています。この状況では何が起こるか予測はできません。そうなると、フォードも危機のなか、大きな支援企業をもたず規模も小さなマツダの資金繰りの悪さが際立ちます。マツダの逆行安は、倒産リスクを織り込もうとする市場の動きでしょうか。早急に資金繰りを安全にするための融資枠の設定や社債の発行といったことを、マツダは発表する必要があるでしょう。


ホンダ新社長に伊東氏 若返りで立て直し

2月23日21時23分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090223-00000604-san-ind

 ホンダは23日、福井威夫社長(64)が退任し、伊東孝紳専務(55)が社長に昇格するトップ人事を内定したと発表した。福井氏は取締役相談役に就く。 6月の定時株主総会終了後の取締役会で正式決定する。未曾有の自動車不況の中、新工場の建設延期や自動車レースのF1世界選手権からの撤退などリストラに ついては一定のめどが立ったと判断し、経営陣の若返りを図り、販売回復など抜本的な経営の立て直しを目指す。

 伊東氏は主に乗用車の開発を担当し、スポーツカー「NSX」など数多くの“名車”を手掛けたほか、社長への“登竜門”とされる本田技術研究所の社長も経験。4月に研究所社長に再び就任し、本体の社長就任後も兼務し、商品開発重視の姿勢を鮮明にする。

 福井氏は平成15年に社長就任。国内外で生産体制を強化したほか、燃料電池車の開発や太陽電池の事業化など環境分野に注力した。

 トヨタ自動車で創業家の豊田章男副社長が社長に昇格するのに続くホンダのトップ交代は、苦境を乗り越え、勝ち残るためには「加速力と成長力」(福井氏)が必要と判断したためだ。

 またホンダは21年3月期見通しで営業黒字を見込んでおり、赤字に転落するトヨタや日産自動車に比べて“深手”を負っていない。すでに福井氏がF1撤退など“大ナタ”をふるったこともあり、最大の課題は眼前のリストラから、再成長へ向けた土台作りに移っている。

 命運を握るハイブリッド専用車「インサイト」は6日の発売から10日間で受注が月間目標の2倍にあたる1万台を超えた。「顧客が求める商品をいかに素早 く投入できるかが大事だ」と伊東氏。素早く二の矢、三の矢を放つことができるのか。新社長に課せられた責務は十分に自覚している。

【伊東孝紳(いとう・たかのぶ)】 京大院修了。昭和53年ホンダ。取締役、常務などを経て平成19年6月から専務。静岡県出身。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年2月20日 (金)

「自動車メーカーが魅力ある商品や使い方を提供しきれていない」について

 車が売れない理由として、日経ビジネス・オンラインに「若年層は、
生まれた時から大体家庭にクルマがあり、すでに日用品化している
クルマから得る感動が少ない」「携帯電話という新たな消費品目が
定着した」「自動車メーカーが魅力ある商品や使い方を提供しきれ
ていない」が例として取り上げられていたことを、2月2日の日記「
消費者の地位の不安定さが、車への興味を失わせる」
に書きまし
た。最初の2つの理由は自動車メーカーには対応が出来ません
が、最後の「自動車メーカーが魅力ある商品や使い方を提供しき
れていない」について少し考えてみたいと思います。
 
 下記ニュースによると、売れている車の殆どがいわゆるスモール
カーとミニバンです。2位に入っているカローラは、ワゴンやハッチ
バックタイプを含んでいて、セダンはわずかです。プリウスはセダン
というよりも、ハイブリッドであることが評価されています。そう考え
ると、現在日本で消費者が求める車は、1500ccクラス以下のスモ
ールカーか、ミニバンということになります。かつてはセダンが売れ
筋のランキングと上位を占め、またスポーツカーなど人気でした。
一時は4WDのオフロードタイプも流行ったことがありました。市場構
造は随分と変化しています。
 
 では結局日本の自動車市場はスモールカーとミニバンしか基本的
に売れないのでしょうか。そのような傾向があるのは確かでしょう。
スポーツカー市場は壊滅状態、セダンの多くは年配の人か社用車用
しか売れません。
結局自動車会社各社は、大ききな市場であるミニバンと小型車に資
源を集中投資することになります。市場に投入され売られている車の
多くは、この分野の車になります。また一つの車体とエンジンを開発
すれば、デザインやコンセプトを変えつつもまったく違うように見える
車を安く投入することが出来ます。例えばトヨタはビッツを一度開発す
れば、その部品を使ってプラッツ、ファンカーゴ、Bbなどを簡単に安く
開発出来ます。その結果、この大きな市場は各社の投入した数多く
の車が入り乱れ、市場を取り合う混戦状態になっています。これは、
確実に多くの消費者が存在するマス・マーケットを手に入れることを
狙った戦略と言えます。
 
しかしこの戦略は一般公約数的な大多数の消費者のみを狙ったも
のであり、それ以外の消費者を置いてきぼりにしています。スモール
カーやミニバンが欲しい多くの消費者にとって、日本は数多くの選択
肢のある素晴らしい市場です。一方、例えば、わざわざ車に金をか
けたくはないが、もしもいいスポーツカーが発売されれば買いたいと
思っている一部の消費者は、車に大金をつぎ込む気持ちを無くしてし
まいます。
 車雑誌のベストカーだったかカートップだったかで、何年か前にア
ンケートをとっていました。あなたが車を買うのならば、どんな車がい
いかというものでした。不思議なことに、これだけスポーツカーが売れ
ていないにも関わらず、読者は圧倒的にスポーツカーに興味を持って
いました。
最もこれは車雑誌の読者という限定された人の意見であり、
また現実問題として買う車は別であるかもしれないということを考慮す
る必要はあります。しかし細かいデータは忘れてしまいましたが、それ
はかなりの割合であったように記憶しています。スポーツカーを欲しい
と思
っている潜在的消費者は数多くいるのです。
1989年、マツダはロードスターを発売し、世界中で小型オープンカー
・プームを生み出し、新規需要を掘り起こしました。従来の自動車市
場に加えて、消費者の新規需要や買い替え需要を作ったものと思い
ます。では今は何故スポーツカーが売れないのか。私の仮説を述
べてみます。
 
 スポーツカーがたくさん売れていた80年代末から90年代初頭にか
けて、日本はバブル経済でした。自動車もそれと平行して巨大化・高
級化してしまい、特にスポーツカーはその傾向が顕著でした。スープ
ラ(JA80)、フェアレディZ(Z32)、RX-7(FD3)、スカイライン(R33)
といった伝統あるブランドは、軒並み3ナンバーサイズ、300-400万
円以上の高級車となり、スポーツカーが欲しいと思う層が多い若者
に買えるような、手頃な価格の小型スポーツカーのラインナップが非
常に貧弱になってしまいました。まだ2000cc程度の比較的廉価な
プレリュード、シルビアといった車はありましたが、デザインなど総合
的に魅力がなくなっていました。実際、90年代のバブル経済崩壊後
に発売されたスポーツカーの中では、シルビアの最終型(S15)シル
ビア等の少数の例外を除き、
現在デザインの評価があまり高いもの
がないのが現実です。ロードスター、MR2、MR-S、S2000といった二
人乗りの本格的なスポーツカーは、みんなと一緒に大勢で外出した
い一般的な若者には少々特殊な車であり、大きな人気を継続的に得
るには至りませんでした。車好きな私の個人的意見としても、この時
期は日本のスポーツカーの不毛な時期だったのではないかと思いま
す。
 次々とスポーツカーを発表しても、大きな売上につながらない。自動
車会社は次第にスポーツカーに対する興味をなくしていきます。ニュ
ーモデルの投入は殆ど無くなり、モデルチェンジすらしなくなります。
経営危機になった日産は、伝統のスカイライン、フェアレディZの消滅
すら考えるようになります。また2002年の排ガス規制によって多くの
スポーツカーが生産中止になりました。この結果、消費者のスポーツ
カー人気はさらに低下することになります。人気が低下するから、自
動車会社もスポーツカーを投入しなくなり、それがさらに人気低下を
招きます。若者はスポーツカーを知らないまま年齢を重ね、歳をとっ
ても興味や憧れを持たなくなります。こうして日本のスポーツカー市
場に、負の連鎖が出来上がりました。今は日本のスポーツカー市場
は、昔のスポーツカーの栄光が忘れられない中高年向けの小さな市
場となっています。
 私は、消費者の嗜好がミニバンやスモールカーへ移行しただけで
なく、自動車会社が魅力的な商品を魅力的な価格で出せなかったこ
とが原因としてあると思います。実はもう一つの「元祖」ミニバン大国
のアメリカでは、未だにスポーツ・クーペはイメージもよく台数もそれ
なりに売れています。販売台数を詳しく調べたわけではありません
が、数多くのスポーツタイプやクーペが、小さなエントリー・レベルの
ものから中型、大型まで各社よりラインナップされており、実際に町
でも数多く見かけます。実は日本の会社も、日本未発売のクーペや
スポーツモデルをアメリカに数多く投入しています。例えばトヨタは
カムリをベースにしたソラーラや小型のサイオンTXといったクーペを
北米では販売しています。それに対して、日本ではスポーツカーを
欲しい消費者を置き去りにしてしまった。スポーツカーだけでなく、ミ
ニバンとスモールカーというマス・マーケット用商品以外の選択肢は
非常に小さい。
 
結局、実用的な道具としての車以外を、自動車会社は日本の消費
者に提案しきれていないのです。マス・マーケットに力を入れすぎて、
その周辺に存在しているであろう潜在需要の開拓を出来ていない。
1600-2000ccクラスの、デザイン・性能の良い小型スポーツカー
や、或いは4人が楽に乗れる小型スポーティセダンを、若者向きに
比較的低価格で作ってみれば面白いのではないか。それにハイブ
リッドを付け加えても面白い。
 ただ残念ながら、今のこの経済状況では各社は冒険を出来ないで
しょう。売れるかどうかわからないニッチ市場を狙った商品を投入す
るよりも、コストを抑えてモデルチェンジや新規投入も最低限に抑え、
消費が落ち込んでも会社が存続できることを最優先に考える、縮小
均衡を考慮した戦略をとってくるでしょう。暫くはニッチな市場が開発
されることもなく、マス・マーケット用の車が幅を効かせる時代が続く
ものと思います。
 
 

08年の除軽新車販売…ホンダ フィット 6年ぶりトップ

http://response.jp/issue/2009/0108/article118651_1.html
 
 現在の売れ筋の車種は、日本自動車販売協会連合会が発表し
2008年の乗用車車名別新車販売台数(軽除く)によると、トップは
ホンダの『フィット』で、前年比50.1%増の17万4910台だった。フィ
ットがトップとなったのは6年ぶり。2位のトヨタ『カローラ』は同2.1%
減の14万4051台と低迷し、フィットと約3万台もの差だった。トヨタは
トップは逃したものの、3位が『ヴィッツ』、4位が『クラウン』、5位が
『プリウス』、と2-5位を独占した。6位は日産『セレナ』、7位がトヨタ
『パッソ』で、8位がトヨタ『ヴォクシー』、9位が日産『ティーダ』、10
位がマツダ『デミオ』だった。


夏ごろまでガソリン価格が高騰した影響もあってスモールカーがベ
スト10に相次いでランクインしたほか、ハイブリッドカーのプリウス
も5位にランクインした。
 
 
1~12月

通称名       メーカー名   台数   対比

1  フィット      ホンダ   174,910    150.1

2  カローラ     トヨタ    144,051     97.9

3  ヴィッツ      〃     123,337     101.6

4  クラウン     〃       74,904     132.7

5  プリウス     〃       73,110     125.4

6  セレナ      日産      72,927      94.0

7  パッソ      トヨタ      72,767      90.9

8  ヴォクシー    〃       70,165      95.5

9  ティーダ     日産      65,302     104.9

10 デミオ      マツダ     64,990      99.2

11 ノート       日産      62,704    112.7

12 スイフト     スズキ      58,950    111.4

13 エスティマ    トヨタ      58,463     78.8

14 ノア         〃       57,477    94.1

15 ラクティス     〃       51,694     97.7

16 フリード     ホンダ      50,646   (20-5)

17 キューブ     日産      47,295     91.2

18 マーチ       〃       46,686    102.2

19 アルファード  トヨタ      45,119     86.4

20 ステップワゴン ホンダ     44,441     79.6

21 ストリーム     〃      41,399     72.2

22 ウィッシュ    トヨタ      39,292     69.2

23 ヴェルファイア   〃      38,969   (20-4)

24 マークX       〃      38,748     82.1

25 シエンタ       〃      34,809     99.4

26 ポルテ        〃      32,961     89.6

27 bB          〃      32,413     84.4

28 プレミオ       〃      32,044     83.9

29 エクストレイル  日産     31,710     113.8

30 オデッセイ    ホンダ    28,982      91.2


http://www.jada.or.jp/contents/data/ranking/1999.php

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月23日 (金)

フィアット、クライスラーと提携

 イタリアの大手自動車会社のフィアットが、アメリカのクライスラーとの資本提携するというニュースが出ています。フィアットはクライスラーの35%を小型車の技術支援と引き換えに取得、その後55%まで取得する権利まで持っているということです。

 フィアットはイタリア最大の財閥であり、度重なる合併の結果、フェラーリ、マセラティ、ランチャ、アルファロメオ、フィアットというブランドを持っています。欧州ではフォルクスワーゲン、プジョー・シトロエン、ルノーと並ぶ自動車会社の大手です。小型車を得意としていますが、ランチャ、アルファロメオといったちょっと値段の高めの中型者などもそれなりの販売台数があります。欧州が一番強いですが、南米等でも製造をしているようです。
 クライスラーは北米ビッグ3の一つで、ミニバン・SUVに強みがあります。セダンや小型車のラインアップも豊富ですが、残念ながらその分野ではあまり競争力があるとは言えないようです。北米がもちろん強く、南米にも進出しています。しかし世界展開では出遅れています。
 まとめると、北米に進出したい小型車・ちょっと高級な中型車メーカーと、アメリカに強い大型車を得意とするメーカーです。これだけをみると悪くない組み合わせです。しかしながら、クライスラーはダイムラーとの合併でも理想的組み合わせと言われていました。それが見事に失敗しているのですから、あまりあてにはなりません。

 それではフィアットにはこの赤字製造会社との提携で何が得られるのでしょうか。
 現在、世界最大の自動車市場である北米において、フィアットの主力ブランド車は販売されていません。ダスティン・ホフマンの出世作となった映画「卒業」では、彼はアルファロメオのスパイダーを乗り回していました。しかしかつてのイタリア車の品質は非常に低くて顧客を満足させることができず、結局販売不振で北米販売から撤退することになります。フェラーリとマセラティという高級車は販売されていますが、その価格ゆえに販売台数は非常に限定されています。
 昔、個人的にはフィアットのレガータという車を運転したことがあります。恐らく製造されたのは80年代の車です。しかしながら、まるでトラックを運転しているかのような性能の悪さと、オーナーから聞いた故障履歴には驚いたものです。これはイタリア車の販売不振もやむをえないだろうと納得しました。アメリカに住んでいたとき、ダスティン・ホフマンと同モデルのアルファロメオのスパイダーを見たことがあります。恐らく40年近い古いものですが、それがアメリカで見た唯一のアルファロメオでした。
 フィアットはかねてからアルファロメオ車で北米市場に再参入する意思があることが幾度も報道されています。日本車ほどではないにしても、現在のフィアット車は過去に比べて大幅に品質が向上しており、またデザイン・性能ともに魅力のあるものになっています。世界最大の市場でもっと数を売りたいというのは、フィアットグループにとっても悲願でしょう。

 この提携によって、フィアットはクライスラーの拠点をそのまま使うことができます。2008年12月のクライスラーは、販売台数が前年同期比で約半分となっており、工場等の施設稼働率が下がっています。この工場を使って製造すれば、北米再進出のための膨大な初期投資を抑えることができます。
 さらにクライスラーの販売拠点をそのまま使うことができます。ビッグ3系自動車ディーラーは、販売不振によって経営が行き詰っています。元々アメリカ車のディーラーは、販売台数に比べて数が多過ぎて、過当競争にあったと言われています。クライスラー系のディーラー網を使えば、比較的簡単に全米にアルファロメオをはじめとするフィアット車を販売する体制が築けます。
 しかもこの提携によってフィアットがクライスラーの株式を取得するにあたり、フィアット側の支出はありません。クライスラー側に小型車の技術を供与するだけです。ニュースの伝えるところの契約だと、既にある開発済みの技術を提供するだけで、製造拠点と販売網が手に入ります。フィアット車製造のための最低限の投資はいるとはいうものの、事実上無料です。最悪クライスラーが倒産したとしても、元々無料で仕入れた株券ですから減損処理をする必要はありません。たとえ倒産したとしても、必要な工場や販売網だけを本体から切り離して手元に残すことも可能です。またもしもクライスラーが再生すれば、莫大な利益を手に入れることも可能です。その可能性は低いですが、アメリカ政府の支援と良い再生計画があれば、全く無い話ではありません。

 一方のクライスラー側としては、提携先が現れたということ自体が大事です。巨額の累積赤字に加えて、全く将来の再建の計画すら立たない現状において、これは大きな前進です。記事によると、両社の合併効果は30億~40億ドルだそうです。北米でフィアット車が製造・販売されれば、費用ばかりかかっているクライスラーの施設が有効利用されることになります。それに加えて、フィアット社の持つ小型車の設計・製造の技術が手に入ります。クライスラーの株式の35%を無償譲渡するとはいえ、既にクライスラーの株価なんてゼロです。実際にクライスラーの株式約20%を保有するダイムラーは、クライスラー株の評価額をゼロにしています。ゼロ評価の株式をもって、代わりに小型車の技術や製造の注文が入るということです。
 そうはいっても、提携したからといって早急に小型車が開発・製造できるものでもないでしょう。またそれが利益に貢献してくるのはさらに後になってからです。やはり提携による改革・再生案がうまく機能しない限り、延命策にしかならないかもしれません。
 問題なのは、クライスラー側にはあまり選択肢がないことです。クライスラーの赤字を考えれば、他社がクライスラーと合併するとか株式を有料で買い取るということは考えにくい。他社から見れば、クライスラーのために金を払うくらいならば、クライスラーが倒産するまで待ってもいいわけです。クライスラー側に有利な交渉がまとまることはなかったでしょう。

 それでこの提携話はうまくいくのでしょうか。やはりフィアットに一方的に有利な提携に思えます。フィアットには、フィアット車を北米で売るための努力しかしないという選択肢もあるわけです。フィアットは、クライスラーが倒産してもあまり懐が痛みません。それでもフィアットはクライスラーの再生のために、危険を冒して多額の投資をするでしょうか。政府の動きもどうなるかわかりませんし、フィアットの計画もまだよくわかりません。だがクライスラーの行く末は、この提携だけではまだまだ不安だと思います。



フィアット・クライスラー提携…アルファロメオの北米参入など検討

http://autos.goo.ne.jp/news/industry/article_119328.html

フィアットとクライスラーグループは、戦略的提携を締結、フィアットのプラットフォームを使って、クライスラーの小型車の開発やクライスラーの米国工場で、フィアットグループのアルファロメオの生産を検討する。

戦略的提携は、フィアット、クライスラーとクライスラーの筆頭株主であるサーベラス・キャピタル・マネジメントの3社で合意した。フィアットはクライスラーの株式35%を無償で取得するほか、オプションで20%の株式を取得する権利を持つ。

提携によってクライスラーは、フィアットの小型車用のプラットフォームやエンジンを活用して小型車を開発するほか、フィアットの販売店を活用して欧州で販 売ネットワークを構築する。また、フィアットは、稼働率が悪化しているクライスラーの米国工場で、アルファロメオを生産し、アルファロメオの北米市場参入 を果たすことなどを検討する。

フィアットは一時期業績悪化が深刻化したものの、GMとの資本提携解消後、経営再建に乗り出し、これに成功した。クライスラーの経営再建のサポートも検討する。提携の実現には、米国財務省を含む監督機関のデュディリジェンスと承認が必要だ。

フィアットグループのセルジオ・マルキオンネCEOは、「この提携は急速に変化する自動車業界において画期的で、フィアットとクライスラーがその世界的な 流れの中で重要な役割を担い続けようとする意欲と決意の表れ。この合意で両社は関連性の高い自動車市場への参入が可能となり、フィアットが世界の牽引役と して知られる革新的な環境対応型の製品分野で製品を提供し、より高いコスト相乗効果を享受できる。この関係は、フィアットが過去5年間、提携先の成長や増 産を支援するために主要な自動車メーカーやサプライヤーと構築してきた業務提携や協力関係に続くもの」とコメント。

また、クライスラーのロバート・ナルデリ会長兼CEOは「フィアットとの提携により、強力な世界的競合企業となる可能性を秘めている。クライスラーの現在 の製品ラインナップを補う製品や北米外での販売網を活用でき、設計、エンジニアリング、製造、購買、マーケティングにおけるコスト削減など、数多くの戦略 的メリットをクライスラーにもたらすもの」としている。

さらに全米自動車労働組合(UAW)のロン・ゲトルフィンガー委員長は「UAWのクライスラー・チームにとって素晴らしいニュース。クライスラーの長期的存続に向け、UAWは支援、協力を惜しまない」とコメントしている。(22日 14:41)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月 5日 (月)

派遣切り報道

 派遣社員の首切り問題がよく話題になります。経済の急速な悪化によって真っ先に職を失うのは、このような派遣社員になります。そして企業が悪者扱いされ、職を失った派遣社員は同情を集めています。

 しかしそもそも最初から派遣社員とは、仕事のないときに職を簡単に失うような立場なのです。企業は仕事がなくなったときに簡単に人員調整をするために、正社員ではなくて派遣社員を雇用しています。派遣社員になるものは、最初からそれを理解した上で派遣社員になっているはずですし、なっていなければなりません。それが嫌ならば、努力して正社員になっておけばよいのです。
 テレビのニュースを見ていると、派遣期間が終了していないのに一方的に契約を解除するのは法律違反であるみたいなことを、ある弁護士が言って いました。私は法律問題はそれほど知りませんが、多分それはそうなのでしょうし、解雇するにしてもある程度の事前通告や補償金がいるでしょう。でも正社員でも正当な理由があれば事前に通告して解雇することは可能です。 派遣社員はそうされるであろうことを最初から覚悟し、それに対して準備をしておかなければなりません。
 そもそもずっと長期間派遣社員をやっておきながら、急に解雇されても行くところがない、住むところがないというのはおかしな話です。安いなりにも給料を貰っているのだから、多くの派遣社員はその気になれば少なくともいくらかの貯金は出来たはずです。20万円の月収があったならば、10万円以上貯金すれば1年で120万円貯まります。アパートを借りてゆっくり職探しするくらいの余裕はあるはずです。
 それが出来てないというのは、リスクをとって自分のために無駄遣いをし続けたということです。飲みにいったりとか、パチンコに行ったりとか、 買う必要のない服を買ったりとか、趣味に使ったとか、本来ならば我慢すべきことをしてこなかったゆえの結果なのです。私も昔、そのような金遣いをしている 派遣社員やフリーターの人達を何人も直接見てきました。貯金があれば安アパートを探すことは出来たでしょうし、その間に次の職を探すことも出来たでしょ う。しかし彼らは自己責任で「貯金をしない」ことを選択したのですから、本来ならば自己責任で危機を乗り越えなければなりません。税金を使ったり公共機関が彼らを救う必要はない。結局それは最終的に、まともに働いている国民への負担となる。

 そうはいってみても、理屈通りにはいかないのが現実です。自分の収入にあった生活を営み、将来への計画性がある人は、最初から貯金もないまま派 遣社員を続けてはいません。今更彼らに正論を説いても、問題は解決しません。また、やむをえない事情のあった人もいるでしょうし、そういう人を一人一人判別することは出来ません。結局のところ、彼らを救済する必要があります。
 彼らを救済するべき理由としては、社会不安が増えるということです。自己責任であるとはいえ、それを理解せずに犯罪に走る人はどうしても出て きます。仕事がなくなれば犯罪者が増えるというのは、世界共通の現象です。治安の悪化によって被害を受けるのも、多くの場合は一般の国民です。一般国民は 自分達が被害に会ったり、安全のための負担増を防ぐための予防措置への負担として、彼らを救済するほうがいい。そうでなければ町の一部がスラム化しかねません。



「派遣契約切られた」六本木ヒルズで男が刃物振り回す

12月31日1時18分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081231-00000002-yom-soci

30日午後8時30分ごろ、東京都港区六本木の六本木ヒルズの付近を、刃物を持った男がうろついていると、通行人から警視庁麻布署に届け出があった。

 同署員が駆けつけたところ、男は六本木ヒルズの正面玄関付近で、「刺すぞ。この野郎」などと叫び、刃物を振り回したことから、同署組織犯罪対策課の男性 巡査部長(35)が上空に1発を威嚇発砲し、男を銃刀法違反と公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。男は逮捕される前、「派遣社員の契約を切られた」など と叫んでいたという。

 逮捕された男は、杉並区天沼3、自称無職椎名賢次容疑者(28)。同署副署長によると、椎名容疑者は同8時35分ごろ、六本木ヒルズの正面玄関近くで、洋包丁(刃体約16センチ)を所持していた疑い。椎名容疑者は威嚇発砲の後、包丁を地面に置いたという。

 現場は、地下鉄六本木駅近くの広場付近。年末ということもあり、買い物客らが多数行き交っていた。

 映画を見に来たという30歳代の女性は、広場のそばにある映画館の前で、パーンという銃声のような音を聞いた。何人かが広場の方から逃げるように走って きたといい、広場の方へ歩いて行くと、男性が取り押さえられ、わめいていたという。女性は「映画のロケかと思った」と、驚いた様子だった。同署の阿多孝治 署長は「適正な執行と考えている」とコメントしている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月28日 (日)

牛丼の秋の値下げ合戦から、値下げ戦略を考える

 商品を売るにあたり、値引きすると利益が減るのは当然です。それでも値引きする理由というのは、売上を伸ばすことが出来ると思うからです。仮に原価60円のものを100円で販売していたならば、利益は40円。10個売れば1000円の売上と400円の利益が出ます。しかし80円で売れば、一つあたりの利益はわずか20円と半減します。しかし値下げによって30個売ることが出来れば、2400円の売上と600円の利益が出ます。実際にはより多く売るためによけいな手間がかかり、利益は減少します。しかし売上増によって合理化や競争力の強化も出来ます。シェアを競合から奪うことによって、競合の売上を落とし競争力を落とすことも出来ます。
  値下げにはまず市場内の競合相手を見る必要があります。自社に価格競争力があるならば、値下げによって同じ産業内の競合相手からマーケットシェアを獲得することが出来ます。また値下げの他の局面として、他の市場からいくら売上を奪うことが出来るかを見ます。値下げによって他の市場から顧客を獲得することが出来れば、市場自体が拡大します。
 例えば他の外食産業よりもハンバーガーに値下げ余地があって、ハンバーガーの値下げによってラーメンや牛丼といった他の外食産業、コンビニや弁当屋の弁当を買っていた市場からお客を獲得し、それによって値下げした分以上の売上や利益を出すことが出切れば、ハンバーガー業界は拡大・活性化します。また他のハンバーガーチェーンより顧客を奪うことも出来ます。近年のマクドナルドの成功要因の大きな一つはこれです。

 しかし単なる値下げは、際限の無い価格競争となる可能性があります。業界内大手の一つが商品の値下げをした場合、競合相手としては値下げを当然黙って見過ごすことが出来ません。何らかの対抗策をとってきます。上級商品を供給して新たな需要と顧客を獲得する、その市場よりも利益率のよい他の分野に進出する、新規商品を出して需要を刺激する、サービスを良くして競争力をつける、といった選択肢があります。
 その中でもやっかいなのは、対抗の値下げという選択肢です。商品に決定的な差をつけにくいものを取り扱っている場合、価格競争は双方にとって首の絞めあいになることがあります。その市場に参加している会社同士が値下げを繰り返すことによって価格競争となり、どの会社も利益が出なくなるというのが最悪の結果です。こうなったとき、体力のある業界最大手が優位の我慢大会となってしまいます。値下げ戦略は、同業他社か他の市場から顧客を奪い、自社の利益をより大きくすることが出来なければ意味がありません。

 秋の牛丼チェーンレストランで、気になったことがありました。松屋が10月に、一週間の期間限定で牛丼を80円引きで販売しました。しかし次の週には吉野家が同じような値下げキャンペーンを対抗策として展開しました。11月末にはすき家が同じような値下げキャンペーンをしましたが、再びすぐに吉野家が対抗策を展開しました。業界に注目を集めることは出来るでしょうが、短期的なキャンペーンを繰り返しても消耗戦になるだけの可能性があります。どれだけこれらのキャンペーンで利益を上げられたのか私はわかりませんが、値下げはもっと長期的視点にたった戦略的なものであるべきではないかと思います。簡単に競合相手に対抗策を取られる値下げキャンペーンならば、他の戦略をとったほうが有効であるかもしれません。

以下は各社のキャンペーンに関するニュース

 松屋フーズは、牛めし・カレー・定食店「松屋」において、10月1日より「秋の大感謝祭」を開催。期間限定で牛めし(並)を80円引きの300円で提供している。同社は、日頃の愛顧に感謝を込めて、期間限定で牛めし(並)を80円引きの300円で提供するほか、牛めしのセット類についても、80円引きとする。開催日時は10月1日15時から10月8日15時まで。

 大手牛丼チェーンの吉野家は25日、牛丼3食を食べると、牛丼の並盛り(380円)1食無料になる「師走のくいてー!祭」を12月3日から実施すると発表した。セールでは、牛丼1食ごとにカード1枚が配布され、カード3枚を集めると牛丼並盛りが無料になる。カードの配布期間は12月3日から12月23日で、カードの有効期限は12月31日までとなる。
 牛丼チェーンでは、ゼンショーの「すき家」でも牛丼を値引き販売するキャンペーンを展開中で、12月8日まで牛丼(並盛)が51円割り引き価格の299円となっている。吉野家がキャンペーンを開始することで牛丼チェーンの競争がさらに激化すると見られる。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年12月21日 (日)

ビッグ3はUAW(全米自動車労組)と手を切る機会

 アメリカの自動車産業の中でも、アメリカ資本であるビッグ3の競争力が低い原因の一つに挙げられるものがUAW(全米自動車労組)です。非常に強い力を持ち、会社とは敵対的関係を持つ攻撃的組織として知られています。会社からいかに金や良い条件を引き出すかばかりを考えていて、会社と共に発展しようという視点を欠いています。常に短期的な視点で会社に多くの要求をし、それが通らなければストライキをちらつかして脅しをかける。
 逆に協調的関係を持っているのが日本の労働組合です。日本的経営の強みを考えるときに、長期雇用(終身雇用)・年功序列と並んで三種の神器と通称されるものの一つです。労働組合は会社に多くの待遇を要求しない代わりに、企業は簡単に労働者を解雇したりしない。結果として企業は労働組合との交渉・対決に力をあまり注ぐことがなくなり、競争力が上がります。それによって会社の規模・業績は拡大し、その恩恵が従業員にもまわってくるという、Win-Winの関係を築きます。
 簡単に言うと、アメリカの労働組合のやり方は短期的利益を追求し、ゼロサム・ゲームの中で相手からいかにより金を分捕るか。これに対して日本では、長期的視点から双方にとっていかに最大の利益を追求するか。言い換えると、アメリカの労働組合は会社から今1ドルを分捕ることばかりを考えている。その結果として会社の競争力がなくなり、将来自分が2ドル失うかもなんて最初から考えない。日本では今会社から100円を無理にもらうことを考えない。その代わりに将来会社が300円儲かったときに、その利益を分配してもらって150円もらうことを考える。そんな感じでしょうか。

 記事によると、GMの従業員の賃金は時給78.21ドルとトヨタよりも4割近く高いそうです。しかしこれは医療費・年金などの負担を含んでおり、実際のGMのベテラン労働者の平均時給は28.12ドル。GMの福利厚生の負担見込み額は56億ドルで、この額を生産する自動車一台当たりでみると、 GMは約1,500ドルになります。当然それは販売する自動車の価格競争力を削ぎ、会社の利益を減少させます。ちなみにトヨタは一台あたり約200ドルだそうです。
 GMの再生のためには、UAWとの契約を見直し、この負担を無くす必要があります。会社が倒産しそうな今、UAWも強気ではいられないでしょう。契約を守ることを強く要求して会社が倒産したならば、契約自体も消滅するからです。

 しかしトヨタ・ホンダ・メルセデスといった、UAWと関係を持たないアメリカ国内の外国資本の自動車工場の労働者と比較すると、UAWの存在自体がやはりやっかいです。
 日本の労働者は年功序列制であり、実力での評価がされていないという意見があります。だがこれは間違いです。アメリカ国内でUAWの強い自動車工場こそ、実は年功序列制なのです。例えば昇進は、ある労働者が会社を辞めてポストが空いたとき、最も長く会社にいるものが自動的に昇進します。不況になって会社が労働者をレイオフ(一時解雇)するとき、最も会社に後に入った勤務年数の短い労働者からレイオフされます。仕事の能力や実力など全く関係ないのです。
 何故こんなことになるのかというと、強すぎるUAWとの交渉の結果です。UAWが人事に関しても強い力を持っているのです。仕事の能力や真面目さなど昇進には関係がありません。そうなるとどうなるか。もちろん労働者は真面目に働いたりなどする動機がありません。どんなに一生懸命に働いても、昇進するのは先輩労働者と決まっているのですから。逆に言えば、どんなに適当に不真面目でも、同じ給与・待遇が得られます。私が学生時代に調べたとき、工場での遅刻・喧嘩・飲酒・仕事中の飲食といった例がたくさん出てきました。中にはわざと車に傷をつけるようなことすらありました。そんな労働者でもポストが空くと昇進します。しかし企業はUAWのせいで労働者をクビにすることが出来ません。企業側に人事権がないのです。
 アメリカ国内の外資系企業はこれを知っていましたから、UAWと距離を置くために彼らの影響のない中南部に工場を建設したのです。そのためUAWの悪影響を受けるのはビッグ3ばかりとなりました。ビッグ3は今回の危機をUAWと交渉するための絶好の機会とし、全面的に関係を見直すべきです。


 

1. GMが2万5000人の大規模リストラへ

独立行政法人 労働政策研究・研修機構より
http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2005_7/america_01.htm

 経営不振が続く米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)社は6月7日の株主総会で、2008年までに北米におけるいくつかの工場閉鎖と、北米GMの全従業員数の13.8%にあたる2万5000人の時間給労働者の人員削減を行うとする大規模なリストラ策を発表した。

  GMでは、工場閉鎖と、91年の7万4000人以来となる大規模な人員削減により、約25億ドルの年間コスト削減を見込んでいる。これに対し全米自動車労 組(UAW)幹部は、「規模縮小だけでは再建はおぼつかない」として、コスト削減を優先する経営側の姿勢をけん制。消費者ニーズに合った車の開発が先決と 反発している。(注1)

 そもそもGMの経営不振の背景には、1)日本車の攻勢などによる販売不振、2)従業員・退職者のための医療費負担の増大、3)レイオフした労働者への賃金支払い(注2)――があるとされる。このうち医療費負担に関し、GM側は07年まで有効の労働協約を前倒しで改定するよう組合側に迫っている。

医療費負担問題
 公的な保険制度を持ないアメリカでは、民間保険会社が販売する医療保険が中心となっている。GMは福利厚生の一環として、従業員・退職者の合計110万 人に対し、屈指の好条件で医療保険を提供していると言われ、今年の負担見込み額は56億ドルに上る。ちなみにこの額を生産する自動車一台当たりでみると、 GMは約1,500ドルで、トヨタの約200ドルを大きく上回る。ワゴナーGM会長はこの差異が両社の価格競争力に大きな影響をもたらしていると述べてい る。

揺れる労使関係
 GM側の説明によると、非組合従業員が医療費の約27%を負担しているのに比べ、組合従業員は約7%しか負担していないとして、この医療費負担の格差を 縮小させたい考えだ。UAWは協約の範囲内を条件に、医療費支出の削減に協力する姿勢を見せているが、協約の改定には応じない方針。現在、GMとUAWは 医療費の削減について集中的に協議を重ねているが、経営側が協約の一方的破棄の可能性についても言及しており、労使関係の悪化が懸念される。ちなみにGM は98年に54日間にわたるストライキにより、35億ドルに及ぶ損害をこうむった苦い経験がある。ウォールストリートジャーナル紙によると、この件につい て結論が出るのは、工場の夏季休業があける7月中旬になると見られる。


参考: 1米ドル=111.57円(※みずほ銀行ホームページ2005年7月5日現在のレート参考)
注1: 生 産量で全米2位のフォード社でも、6月下旬、売上予測の下方修正を受けて、人員削減の規模を予定より拡大するとの発表を行った。フォード社では、北米の工 場における生産ラインの定額給労働者の人員削減(1000人)を今年4月に発表したばかりであるが、今回、それに加えて定額給労働者の5%に当たる 1700人の人員削減案を発表した。
注2: レイオフ期間中は、賃金補償は行われないのが通例であるが、GMとUAWの間に結ばれた現行の協約では、時間給労働者は短期のレイオフ期間中にも給料や手当の大半を支給される。現協約が有効なうちは、雇用削減がコスト削減に結びつかないのが現状である。


GMの倒産を恐れるトヨタ 支援する際のネックは「時給7000円」の高賃金

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000000-sh_mon-bus_all

12月13日13時0分配信 MONEYzine

 自動車メーカー3社(ビッグスリー)に対する最大140億ドル(約1兆3000億円)のつなぎ融資を柱とする救済法案について米上院は11日夜、妥協案で合意に達せず、事実上、議会での救済法案をめぐる協議は打ち切りとなった。

 GMはつなぎ融資を受けなければ実際に破綻する危険性が高まるが、このまま破綻へ向かった場合に気になるのがその後の展開だ。トヨタ自動車など日本の自 動車メーカーにとってはビッグスリー(米自動車3大メーカー)にとってかわり北米でのシェアを大幅に広げるチャンスでもあるが、それ以上にデメリットも大 きい。なぜならビッグスリーと日本メーカーは同じ米国内の部品メーカーに依存しており、もしGMが破綻するようなことがあると同社の取引先の部品メーカー まで連鎖的に倒産してしまう可能性があるからだ。とくに米国依存の強いトヨタやホンダは深刻なダメージが懸念されている。

 またビッグスリーが破綻した場合には、その後の従業員の雇用など日本のメーカーに支援を求めてくることも予想される。たとえばトヨタがGMの工場や従業 員を丸ごと引き受けるような依頼もあるだろうが、トヨタも08年11月の米新車販売は前年同月比33.9%減と大幅に減少しており、自分のことで手いっぱ いの状況だ。

 とくにGMの従業員の高い賃金はトヨタにとっては頭の痛い問題。米自動車業界団体の調査によると年金や医療費負担も含んだGMの従業員の賃金は時給 78.21ドル(7000円)とトヨタよりも4割近く高い。金融危機と円高の影響で08年9月の連結中間決算では、北米の営業利益が米国会計基準を導入し た98年以来初めて実質赤字(346億円の損失)に転落し、かつてないほどの苦境にある今のトヨタに大量の従業員をGMから引き受ける余裕はないだろう。


GM offers buyouts to 74,000

Auto giant aims to replace much of U.S. workforce with lower-paid new hires, dangling $140,000 buyouts to UAW members to stem North American losses.

http://money.cnn.com/2008/02/12/news/companies/gm/index.htm

By Chris Isidore, CNNMoney.com senior writer

NEW YORK (CNNMoney.com) -- In an effort to shave ongoing losses, General Motors offered lucrative buyouts Tuesday to 74,000 employees - its entire U.S. hourly workforce.

The nation's largest automaker announced the latest round of buyouts as it reported another loss on its core auto operations in the fourth quarter, which combined with charges taken earlier in the year left GM (GM, Fortune 500) with a company-record $38.7 billion net loss for 2007.

To try to stem automotive losses that have dogged the company since 2005, the company is making a range of offers, up to cash payments of $140,000 to the remaining 74,000 GM workers represented by the United Auto Workers union.

The goal is not to reduce headcount but rather to bring in new workers at a lower cost.

About 46,000 of the GM employees are eligible to retire today and they can take pension incentives worth between $45,000 to $62,500 to retire.

In addition there are inducements for those who are within five years of retirement to leave early and receive benefits.

Those who leave and agree to sever all ties with the company - including giving up lucrative pension and health care coverage - will receive a lump sum of $140,000 if they have 10 years of service. They will receive $70,000 if they have less than 10 years of service.

"We've worked with our UAW partners to ensure our employees have a variety of attractive options to consider," GM Chairman and CEO Rick Wagoner said in a statement. "The special attrition program is an important initiative that will help us transform the workforce."

The savings GM is likely to see with this offer are substantial. The Center for Automotive Research estimates that by 2011 GM's hourly workforce will be only 8% smaller than current levels - but more than four out 10 of those workers will be new hires being paid a lower wage rate.

The current veteran UAW member at GM today has an average base wage of $28.12 an hour, but the cost of benefits, including pension and future retiree health care costs, nearly triples the cost to GM to $78.21, according to the Center for Automotive Research.

By comparison, new hires will be paid between $14 and $16.23 an hour. And even as they start to accumulate raises tied to seniority, the far less lucrative benefit package will limit GM's cost for those employees to $25.65 an hour.

Lucrative buyout packages are not new at GM (GM, Fortune 500) and rival U.S. automakers Ford Motor (F, Fortune 500) and Chrysler LLC. GM offered similar deals to all its U.S. workers in 2006. That package helped it pare U.S. hourly employment by nearly 40,000 in the past two years.

Ford and Chrysler also have the provision in their new contracts to pay new hires less in salary and benefits. But their workforces are not nearly as old as the UAW membership at GM, so they may end up seeing less turnover in their hourly staff.

Ford has its own buyout offer out to all its remaining 54,000 hourly U.S. workers. The proposal was announced last month when the company reported a fourth-quarter loss. Privately owned Chrysler has offered buyout packages to hourly employees at targeted plants, but has not make a companywide offer.

Fourth-quarter results

GM unveiled its latest cost-cutting moves as it reported a narrow profit of $46 million, or 8 cents a share, excluding special items, in the fourth quarter.

The adjusted earnings were far better than the loss of 54 cents a share that analysts surveyed by earnings tracker Thomson First Call had forecast, but worse than the year-ago result of a $180 million profit, or 32 cents a share.

But the profit in the most recent quarter was due primarily to a $1.6 billion tax benefit. GM would have otherwise lost about $2.75 a share in the period excluding items, although First Call and analysts are not likely to exclude that gain when comparing results to forecasts.

Including special items, the company reported a quarterly net loss of $722 million, or $1.28 a share. That compares to net income of $950 million, or $1.68 a share, it posted in the year-ago period.

Concerns by traders that the company's actual performance was worse than it seemed at first blush sent shares down 1.7% in pre-market trading. But shares swung to a gain of 1.5% in late-morning trading after the company's call discussing its results and outlook in more detail.

The company saw strong vehicle sales, as automotive revenue hit a record $46.7 billion, easily topping forecasts of $44.4 billion. But the company's automotive profit-loss performance took a step backwards most of its regions around the globe.

The company posted a $803 million fourth quarter pretax loss in its auto unit, compared to a narrow $8 million profit on that basis a year earlier. The worsening performance was due to its core North American operations, where industrywide sales were weak in the period. North American plants lost $1.06 billion in the period on that basis, compared to only a $129 million loss a year earlier.

The company also saw pretax losses grow in its European operations and profits decline in the Asia-Pacific region that has become increasingly important for the company's fortunes. But improved pretax profits in GM's Latin America-Africa-Middle East region more than balanced out the worsening performance in the other overseas regions. To top of page

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月20日 (土)

米大統領がビッグ3支援表明、GMなどに「つなぎ融資」

 米大統領がビッグ3の救済をするようです。しかし記事によると、これはあくまでつなぎ融資。融資によって延命を図る代わりに、2009年3月までに再建のためのリストラ案を提示することを求めています。
 記事によると、

ビッグスリーは、経営トップの巨額報酬の抑制や株主への配当禁止などの厳しいリストラを求められる見通しだ。

 とあります。しかしこんなことは最初にやるべき当たり前のことであり、厳しいリストラでも何でもありません。もう何年も前にとっくに済ませておくべきことです。これを書いたのは記事を書いた記者であり、ビッグ3の意見とは違うかもしれません。だが根本的な解決が、ビッグ3をこのような状態にした経営者に出来るとは思えません。長くそこに働いていた人は、それぞれの利益関係やしがらみを持っています。会社はどうせすぐに脱出すべき沈む船、会社の再建よりも自分の待遇や給与のほうが大事という会社役員もいるでしょう。事実、赤字が続いても、最近まで巨額の報酬を役員が受け取っていました。多くの生産拠点を含む規模の大幅な縮小、日系企業の比較して大幅に待遇が高く、ビッグ3の競争力を著しく下げている労働条件を根本的に変更するための労働組合のUAWとの交渉、製品ラインアップの大規模な変更、今回の危機を招いた経営責任の追及などなど。
 これらを現経営陣が出来るわけがないのです。通常、不振企業を再生する際には、経営陣を外部から招いた人に入れ替えて行うべきなのです。大統領がそれを旧経営陣に任せるというのならば、それは大統領の判断ミスであると思います。結局問題を先送りしただけで、再建案提出期限の三月には、資金の引き上げか追加融資の判断を再び迫られるよう可能性が十分にあります。破綻は確かに大きな負の影響をアメリカ経済に与えます。しかし破綻を恐れるのならば、ビッグ3に対して極めて厳しい態度で望むべきです。融資の実行と引き換えに、経営責任をとらせて経営陣の入れ替えやリストラ完了までの一時国有化くらいは要求してもいいのではないでしょうか。

米大統領がビッグ3支援表明、GMなどに「つなぎ融資」

12月19日23時36分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081219-00000064-yom-bus_all

 【ワシントン=矢田俊彦】ブッシュ米大統領は19日、米自動車大手3社(ビッグスリー)に対し、金融安定化法を活用した資金繰り支援に踏み切ることを表明した。

 米メディアによると、融資額は計174億ドル(1兆5500億円)にのぼる。ビッグスリーが破綻(はたん)すれば、金融市場を含めて米経済に大きな影響を与えるため、つなぎ融資の実施を決めた。

 米メディアによると、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに年末越えの当面の資金として134億ドルを提供し、その後、2月に40億ドルを追加 支援する用意があるとしている。ただ、来年3月末までに各社が具体的な再建計画を示さなければ、融資資金は回収され、破綻に追い込まれる可能性がある。

 ブッシュ大統領は、「ビッグスリーは困難に直面している。破綻は好ましくない」と述べ、支援の必要性を強調した。

 一方で、納税者保護として、ビッグスリーは、経営トップの巨額報酬の抑制や株主への配当禁止などの厳しいリストラを求められる見通しだ。

 ビッグスリー支援を巡っては、米民主党と米政府が最大140億ドルの資金繰りを支援する法案に合意したが、上院で11日、共和党の反対により廃案となった。このため、GMなどは年内に手持ちの資金がなくなる恐れが出ていた。

 米政権はこれまで、「安定化法は、金融機関向けだ」(ペリノ大統領報道官)と否定的な見解を示してきた。

 ただ、支援法案の廃案を受け、「無秩序な破綻は念頭にない」(同)とし、安定化法を活用した支援を検討してきた。

最終更新:12月19日23時44分

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月19日 (金)

麻生首相は経済音痴

 麻生政権の支持率低下が止まりません。ついに17%だそうです。この支持率で解散・総選挙となれば、自民党の惨敗はほぼ間違いないところでしょう。
 「医師は社会常識がかなり欠落している人が多い」といった、以前から定評のある不用意な発言、漫画ばかり読んでいて漢字も読めない馬鹿であるといったイメージもあります。しかし支持率の下落が止まらないのは、経済の悪化を止められないことに最大の原因があると思います。よい経済対策さえ実施されていれば、漫画を読むことは新しいメディアに対して柔軟であるとも言われたでしょうし、少々漢字が読めないことなど問題にもならなかったでしょう。
 今回の経済の悪化は何も彼の責任ばかりではないのですが、発表した対策を見ている限り、彼がかなりの経済音痴であることがわかります。首相就任前から彼にとっての経済対策とは、公共支出を増やすことでした。自民党が公共支出の削減で財政再建を掲げてきた中で、彼の政策はかつての自民党の政策を真っ向から否定し逆行するものです。このような発言には、彼の首相就任に対して私には懸念がありました。そして首相就任後に発表したのも、やはり財政出動による経済対策でした。

 経済というのは大変複雑で、絶対的な法則は存在しません。では財政出動による公共投資が何故今は批判されるのか。それは公共投資がかつてのような経済活性の効果がなくなってきているからです。
 例えばインフラが未整備の発展途上国があったと仮定し、その国の政府が、公共投資として道路・鉄道整備に多額のお金をつぎ込むとしましょう。まず第一に、その結果として物資や人の移動が容易にできるようになり、経済は発達します。例えばある地域で特産の農産物があっても、交通手段がないために産地から消費地まで輸送できなかったものがあったとしましょう。しかし交通インフラの整備により、それが可能となります。消費地は農産物を買うことができるようになり、産地は売却の代金を受け取ることが出来ます。また高速鉄道の開通によって、今まで一泊の出張だったものが日帰りが可能となれば、効率が非常に高まります。公共投資によって効率化が高まり、それが経済の持続的発展に大きな貢献をするのです。これは経済の発展させるための、ある種の投資活動とも言う事が出来ます。
 第二に、建設業界、建築資材業界、建設重機業界などは仕事の量が増えて潤います。それらの会社は利益または借入金によってさらに仕事の量や効率を上げるための投資を行います。人をさらに雇い、新規の事務所を開き、さらに効率の良い大型の重機を買い入れます。また仕事にたずさわる労働者は給与が増え、それでテレビや自動車を買うなどして消費に回します。こうして他の産業まで当初の政府支出が循環していき、経済が活性化します。
 しかし道路も鉄道もある程度整備の進んだ状況では、第一の経済効果は日本のような先進国では効果があまり期待できなくなっています。むしろ莫大な費用をかけた割には、そこから得られる経済効果が少なくなってきているのが現状でしょう。費用対効果がかつてのような大きなものではなくなっているのです。むしろ過大な公共支出は、政府の財政状態を悪化させ、経済に対する負の効果が生まれてしまう可能性もある。日本では政府がすでに約700兆円という莫大な借金を抱えており、財政状態の再建が急務となっています。
 それでもこのような急激な経済の悪化に対して、政府は経済対策をとる必要性があります。しかしそれは必ずしも公共工事である必要性はない。政府が支出したお金の循環に貢献し、経済の活性化に役立つ何かもっと効率的なものであればそちらのほうがいい。例えば資金繰りの悪化している会社に対する融資枠の設定、金融機関への公的資金の投入、ベンチャー企業創業の助成等。そういったことへ政府支出を使ったほうが、経済への貢献が大きくなっているのではないでしょうか。

 さて麻生首相が景気対策として打ち出した総額2兆円の「定額給付金」。これがどうような効果を持つか。ただ単に一人に一万円、二万円程度の金券を配布したとしても、金券を生活に必要な消費にまわし、代わりに現金を保有するだけのことになる。そうなれば公共支出によって政府の財政がさらに悪化しても、経済に対する貢献は小さいものとなるでしょう。国民の人気取りになると思ってやったのかもしれませんが、国民はそこまで馬鹿ではなかった。
 さらに郵政民営化を否定するような発言。小泉政権であれだけ派手な議論と動きがあって成立したものを、こんなに簡単に否定されてしまったならば、自民党内部や自民党支持派からも反対勢力が出るのは仕方がない。ましてこんな首相の下では、次の選挙で自分の地位が低下してしまう。
 こうなるともう彼のやることなすこと全てが批判の的となる。実際には雇用の問題、中小企業支援や金融機関への融資なども既に対策として盛り込んでいたのだが、これらはあまり話題にはならない。12月12日に雇用対策・住宅減税をはじめとする新規の経済対策を発表したが、支持率低下には歯止めがかからない。やはり駄目な対策が経済の悪化を喰い止められないことの印象が強すぎる。
 確かに首相就任どほぼ同時の経済危機は、運が悪かったといえる。しかしそれは有効な経済対策によって危機を乗り越えるための、強い指導力を示すいい機会でもあった。残念ながら麻生首相にこの危機的状況を指導する力があるようには見えません。党内や国民の支持すら失った今、定額給付金の撤回くらいはしてもらいたいものです。

麻生内閣支持、17%に激減=「党首力」小沢氏が逆転-時事世論調査

12月19日15時4分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081219-00000103-jij-pol

 時事通信社が12~15日に実施した12月の世論調査によると、麻生内閣の支持率は16.7%と前月から22.1ポイントも激減、不支持は前月比 28.2ポイント増の64.7%に上昇した。「首相にふさわしい政治家」を問う質問でも、麻生太郎首相を挙げた人は23.9%にとどまり、34.8%の小 沢一郎民主党代表に引き離された。内閣支持率が2割の大台を切ったことで、衆院解散・総選挙の時期や自民党内の「麻生離れ」の動きに影響を与えるのは必 至。今後、首相は一段と厳しい政権運営を強いられる。
 調査は、全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は66.3%だった。
 政党支持率では、自民党は前月比5.2ポイント減の18.6%。一方、民主党も同0.9ポイント減らして13.4%にとどまり、同党が依然として自公政 権に代わる受け皿になっていないことを示した。このほか、公明4.3%(同0.1ポイント増)、共産2.0%(同0.6ポイント増)、社民1.1%(同 0.3ポイント増)。支持政党なしの無党派層は、同6.0ポイント増えて58.2%となった。 

 

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年12月14日 (日)

トヨタの下期が営業赤字

 トヨタの下期が赤字見通しであるというニュースがでました。今年の自動車産業の月別の販売動向をみると、一般的に徐々に悪化しています。ですから今秋よりも冬、冬よりも春はさらに悪化するものと思われます。まだ暫く経済の混乱は続くでしょうし、来年に需要が回復するというのは期待薄です。さらに円高が進んでいます。日本経済の相対的強さが際立っている以上、円安に戻る可能性もあまり高くないように思えます。むしろ1ドル=100円が上限で、それ以上の円高というのを固めてきているように見えます。
 となるとトヨタの来期の通年での赤字はほぼ確実と言っていいでしょう。こうなると北米での売上依存が強いホンダ、海外輸出の多いマツダ、トヨタよりも競争力の弱い日産も来期はほぼ間違いなく赤字でしょう。秋くらいにはもしかするとぎりぎり黒字で踏みとどまれるかもしれないと思いましたが、環境は厳しさを増しているようです。

トヨタの08年度下期が営業赤字に、通期も計画下回る=関係筋

2008年 12月 13日 11:58 JST

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJAPAN-35423120081213?rpc=144

[東京 13日 ロイター] トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の2009年3月期下期(08年10月─09年3月)の連結営業損益が、赤字になる見通しであることが分かった。関係筋が13日、明らかにした。    

 円高の進行と販売の落ち込みが想定を上回っているためで、半期ベースの営業赤字は1999年に米国会計基準を採用して以降では初めて。09年3月通期の連結営業利益も、会社計画6000億円を下回る見込み。

   

 トヨタは11月上旬に上半期(4─9月)決算を発表した際、通期の連結営業利益予想を期初の1兆6000億円から6000億円に下方修正。下半期の営業利益は180億円と見込んでいた。

   

 しかし、ドル/円が12日の東京市場で13年ぶりに90円を突破するなど足元で急激な円高が進んでるほか、自動車販売が急速に悪化。緊急のコスト削減策を進めているが追いつかず、下半期に黒字を確保するのは厳しい情勢となった。

   

 トヨタは下期のドル/円レートを100円、ユーロ/円を130円で想定。1円円高が進むとドルで年間400億円、ユーロで60億円営業利益を押し下げる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 6日 (土)

ホンダF1撤退

 ホンダが急遽F1から撤退することを決定しました。来期2009年も参戦することを前提に動いていただけに、この突然のニュースは驚きをもってむかえれられています。実際ホンダ社長の「9月までの販売状況なら撤退はなかった」発言からも、この決定は最近急に下されたものだとわかります。
 2000年に再参戦するときには記者会見で「その気になれば全て勝つことも可能なんだ」というような大口をたたいていましたが、実際には殆どの時期に低迷を続け、最終的には一勝をかろうじて上げただけでした。年間400-500億円といわれる予算を使っても弱小のプライベートチームにすら後塵をはいし、わざわざ世界に恥をさらしているだけということもあったでしょう。
 F1などの国際的レースで好成績をあげることは、凄まじい宣伝効果になります。実際にホンダは、レースに勝つことによってその知名度とブランド力を世界に知らしめてきました。しかしこのままでは、負けたままでの撤退という、モータースポーツで数々の栄光を勝ち取ってきたホンダにとっては実に不名誉な結果になります。またドライバーのジェンソン・バトンをはじめ、チーム・スタッフらと来期の契約をしたものを一方的に解約するわけですから、ホンダという会社の信頼に対しても大きな傷を残します。しかも巨大企業に成長したホンダにとって、400億円という予算は必ずしも大きなものではないように見えます。ニュースによると、今期の営業利益は前期比42%減っても猶5500億円もあるのです。
 しかし今期後半からの売上の急減はやはり厳しい。実際ホンダは今期前半までは好調に売上・利益を伸ばしていました。前期比42%急減した利益の原因は、今期後半の急激な経済の悪化によるものです。来期は通年でさらに悪化する経済を考えると、ホンダは赤字になる可能性が十分にあります。もし赤字か黒字になるぎりぎりの攻防になったとき、この500億円は実に大きい。たとえ来期のよりひどい経済の中で奮闘して何とか100億円や200億円の利益が出ていたとしても、F1が500億円使っていたら赤字転落です。F1をやっていたから赤字になったとなれば、経営陣に対して格好の攻撃材料を与えることにもなります。これはそれを避けるために先手を打ったというところでしょうか。


世界失速 ホンダ魂のむ 高コスト重荷、F1撤退

12月6日8時31分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 

 金融危機による世界的な景気悪化はホンダの「DNA」をも飲み込んだ。ホンダは5日、自動車レースの最高峰であるF1世界選手権から今年限りで撤退する と発表した。F1関連費用は年間500億円以上に上るとみられ、技術者らも国内外で1000人以上を投じていたが、「将来への投資など経営資源の再配分が 必要」(福井威夫社長)と、“聖域”にメスを入れた形だ。ホンダの決断はF1に参戦する他の自動車メーカーやスポンサー企業の経営判断にも影響を与えそう だ。

 ≪時代の変わり目≫

 「今後はこの激動の時代を生き抜き、レースで培われたチャレンジング・スピリットをもって…」。F1撤退を発表した冒頭、福井社長は目を潤ませ、声を震 わせた。創業者・本田宗一郎氏の強い意向で初参戦してから40年以上。1980年代に黄金時代を築き、世界中でホンダのブランド力向上に貢献した原動力だ けに、苦渋の決断だったことは想像に難くない。

 今回、ホンダを決断させたのは「世界経済の加速度的な減速」(福井社長)だ。ホンダをはじめとする各メーカーが“ドル箱”にしていた米国市場は金融危機 以降、壊滅的なダメージを受け、今期の市場規模は前期より300万台近くも減って1300万台前半まで落ち込む見通しで、2009年度はさらに落ち込むと みられる。ホンダは二輪車や汎用エンジンも減速し、今期の営業利益は前期比42%減の5500億円まで減るほか、すでに国内外の工場で減産や人員削減に踏 み切っていた。

 F1レースを取り巻く環境は年々厳しさを増す。マシンの高機能化で開発費は増加の一途をたどり、「周回タイムを1秒短縮するのに100億円かかる」(関 係者)という表現も大げさではなくなった。ホンダも開発費やチーム維持費などの関連費用が「数年前まで年100億円あればOKだった」(福井社長)のはも はや過去の話だ。

 さらに、メーカーを苦しめたのが05年に欧州連合(EU)がたばこに関する広告の規制を強化したことだ。一時は「キャメル」「JPS」「マイルドセブン」など大半のマシンに掲示されていた広告は減少。今シーズンは全マシンからたばこ広告が姿を消した。

 大スポンサーを失ったF1チームの多くは、蘭保険大手のINGやスイス大手銀行のクレディ・スイスといった金融機関、米通信大手のAT&Tや携帯電話の 英ボーダフォンといった通信系など、当時上り調子だった企業に救いを求めた。だが、金融危機は容赦なくこうした企業を襲った。INGやクレディ・スイスは 巨額の赤字を計上し、今後も視界不良だ。INGはひとまずスポンサーの継続を表明しているが、景気悪化に歯止めがかかることが必須条件だ。

 ≪迫られる経営判断≫

 また、F1に参戦する自動車メーカーも難しい経営判断を迫られている。毎年のように撤退観測が浮上するのが02年の参戦以来、思わしい結果を出せないト ヨタ自動車。だが、ホンダのF1撤退を受けてトヨタはこの日、「初優勝に向かって活動しており現時点では撤退する予定はない」と表明した。

 F1は「走る実験室」と呼ばれ、市販車開発にかかわる技術の蓄積・還元に役立つとされてきた。だが、最高時速が300キロを超え、今や“走るコンピュー ター”と化したF1マシンは市販車とあまりにかけ離れている。販売促進策としてもコストが大きすぎる。今後、株主らからモータースポーツの意義を改めて問 われるのは間違いない。

 ■厳しさ増す「そろばん勘定」

 ホンダのF1撤退は、企業に競技スポーツからの撤退を促す可能性がある。金融危機に端を発する景気後退で、業績悪化に見舞われた企業が聖域なきリストラ に踏み込むことが想定されるためだ。1990年代のバブル崩壊後から2000年にかけて200超の企業が競技スポーツから撤退したと見られており、その再 来を予想する向きもある。

 「経営が厳しくなれば、広告宣伝や企業スポーツが真っ先に切られる」。大手電機メーカー幹部はこう指摘する。

 経営再建中の三洋電機は06年に、1988年から19年間続けてきたプロ野球オールスターゲームのスポンサーを降りた。三洋は07年3月期連結決算まで 3年連続の最終赤字に陥り、経費削減が最重要課題だった。「イメージ向上という当初の目的は達成した。厳しい経営環境を勘案した」と三洋関係者は話す。

 ダイエーは05年にプロ野球球団を手放した。「(ピーク時で2兆5000億円に上った)有利子負債の圧縮に向けた抜本的なリストラの中の判断だ」(ダイエー広報)という。

 一方、Vリーグにバレーボールチームを持つパイオニアは「経営は厳しいが、チームをサポートしていく基本方針に変更はない」(広報グループ)と強調。ト ヨタ自動車とともにF1チームのスポンサーになっているパナソニックも「スポンサー契約を中止する予定はない」(広報グループ)としている。

 とはいえ、現在の景気悪化は全産業に波及しており、経費負担が重い競技スポーツはビジネスに直接関連しないことから活動の継続が厳しくなっている。ま た、最近は宣伝広告効果や社員の士気向上に必ずしもつながらないとの指摘があり、撤退に拍車をかける可能性もある。(田端素央、小熊敦郎)


<ホンダ>F1撤退 福井社長「9月までの状況なら撤退なかった」 二輪レースは「続ける」

12月6日4時59分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081206-00000000-maiall-moto

 5日、F1撤退を発表したホンダの記者会見。350人の記者、100台近くのカメラが見守る中、福井威夫社長は、撤退を決めたのは4日としたうえで 「F1は企業にとってインパクトが大きい。毎年(存続の)緊張感があった。9月までの販売状況なら撤退はなかった。11月中旬のバルセロナ(スペイン)で のテストも手応えがあった。しかし11月に入り、自動車産業は加速度的に減速した。これが1年続いたらと思うと将来に明るい見通しが立たなかった。撤退は ビジネス上のこと」と悔しさをにじませた。

 英国を拠点にしたチームは、すでに来シーズンに向けて車体などの開発やテストを続けているが、代表のロス・ブラウンさんを通じ、チームには「撤退」を宣 告した。08年度にドライバーを務めたジェンソン・バトン選手(英国)とは、すでに来季の契約を済ませていたが、関係者を通じて撤回を伝えた。

 英国にいるドライバーやスタッフに対しては「バトンらには申し訳ないと思っている。英国のスタッフについてはチーム売却も含めて協議していく」という。 「栃木研究所」(栃木県芳賀町)にいる国内のスタッフには、F1で培ったノウハウを「新車開発に生かしてほしい。(F1を)を辞めた力で、どのくらい大き なものを生み出せるかが今後の評価につながる」と期待を寄せたが、3期目となった00年からのチャレンジが低迷したことについては「タイトル争いをする チームは限られている。勝てるよう最善を尽くしたが(我々は)タイトル争いをしていないので、どうすれば勝てるのか分からなかった」との本音も。

 また、「何らかの形でモータースポーツへのチャレンジを続けることが必要」と話し、二輪の世界レース「モトGP」のワークス参戦と、アメリカホンダが核 となって展開する「インディカー・シリーズ」へのエンジン供給、国内外で行っている若手ドライバーやライダーの育成プログラムは継続することを発表。国内 レースについては検討していくという。

 将来のF1復帰について、福井社長は「白紙だが、今でもやりたいというは気持ち強い」と言うにとどまった。【西村綾乃】

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年12月 5日 (金)

原油価格下落の長期的負担

 原油価格の下落も止まりません。ニューヨークのWTIが43ドル、ドバイ原油は40ドル割れだそうです。元々投機で上昇していた部分があり、その反動によって下落が加速しているのかもしれません。50ドルくらいで下げ止まるかとも思われましたが、暫くは下値を模索するのかもしれない。今日は1リットル113円の表示をしているガソリンスタンドがありました。
 2003-2004年に原油価格が上昇し始めたときは、価格の上昇が一時的なものではないかと思われ、油田の新規開発にも慎重な意見があったようです。しかしその後の上昇が継続したことで、産油量増大に対する投資が増えたという話を聞いたことがあります。今需要が減ったからといって、既に投資・開発した施設を閉鎖するというわけにはいかないでしょう。また産油国は高い原油価格を基に今年度の国家予算を計算しており、この急落によって歳入不足が著しくなっているという話も聞きます。表面上は減産に合意したからといって、実際に歳入を減らしかねない減産を簡単にするわけにはいかない事情もあるでしょう。かつては10ドル台でもそれなりに利益が出ていた原油ですが、産油量増大のために莫大な投資をした結果、損益分岐点も上昇しているという意見もあります。これだけ投資しておいて、今更後には引けない可能性があるでしょう。
 原油価格の下落は、この不況の経済には朗報です。ガソリン等の燃料価格だけでなく、食料をはじめとする物価の上昇分をある程度取り戻してくれ、経済には好影響です。今年夏の170-180円台のガソリン価格を経験した後では、現在の110-120円台のガソリン価格は随分と割安に思え、この価格ならば許容できるかと思えます。10年近く前に70-80円台だったころの価格にはもう戻りそうにない。
 しかし個人的には、安すぎる原油価格は長期的に見て良くないのではないか考えます。原油価格の上昇に伴い、大腿エネルギー、節約や省エネに対する投資が随分と増えました。中にはバイオエタノール生産のために食料価格が上昇するなど行き過ぎたものもあったように思えますが、それでもこういうことを意識して効率化を追求することはいい傾向です。特にエネルギー効率の低い国々が、エネルギーの効率化を意識したのはいいことです。安いエネルギーを非効率に使い続ければ、環境を汚染したときの将来の負担が増えます。また原油に大きく依存する以上、将来も常に原油価格の変動に経済と政治が振り回される。このことを考えれば、原油価格50ドルくらいの負担は仕方ないし、するべきではないのかと思っています。
 

原油価格、現状水準なら相当量の減産を OPEC議長

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081205AT2M0500H05122008.html 

【カイロ=安部健太郎】石油輸出国機構(OPEC)議長のアルジェリアのヘリル・エネルギー鉱業相は4日、同国国営テレビを通じ、原油価格が現状水準であれば、17日に同国で開くOPEC総会で相当量の減産を決めるべきだとする考えを述べた。ロイター通信が伝えた。

 指標となるニューヨーク市場の原油先物相場は4日、1バレル43ドル台と3年11カ月ぶりの水準まで下落している。ヘリル議長は「例えば (原油)価格が60ドルに達するようなことになれば、減産に関する決定は厳しいものにはならないだろう」と述べ、価格動向を見極めたうえで減産量を決める 方針を示唆した。

 OPECは10月に開いた臨時総会で日量150万バレルの減産を決めたが、先月29日に開いた緊急会合では追加減産を見送っている。


| | コメント (1) | トラックバック (1)

2008年11月20日 (木)

ビッグ3への政府融資

 GMとクライスラーの合併の交渉は不調に終わりました。GMはその前にフォードとの合併を模索していたようです。赤字企業が合併しても意味がないでしょうから、私はこれはいいことだと思います。クライスラーと交渉するという噂のあった日産ですが、カルロス・ゴーンはこれを否定しました。わざわざ債務や今後発生する赤字を抱え込む必要はないでしょうから、これも合理的判断だと思います。

 本日11月20日付けの日経新聞によると、7-9月期だけでビッグ3は180億ドル($1=100円として約1兆8000億円)の現金を失ったそうです。また日経ビジネス(たしか11月13日号)によると、GMはすでに約700億ドル(同約7兆円)の債務超過だそうです。本来ならばとっくに倒産しているべき会社ということになります。これだけ債務があるのに、猶も赤字を垂れ流し続ける会社。赤字額も企業自体も規模があまりに大きすぎるため、他の企業による救済というのは無理です。


 問題なのは、ビッグ3はまだ赤字を垂れ流し続けていること。しかも巨額な赤字です。このままではいくら融資を続けたとしても、砂漠に注ぐ水のように融資資金を際限なく吸い込み続けます。倒産したら大きな経済の悪化になりますが、倒産しなくても政府は融資をし続けなければならない。ビッグ3の現状の財政状況を悪化させないためだけでも、例えば三ヶ月に一度赤字分の1兆8000億円の融資をするということ。それは政府の財政を悪化させ、ひいては経済を悪化させる要因となります。どちらにしても経済を悪化させることになる。そうなるとビッグ3の経営状況を改善して赤字を出さないようにしないことには、アメリカ政府自体を破綻させることになる。

 ビッグ3は70年代から80年代、無駄に大きく燃費の悪い車を作り続けた。また品質・性能において日本車をはじめとする輸入車に太刀打ちすることが出来ず、市場シェアを失いました。その後はドル安による輸入車の競争力減や政府の支持を得ながら、SUVやピックアップなどの大型車の売上を伸ばして収益源とすることにより、経営危機から立ち直ることが出来ました。また一般の自動車も小型化や品質の向上をしましたが、それでも市場調査によると日本車ほどの燃費や品質をもっているわけではないようです。やはりビッグ3の収益は日本車などがあまり進出していない大型車でした。

 しかし2003-04年からの原油高がこのビッグ3の収益源を直撃します。原油高ゆえに燃費の悪い大型車の売上は急減し、消費者は小型車を買うようになります。ビッグ3が本来不得意である燃費・環境性能の良い小型車や次世代技術を早急に開発する必要に迫られました。赤字が続くビッグ3は、市場変化に合わせたこのような新型車を出すことによって商品構成を変更し、収益を確保するはずでした。

 けれども2008年の金融危機が、この戦略を大きく狂わせることになります。経済的に困窮した人々は、車の大きさに関係なく車自体を買わなくなります。そして車を買いたくても、金融危機に伴う審査の厳格化によってローンの審査が通らなくなり、車が買えなくなる人が続出。当初は多くの専門家が1500万台以上と予測していた今年の北米での自動車販売台数が、現実には20%以上縮小する模様です。来年はさらに縮小する模様。北米市場に大きく依存し過剰の生産設備を抱えて固定費の高いビッグ3は、ただの赤字製造会社となりました。

 ビッグ3が赤字を出さないようにするには、市場に求められている環境性能対応型の新型車の早期導入以外に、この高い固定費をなんとかする必要がある。過剰設備に加えて、労働組合との取り決めによる、労働者の高い医療費や年金基金の問題。このような問題の抜本的な解決なくして、赤字体質の改善は出来ない。

 また、政府からの資金の供給に関して、政治家、財界や国民から反対意見もある。融資は赤字企業を立ち直らせて経済を救うということを見せる以外にも、彼らを納得させるためにも、経営陣の退陣や給与・退職金の削減や返還といったことが必要かもしれない。

 でも、本当にそんな根本的な解決が出来るのだろうか。経営陣が自ら退職金なしに退陣したり、多くの従業員のクビを切り工場を閉鎖し、医療費といった労働条件を解決できるのか。ビッグ3の根本的な解決をするには、一度倒産したほうが一気に問題を解決できるかもしれない。だがそれは経済を相当悪化させる。一番の選択肢は、有無を言わさぬ大規模なリストラをして経営状況を改善しつつ、政府からの融資を受け新型車の開発をして体質改善を図ること。それが出来ないのならば、政府としては倒産もやむなし、といった強い態度を示す必要があるのではないかと思う。融資で一時国有化して大胆リストラもありかな。直接の国有化が駄目ならば、日本がやった産業再生支援機構のアメリカ版みたいなのを作って、そこを経由してやってもいいと思う。

ビッグ3:米政府に低利融資を要請…財務長官、反対を表明

http://mainichi.jp/select/biz/news/20081119k0000e020032000c.html?inb=yt

【ワシントン斉藤信宏】金融危機の影響で資金繰りが悪化し、経営難に陥っている米自動車大手3社(ビッグ3)の首脳は18日、米上院銀行委員会で それぞれの窮状を証言、米政府に低利融資を要請した。最大手ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)は「我々の破綻(はた ん)は米国経済に壊滅的な打撃を与える」と強調した。

 ワゴナー氏らによると、GMは100億~120億ドル、フォードは70億~80億ドル、クライスラーは70億ドルの支援を要請する。

 また、クライスラーのナルデリ会長兼CEOは「(同社が破綻すれば、融資している)複数の金融機関や銀行が危機に陥る」と述べ、金融システムの危 機につながりかねないと指摘。フォード・モーターのムラリー社長も「1社でも破綻すれば、部品会社や販売会社に波及し、1年以内に約300万人の雇用が失 われる」と語った。ただ、資金支援の条件として「年俸1ドル」を受け入れるかとの問いに対し、「喜んでお受けする」と答えたのはナルデリ氏のみで、他の2 人は明言を避けた。

 ビッグ3の救済については、米民主党が、金融安定化法で金融機関支援に使うことが決まっている公的資金7000億ドル(約70兆円)の中から、最 大250億ドルを低利融資することを柱とする法案を議会に提出している。ただ、米政府と共和党は「金融機関向けの公的資金を自動車産業の救済に使うのは適 当ではない」(ポールソン財務長官)と反対しており、法案成立が危ぶまれている。米紙ニューヨーク・タイムズなど複数の大手紙も「ビッグ3は世論の強い逆 風にさらされる」などとビッグ3救済に批判的で、同日のGMの株価は一時、14%安の2.73ドルまで下落。1943年以来、約65年ぶりの安値をつけ た。

 上院では早ければ20日にも法案が採決される予定だが、上下両院で可決できるかは微妙な情勢だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月16日 (日)

外資系金融の氷河期

 このまえ外資系投資銀行の社員と話す機会がありました。本社から削減人数とかの指示がくると、もういきなり解雇だそうです。例えば入社して間もなくて、まだあまり戦力にならない人。あるいは給与が高いある程度の地位にいる人。本人が有能かどうかなんて問題ではないそうです。とにかく人数削減の指示に従って、いきなり解雇だそうです。部門ごとなくなったとかって話も時々聞きますが、本人の能力不足とか関係なく解雇はさぞかし辛いでしょう。高給取りだし最初から覚悟して入社しているとはいえ、やはりこれは厳しいですね。


新卒採用どころではない 外資系金融機関は就職氷河期 

11月16日18時25分配信 J-CASTニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081116-00000001-jct-soci

 米国発金融危機のあおりを受けて、金融業界の新卒採用にも陰りが見えてきた。とりわけ、大学生のあこがれの的だった外資系金融機関の新卒採用は、米英系を中心に大幅に削減される予定だ。内定取り消しも相次ぎ、「入社2年目で解雇するケースもある」という惨状だという。

■辞めてはみたものの、再就職できずに困っている

 入社2、3年で年収1000万円ともいわれ、大学生の就職先として大人気だった外資系金融機関の人材流出が激しい。米シティグループやAIG、スイスの 銀行最大手UBSなど、リーマン・ショック以降、欧米の金融機関は生き残りのため、相次いで国の公的資金を受け入れている。それに伴って、はじまったのが 大規模な人員削減だ。

 本国はもちろん、日本法人や支店も例外ではない。10月に250億ドル(2兆5000億円)の公的資金を注入したシティグループの一員で証券大手の日興シティグループは、「リストラでかなりの人員が辞めている」(ある証券マン)といわれている。

 また、9月に経営破たんしたリーマン・ブラザーズの日本法人の事業を引き継いだ野村ホールディングスは約1100人を受け入れたが、英国系のバークレイズに約100人が「移籍」、その他にも100人弱が野村を離れた。

 国際金融アナリストの枝川二郎氏は、「いま、移れる人はいいほう。多くが辞めてはみたものの、再就職できずに困っている」と話す。

 人員削減では一つの部門を丸ごと廃止してしまうケースがある。「日本のように、きのうまでM&Aをやっていて、明日から為替ディーラーをやれなんていうことはほとんどない」(枝川氏)ので、人事異動もあり得ない。だから、簡単に数十人、数百人を解雇できる。

 そんな状況だから、新卒採用はかなり厳しい。枝川氏は、「具体的な人数はわからないが、中途、新卒を問わず外資系金融機関が採用を減らすことは間違いない」という。

 たとえば、いま人員削減の矢面に立っている部署はM&Aなどを手がける「投資銀行部門」だが、そこは金融危機が起こる直前までは「花形」といわれた、人員を増強してきた部署。そんな部署を丸ごとリストラしているのだから、増員の余地などあるはずがない。

■2010年の新卒採用は日本のメガバンクも「氷河期」?

 一方、そんな投資銀行や海外部門を、遅まきながら強化しようとしているのがメガバンクや大手証券で、ここでの人員増を計画していた。

 ところが、その人材を新たに雇う必要もなくなった。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)では投資銀行業務などのスペシャリストの中途採用で すら、「モルガン・スタンレーとの戦略提携の効果が見込めるので、(中途採用の)インセンティブが働かない」と、積極採用にはほど遠い。

 09年春にメガバンクに入社を予定している新卒者は、みずほフィナンシャルグループが2350人(みずほ証券などを含む全体)、MUFGが約1500人、三井住友銀行は2400人を採用。野村証券も約680人、日興コーディアル証券は290人の入社を予定している。

 各社は10月から、2010年度の就活学生に向けてセミナーなどの開催や採用スケジュールを公開しエントリーをはじめたが、採用人数については「決まっていない」と口をそろえる。

 あるメガバンクの関係者は、「新卒採用は他業種に比べても、日本の金融機関はまだいいほうだが…」と言葉を濁すが、世界的な金融危機で収益が激減するなかで、採用人数が減ることは容易に想像できる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月28日 (火)

GM・クライスラー合併 何故この赤字企業同士が?

 自動車関連ネタをもう一つ。アメリカでGMとクライスラーの合併交渉が大詰めを迎えているそうです。

 ガソリン高に始まり金融危機に伴う消費不振で倒産の危機に瀕しているアメリカの自動車会社ですが、生き残りをかけての交渉がされています。しか しGMは毎期巨額の赤字を垂れ流しています。クライスラーは2007年に投資ファンドのサーベラスに買収されているので、もう上場もしていませんし決算の発表はありません。しかし同じくまだ20%のクライスラーの株式を所有しているダイムラーの決算発表によると、やはりクライスラー部門は巨額の赤字を出しているようです。このままだと、今後数年どころか数ヶ月で倒産しかねないほどの危機です。実際、クライスラーの株式を所有するダイムラーは、クライスラーの株価の評価額を既にゼロにしたそうです。
 そもそもそのような赤字会社二つが合併して、黒字になるなどということがあるのでしょうか。一応理由としては、合併による部品共同購買やら施設の効率化やらで経営を改善できるということでしょう。GMでは100億ドル超の相乗効果を出せると考えているそうです。

 しかし私にはこの合併交渉に疑問に感じています。同じ北米市場を主要市場とし、燃費の悪い大型車を利益の源泉としてきた両社です。今は燃費の良 い小型車が注目され、北米の市場がこれだけ冷え込んでいる状態です。根本的に商品構成の悪いこの両社が合併しても、資産を食いつぶして倒産しないほど短期 間で黒字体質になるとは思えません。
 クライスラーには日産・ルノーグループが興味を持っているといわれています。約20%の株式を取得し、提携をしていく計画だといいます。主要市場も商品構成も違い、財務内容も安定している日産・ルノーのほうがよほどいいように見えます。それでもクライスラーがGMと交渉する理由は何か。

 私はクライスラーの80%の株式を持っているサーベラスの事情なのではないかと思っています。サーベラスは経営不振のクライスラーを買収し、再生して株価を上げた後で売却するつもりだったでしょう。しかしこの経済危機によって事情が大きく変わってしまいました。先述したとおり、ダイムラーは保有するクライスラー株の価値をゼロに評価しているそうです。サーベラスもこのクライスラーへ74億ドルの巨額の投資を失敗であったと認識し、普通に再生して回収することが出来ないと考えているのではないか。このまま放っておけば、倒産して完全に価値がゼロになると思って焦っているのではないか。
 GMとクライスラーがどのような条件で交渉しているのか、私にはもちろんまったくわかりません。しかし合併してしまえば、そのまま倒産させるにはあまりに巨大すぎる会社が誕生します。この巨大企業が倒産すれば、経済の悪化にさらに拍車をかけるでしょう。実際、会社は政府に倒産回避の融資を求め ていると言われていますし、政府も無視することは出来ないと思います。
 その意味で、日産・ルノーグループによる20%程度の出資では、サーベラスにとって会社の存続に不安があるのではないでしょうか。つまりよりクライスラーを再生してくれる可能性の高い選択よりも、とりあえず目前の最悪の危険を回避する選択をとったのではないかということです。


GM/クライスラー合併案、米政府に100億ドルの支援要請=関係筋

10月28日13時34分配信 ロイター

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000689-reu-bus_all

  [ニューヨーク/デトロイト 27日 ロイター] 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>とクライスラーの筆頭株主サーベラ ス・キャピタル・マネジメント[CBS.UL]は米政府に対し、GMとクライスラーの合併実現に向け100億ドル近い支援策を要請している。複数の関係筋 が27日、明らかにした。
 そのうちの1人によると、米政府は合併会社の優先株約30億ドル相当を取得する。
 別の関係筋は同日、財務省が両社の合併に向け直接資本注入などを含む金融支援を検討しており、早ければ週内に決定する見込みだと述べていた。
 最初の関係者は、米政府はこのほかに約30億ドルの年金債務を引き継ぐことで合併を支援するよう求められている、と述べた。
 関係者はさらに、両社は信用枠の供与を要請しているとし、短期流動性の圧力を和らげるための米政府によるGM発行コマーシャル・ペーパー(CP)の購入がこれに含まれる可能性がある、と述べた。

クライスラー、4―6月期最終赤字550億円

http://markets.nikkei.co.jp/kaigai/gyoseki.aspx?site=MARKET&genre=d1&id=AS2M2400X%2024102008

 【ニューヨーク=武類雅典】米自動車大手クライスラーの2008年4―6月期の最終赤字が約4億4000万ユーロ(約550億円)だったことが 23日、明らかになった。米投資ファンドが筆頭株主の同社は業績を公開していないが、大株主の独ダイムラーが7―9月期決算で最終損益への影響額を公表し たため、米国会計基準に基づき説明した。

 ダイムラーの決算に反映したクライスラーの最終赤字は8800万ユーロで、このうち7600万ユーロが自動車事業の損失。ダイムラーは現在、 19.9%のクライスラー株を保有しているため金融事業を含むクライスラーの4―6月期の最終赤字は約5倍の4億 4000万ユーロ程度だったことになる。

 ダイムラーはクライスラー筆頭株主の米サーベラス・キャピタル・マネジメントにクライスラー株を売却する方向で交渉中。保有するクライスラー株の評価額を9月末時点でゼロに引き下げた。

  (10/24 12:34)

日産・ルノー、クライスラー株の取得打診 米紙報道   

http://car.nikkei.co.jp/news/business/index2.cfm?i=2008102211737c0

【ニューヨーク=武類雅典】米紙デトロイト・ニューズ(電子版)は22日、日産自動車―仏ルノー連合が米クライスラーに出資を打診したと報じた。 日産がクライスラー株の約20%を取得する提案をしたとしている。ただ、クライスラーは米ゼネラル・モーターズ(GM)と合併交渉を進めており、日産・ルノー連合とクライスラーの組み合わせが実現するかは不透明だ。

 同紙によると、クライスラー筆頭株主の米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントから接触を受け、カルロス・ゴーン日産社長が最 近、提案書を送った。ルノーに比べ資金面で余裕がある日産がクライスラー株を取得する方向という。ただ、サーベラス側はGMとの合併が「最良の策」と見て いるとも伝えた。

[10月23日/日本経済新聞 朝刊]

サーベラス、クライスラーを74億ドルで買収
2007年05月15日 07:30更新

http://jp.ibtimes.com/article/biznews/070515/7412.html

 独ダイムラークライスラーは14日、北米クライスラー部門を米民間投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントに74億ドルで売却する事で合意に達したと発表した。

今後持ち株会社となるクライスラー・ホールディングスを設立し、ダイムラー・クライスラーがクライスラー・ホールディング株式の19.1% を出資し、サーベラスが残りの80.1%を出資する。

 今回の74億ドルでのサーベラスによる買収では、サーベラスがクライスラーに50億ドル投資し、10億5千万ドルをクライスラー金融サービス会 社に投資する。また残りの13億5千万ドルをダイムラークライスラーに支払う形となっている。また独ダイムラークライスラーは今秋にも臨時株主総会を開催 して社名を「ダイムラー」に変更する予定。

 サーベラスは着実に自動車産業での投資に力を入れてきた。昨年にはGMの金融事業であるゼネラル・モーターズ・アクセプタンス(GMAC)の主要株式を購入する投資家組合を先導した。またGM自動車部品製造社のデルフィへの投資も計画していた。

 サーベラス会長のスノウ氏はドイツでの記者会見で「我々はクライスラーの歴史を考慮したとき、民間投資団体の参入する余地があると考えた。民間 投資会社が投資することで、クライスラーがより成長拡大を図ることができるようになり、より高性能の自動車を生産するための日々のビジネスに集中して取り 組む事ができる会社になるだろう」と述べた。

 米アナリストによると、クライスラー消費者にとってもクライスラーが売却されたことで、同社自動車生産により投資することができるようになった ため、より高性能の自動車を購入する事が期待できるなど、恩恵が期待できると考えられるという。また、サーベラスが自動車部門に参与することで、同投資 ファンドがこれら自動車会社らの取引の仲介役となることができ、フォードやGMなど他の米自動車会社にとっても有益となるという。

 サーベラスのような民間投資会社は年金基金やヘッジファンド、富裕層から資金を集めて上場会社を買収して、しばしば非公開企業にしている。また買収後再編を行ない、後に利益が出るようになってから売却を行なっている。

 ダイムラークライスラー株価は14日、2.12ドル(2.6%)の上昇を示し、84.12ドルとなった。
 合併会社の売上高は米自動車市場全体の約3分の1を占めるが、ほぼすべての事業で生じる過剰設備から発生するコストの削減を求める圧力に即座にさらされ る見通しだ。アナリストらによると11のブランド、約1万人のディーラー、およそ9万7000人の労組加盟の工場労働者がこの範ちゅうに入る。
 ただ、合併協議に詳しい関係者によると、合併手続きの完了に必要な政府支援の獲得に向けた広範な政治的支持を取り付けるため、従業員を出来る限り温存することが合併条件のひとつになる、と述べた。
 GMのコメントは現時点で得られていない。サーベラスとクライスラーはノーコメント、とした。
                           

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月25日 (土)

OPECの減産による原油価格維持

 景気減速に伴って当然のごとく原油価格も下落を続けています。産油国を巻き込んだ戦争などが特に起きたわけでもないのに、あまりに急激な上昇をした反動という部分もあると思います。
 しかしそのような急激な上昇を基にした産油国の財政の予算設定を、今回の暴落が混乱させているようです。100ドルを超える原油価格を基に収入を予想し、また支出の予算を設定していれば、今回の下落で財政赤字になるのは必然です。産油国は急に収入源を半分に切られてしまったようなものですから、国内経済に与える影響は甚大でしょう。また産油国は近年の原油価格と需要の増大に対応するために、石油採掘等にかなりの投資を行っており、それによって石油採掘のコストも上昇しているという報告もあるようです。そうなれば単なる売上減となるだけでなく、利益率も下がるとみていいでしょう。産油国の財政は上と下の両方から圧迫されているのです。
 しかしそれは産油国が需要と価格の予測と判断を誤ったということであり、残念ながらこれらの国家は自己責任で混乱を回避しなければなりません。歴史的にOPECの減産合意とそれによる価格維持は、あまり機能してこなかったのが現実です。何故ならば、多数の国家が減産して価格を維持しようとしても、その間に抜け駆けをして増産をして一人利益を得ようというものが出てきたからです。

例えばもしこのままですとOPECの総収入は

2,880万バレル(一日の総生産量)×60ドル(一バレルの価格)=172,800万ドル

です。しかし仮にOPEC加盟国全てが総量で200万バレルの減産をして価格が100ドルに維持できたとします。すると収入は

(2,880-200)=2,660万バレル  ×100ドル=266,000万ドル

となり、93,200万ドルの大幅な収入上昇です。
しかし残念ながらここで誘惑が生まれます。ある国家が20万ドルの減産をせずに抜け駆けをして一人で利益を稼ごうとします。結果的に減産の総計は180万ドルと予定の9割にとどまり、価格の上昇分も仮に

(100-60)×9/10=36

と9割になるとします。そうすると原油価格は60+36=96ドルとなります。その際のOPECの総収入は

(2880-180)=2700  ×96=259,200万ドル

となり、200万ドルを全てのOPEC国家が減産したときと比較して6,800万ドルの減収です。しかし抜け駆けして減産をせず、20万バレルを売った一国は、

20×96=1,920万ドル

の臨時収入を得られます。実際は(100ドル-96ドル)×既存の生産量分の減収がありますが、それでも他国を抜け駆けすることによる利益は莫大なものになる。そして減産を忠実に守った国家は収入を抜け駆けする国家に与えることなり、馬鹿を見ます。OPEC加盟国はこの誘惑から逃れることが出来ず、減産合意の中で次々に抜け駆けをしてこっそりと増産をするのです。(上記の計算に使った数字は仮定のものであり、現実とは異なります。)
 そんなわけでOPEC加盟国による同時減産というのは、市場に対する警告を発することは出来ても実際の効果は薄いのです。だからこそ2003年から始まる需要増と投機による価格上昇まで、原油価格は10-20ドル代という低価格のまま長期間に渡り放置されてきたのです。
 ですから今回のOPECの減産合意によって一時的に価格を上昇させることが出来たとしても、需要減と投機資金の流出による価格下落傾向を止めることは出来ないと思っています。BRICSのような新興国の需要増があるのは確かなので、かつてのような10ドル代という水準まで下落するとは考えにくいですが、まだ暫くは下落するものと考えられます。


OPEC、日量150万バレルの減産決定

10月24日21時32分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081024-00000053-yom-bus_all

 【ウィーン=是枝智】石油輸出国機構(OPEC)は24日の緊急総会で、原油の生産目標を現行の日量2880万バレル(イラクを除く11か国)から、150万バレル引き下げることを決めた。

 11月1日から実施する。原油価格の急落を受け、大幅な減産に踏み切った。価格下落が止まらなければ、12月にアルジェリアで開く臨時総会を待たずに、追加減産を決めることも示唆した。

 減産規模は、最大産油国のサウジアラビアが最も多く日量46万6000バレル、2位のイランが19万9000バレルなど。OPECが生産目標を引き下げ るのは、2006年11月から日量120万バレルを減産し、07年2月から50万バレルの追加減産を実施して以来となる。総会後に発表された声明では、 「金融危機は世界経済に大きな影響を与えており、原油需要を落ち込ませている。供給過剰が続けば、市場の状況を悪化させる恐れがある」と減産の理由を説明 した。

 OPECが強硬策にかじを切ったのは、価格維持への強い意志を示すためだ。

 加盟国は原油収入の増加を前提に財政支出を拡大し、国内の開発などを進めてきた。ベネズエラやイランなど多くの加盟国は1バレル=70~90ドル程度でないと財政支出を賄えないといわれる。

 今年1~10月半ばまでの原油の平均価格は1バレル=111ドル程度で、足元の価格下落が直ちに財政悪化に直結するわけではない。しかし、このまま見過ごせば、OPECの存在意義も低下しかねないというイランなどの強硬意見が大幅減産の決定を後押しした。

 ヘリル議長(アルジェリアのエネルギー鉱業相)は記者会見で、今回減産しても「日量30万バレルの余裕(供給過剰)がある」と述べ、安定供給は続けてい ると強調した。ただ、原油価格はなお高水準にあり、今回の減産で急騰し、減速感を強める世界経済に悪影響を及ぼす恐れも懸念される。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月20日 (月)

中国も不動産バブル危機

オリンピック前の2007年後半からもう中国のマンション市場は天井をうって下落に転じたとも言われています。今は投げ売りが始まっているというニュースを時々聞くようになりました。
 私は2007年前半に学生として中国に滞在し、そこで中国の不動産デベロッパーを訪問しました。面会した社長は不動産業界に対してまだまだ強気でした。私はそのときのレポートで、不動産業は高騰しすぎた後の価格の暴落に気をつけねばならないと書いて、「何故そうなのか」と中国人の教授からは実はあまりいい評価をもらえませんでした。限られた枚数の中で何故価格の暴落に気をつけなければならないのか、確かに私は説明を書いていませんでした。
 しかしそれは書かなくてもバブル崩壊を経験した日本人ならば常識だし、そうでなくても、高騰の後の暴落は歴史上よくあることです。また私はニュースでも、買い取られた後に人が住んでいない、純粋な投資で買われたマンションが上海などにたくさんあるという話も聞いていました。実需が追いついていないのです。でも知識人も含めた多くの中国人としては、力強い成長がまだまだ続くと思って疑ってなかったのでしょう。サブプライム問題とは関係なく、それ以前から中国の不動産市況はよくないようです。倒産や損を抱えた会社は今後もたくさん出てくるでしょう。


怒りのマンションオーナーたち~安売りを始めた業者に抗議活動

要求は「値引き」「契約解除」、果ては住宅ローンの支払い停止

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20081016/174095/

2008年9月4日午後1時頃、浙江省の省都・杭州市の中心部にある“万科杭州”(正式名称“浙江万科南都房地産有限公司”)の販売展示センターに 100人以上のマンションオーナーたちが押し掛けた。彼らは「2カ月で20万元(約300万円)の値下がり、万科は血を流さずに人を殺す」「万科は建物で 我々を苦しめる」「万科のマンションを買って一家は地獄の生活」といったスローガンを書いた横断幕を掲げ、口々にマンション売買契約の解除を要求した。彼 らは前日の3日も万科杭州のマンション開発事業である「魅力の町」に数百人規模で集まって、マンション住民たちに万科杭州の不当性と契約解除を訴えていた のだった。

 9月3日、万科杭州は売れ残り物件の販売促進と「青年不動産オーナー計画」の推進という名目で、杭州市内にある同社の4大開発物件でマンション 226戸を最大値引き25%で優遇販売すると発表し、「魅力の町」では用意した80戸を即日完売する勢いを見せた。翌4日にはさらに200戸を追加で優遇 販売し、前日ほどではなかったものの販売は好調であった。この優遇販売が既存のマンションオーナーたちの不満を爆発させたのであった。

 販売展示センターに押し掛けたマンションオーナーの1人は、8月3日に万科との間でマンションの売買契約を締結したが、購入したマンションと同条 件の物件が9月3日の優遇価格では20万元(約300万円)も安くなっていることに愕然としたという。たった1カ月で20万元が消えてしまったと同じこ と、20万元稼ぐのにどれだけの時間が必要か。この消えてしまった20万元にも銀行の利子が掛かるのである。既存のオーナーたちは万科杭州に対して今回の 値引き分の返却を求めるとともに、それがだめなら売買契約そのものを解除するよう要求したのである。

 万科の決算報告を見ると、2008年3月21日に発表された2007年の通期では、売上高は355億元(約5325億円)で前年比98%増、純利益は 48億元(約720億円)で前年比111%増であり、中国不動産市場の好調を反映していた。また、2008年8月4日に発表された2008年上半期の中間 決算報告でも、売上高173億元(約2595億円)、純利益21億元(約315億円)とそれぞれ前年同期比55.6%、23.6%の増大を示していた。し かしながら、中国国内の不動産業界は金融の引き締め、非合法な外貨流入の抑制、インフレの高騰など種々の要因により2007年末から徐々に不振に転じて、 不動産物件はあっても高値の故に買い手がつかずに販売不振となり、倒産を余儀なくされる不動産業者が続発する状況に陥っている。

 深セン市の新築マンション価格は2000年から2005年までは年10%程度の値上がりを示し、6年間で1平方メートル当たりの平均価格は5275元か ら7040元まで上昇した。2006年と2007年の価格上昇は急激で、その上昇率はそれぞれ31.11%と44.85%となり、年間の上昇幅は 2000~3000元で、過去6年間の上昇幅を上回った。ところが、2008年になるとマンション価格は下降に転じ、1月に1平方メートル当たり1万 5080元(約22万6200円)だったものが、5月には1万1014元(約16万5200円)となり約27%下落した。6月以降は上昇に転じ8月には1 万2803元(約19万2000円)まで回復したが、世界的な不況の余波を受けて中国経済も先行きが不透明で、今後の価格動向がどうなるかは予断を許さな い。

本文より一部抜粋

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月14日 (火)

少し古いけど、先月のイチロー襲撃計画報道について

 もう先月のちょっと古いニュースですが、気になっていたこと。特別野球ファンというわけでもないのだが、日本人の海外での活躍は嬉しいこと。中でもイチロー選手の実績は素晴らしい。そのために努力を積み重ねてきたこともわかる。でも何故このような「襲撃計画」が起きたのか。

200本安打達成後の9月19日付けのインタビューです。

http://www.sanspo.com/mlb/news/080919/mla0809190435010-n1.htm

 --記録へ向け、どう自身を保ってきたか

 「試合後クラブハウスから早く出ていくことかな。(低迷する)チーム状況では重要だった。マイナスの空気というのは、どうしても皮膚から入ってくる。これまでよりもっと、クラブハウスの中では僕の世界をつくり上げていたと思う」

 私は頑張っているけど、他は駄目なやつらばかりで知ったことかと言っているのと一緒です。少なくともチームに溶け込もうとか、駄目なりにチーム メンバーを引っ張っていこうという態度ではありません。個人がよければチームのことなど考えていないともとれます。負けた試合後に悔しがったり落ち込む代 わりにふざけあっている選手がいたとしても、彼らなりの気分転換の方法なのかもしれません。

続いて9月29日付けのイチロー選手のインタビュー記事です。

http://mlb.yahoo.co.jp/japanese/headlines/?id=1861840&a=17196

――ペドロイアと並んだままでシーズンを終える状況に関しては?

「1番になりたかったですね。僕は、ナンバ-ワンになりたい人ですから。オンリーワンの方がいいなんて言っている甘い奴が大嫌い、僕は。この世界に生きているものとしてはね。競争の世界ですから」

 優秀なトップを狙える選手ですから、言いたいことはわかります。でも努力しても一番になれない選手はいっぱいいるわけです。というか殆どの人は 一番にはなれません。それでもチームに自分なりに貢献出来れば、それは価値のあることです。ナンバーワンでなくっても、野球と言うチームプレーをするとき に必要とされるわけです。この発言はそんな他のメンバーを否定してしまっている。こんなこと言われたら、他のチームメンバーは面白いわけがない。
 上記のような言動がニュースに出るのであれば、普段からもっとそのような態度が出ているのではないかと思います。チームメイトの言うところの イチローの「自分勝手なプレースタイル」というのは間違っていない。私は技術的なことはよくわかりませんが、例えばイチローはフォアボールを選んだりして 出塁率を上げるよりも、安打を増やすことにこだわるといった批判もあります。優勝を狙うのならばもっとチームのための態度を取るべきです。

 またこの記事に対する日本のマスコミの反応は、イチローは頑張っているのに、イチローほどの成績の出せない選手が自分の成績を差し置いてイチ ローに対して何を言ってるんだというものになっています。もうイチローに対する批判はしてはいけないような雰囲気になっています。気に入らないから殴るな んてのはよくないけれど、本当にイチローは正しくてチームメンバーがひがんでいるだけなのか。マスコミはイチロー賞賛しかしないことにも疑問を感じます。


イチロー暴行計画…シアトル紙衝撃報道

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080927-00000009-sanspo-spo

9月27日8時1分配信 サンケイスポーツ

 【シアトル(米ワシントン州)25日(日本時間26日)】衝撃の“イチロー襲撃計画報道”だ!! マリナーズのイチロー外野手(34)はエンゼルス戦に 「1番・DH」で出場し、張本勲氏のプロ野球通算最多安打まで、あと6本に迫る2安打を放った。残り3試合、孤軍奮闘を続ける中、同日付のシアトル・タイ ムズ紙が、チームメートから総スカンを食らい“制裁案”が練られていたことを報道した。

 仰天の“内部告発記事”だ。地元のシアトル・タイムズ紙が5日連続で「マリナーズ再建」と題した特集を開始。25日付は第2弾として、イチローへの“暴行未遂事件”を掲載した。

 記事はクラブハウス内の情報提供者の証言を元に作成。チームメートの一部がイチローの記録中心などのプレースタイルを「自分勝手」と“断罪”し、実際に イチローに対して暴行を加えようという動きにまで発展した。ある選手の1人は「knock him out(ぶっ飛ばしてやる)」と息巻いたほど。前代未 聞の“襲撃計画”を知った当時の監督、ジョン・マクラーレン氏(57)がミーティングを招集して、不穏な空気を封印。“未遂”に終わらせたという。

 昨年も同様な騒動があり、「多くの選手がイチローのことを嫌っていることに驚いた」と関係者のコメントも載せている。

 執筆者は「イチローは誰よりも試合前の準備を真剣に行っている」とも書いており、8年連続200安打の偉業をたたえている。今回の記事はイチローへのアレルギーを伝えるのではなく、他の選手に厳しい目を向けるべき-という論調だった。

 地元のラジオ局などで、この記事が取り上げられるなど衝撃を与えたが、ファンもイチローに同情的。そんななか、何事もなかったかのようにマルチ(複数)安打を記録した。

 一回の左前打で「もう1個の目標だった」という今季中のメジャー通算1800安打に到達した。1277試合での達成は記録が残る1954年以降では最速 (これまでの記録はレッドソックス、ヤンキースなどで活躍したウエード・ボッグスの1352試合)。来季も200安打を達成すると、メジャー通算2000 安打の大台に乗ることになる。

 三塁内野安打で出塁した七回には一回に続いてホームを踏み、8年連続100得点まであと「1」。張本勲氏のプロ野球日本最多3085安打まで、残り3試合で「6」とした。

 「きのう遠のいたが、きょうでぎりぎりつないだ感じ。難しいことには変わりないが、終わってはいない。きょうゼロならば、ほぼ終わりだった」

 グラウンドだけではなく、その外でも九死に一生を得た(?)イチロー。敵は己とチームメートにあり。過酷な戦いだが、次の目標に向けて最後まで走り続ける。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月11日 (土)

ビッグ3の危機

 石油価格高騰による大型車の不振により経営危機のアメリカ自動車業界ですが、今度の金融危機でそれがいよいよ決定的になってきました。小型トラックや大型SUVを得意とするGM、フォード、クライスラーのビッグ3は、今回の石油価格暴騰でこれらの車の販売が激減して巨額の赤字を出し経営危機に陥っています。今までは政府やファンドからの低利融資や出資を受け、燃費のよい高効率の車を開発して製品ラインアップを変更、利益率を改善する予定でした。
 しかし今回の金融危機とそれに伴う消費不振が、ビッグ3にそのような時間を奪ってしまいました。夏以降の米国新車販売は前年比約三割という信じがたいほどの激減ぶり、特に大型車の不振が際立っています。利益の多くを大型車に依存しているビッグ3には厳しい状況です。

http://response.jp/issue/2008/1008/article114729_1.html

 本業では赤字で資金流出、また銀行融資や債権発行による資金調達にも通常よりも高い利子を払わねばならず、ビッグ3は今後の運営や投資に必要な資金確保に問題が生じているようです。

 マツダはフォードグループの中小型車の車体やエンジンを開発するという重要な役割をもっており、特に今後の高燃費の新車開発にマツダの技術は欠かせません。また不振だらけのフォードグループの中において、利益拡大を続ける企業としての会計上の役割も大きい。そのためフォードは再三マツダ株の売却はないといい続けてきました。しかし今回の金融危機はそれをも覆すほどの深刻な影響を与えています。マツダにとってもフォードは部品購入などにおける重要なパートナーであるので、親会社の不振はマツダの業績にも響いてきます。
 マツダ株の売却でフォードが目指す獲得金額は約1000億円ということですが、フォードは2008年第2四半期のわずか3か月間で9000億円(86億7000万ドル)近い赤字を出しており、この状況では焼け石に水。もっと根本的な対策が必要となります。緊急融資を受けてまだ食いつなげるのか、このまま倒産なのか、それとも他からの救済案が出てくるのか。

 そんななか、GMとクライスラーの合併の話も出てきています。しかし双方とも赤字を垂れ流し続ける会社。アメリカ市場で大型車を得意とし、小型車や高燃費車を不得意とするという意味でも共通しています。赤字企業同士が合併したからといっても赤字額が一本化されるだけの話であり、根本的な解決にはなっていません。もしこの合併が成功したとしても、新たな対策がいずれ必要となるのではないでしょうか。
 現在は原油価格が下がっているために、高燃費の車に対する需要ばかりが伸びる時代は終わり、また大型車の人気が出てビッグ3には優位という考えもあるかもしれません。しかし専門家も消費者も原油価格がこのままかつてのような安値で安定するとは考えていないのではないか。実際に原油価格が下落してガソリン価格に反映されても、大型車の不振は続いています。それ以上に将来を悲観した消費者の購買意欲の減退のほうが痛い。世論も倒産されるくらいならば外国企業でもいいからビッグ3を買収して救ってくれという意見が出てくるでしょうし、そういう動きが今後でてくると予測しています。トヨタによるGM救済ということもあるのかもしれません。



米フォード、マツダ株の売却を検討

10月11日15時15分配信 ロイター

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000574-reu-bus_all

 [東京 11日 ロイター] 米自動車大手フォード・モーター<F.N>が、保有するマツダ<7261.T>株の売却を検討していることが、11日わかった。関係筋がロイターに語った。米国発の金融危機などで不振にあえぐフォードは、資金繰りを改善したい考え。

 フォードはマツダの筆頭株主で、約33.4%の株式を保有する。売却の規模や、売却先は現時点で明らかになっていない。しかし開発力に定評のあるマツダはグループの中で重要な役割を担っており、フォードは大株主の立場は維持したいもよう。

 マツダは同日、「開示すべき具体的な決定事実はない」とのコメントを発表した。 

 フォードは折からのガソリン高に加え、急速に広がる金融危機を背景に、主力の北米で販売が低迷。連邦政府によるビッグスリーへの低利融資が決まった後も、市場の流動性低下で資金繰りが不安視されおり、株価は2ドルを切る水準まで落ちている。

 同じく業績悪化に苦しむゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>とクライスラーが合併交渉を進めていることも11日明らかになっており、米国の大手3社の不振が大型の業界再編に発展する可能性が出てきた。

 フォードは1996年、バブル期の規模拡大で経営不振に陥ったマツダに対し、523億円を追加出資した。出資比率をそれまでの約24.5%から約33.4%に引き上げるとともに、経営トップを送り込み、マツダの再建を果たした。 

 (ロイターニュース 久保 信博記者)

GMがクライスラー買収交渉…米紙報道

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000021-yom-bus_all

10月11日14時4分配信 読売新聞

 

 【ニューヨーク=池松洋】米ゼネラル・モーターズ(GM)が、米投資会社サーベラス傘下の米クライスラーの買収交渉を行っていることが10日、わかった。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)が報じた。サーベラスとGMの間で、GMの金融関連会社GMAC株と、クライスラー株を交換し、GMが クライスラーの経営権を握ることを提案しているという。米自動車大手は経営難に陥っており、買収が実現すれば、自動車業界の世界的な再編となる。

 一方、米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、サーベラスはGMとの交渉が不調に終わった場合、日産自動車・仏ルノー連合にクライスラーの売却を持ちかける可能性が高いとしている。

 GMはサブプライムローン問題によるGMACの経営不振も重なり、赤字に苦しみ、約1年前は40ドルを超えていた株価は、10日には4・89ドルにまで 落ち込んでいる。サーベラスは昨年8月に独ダイムラーからクライスラーを買収、06年にはGMAC株式の51%を取得したが、その後の急速な市場環境の悪 化に苦しんでいる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月10日 (金)

負の連鎖 大和生命破綻

 また今日も株式は800円以上の暴落でした。今日の夜七時のNHKのニュースによると、10日間で28兆円の個人資産が消えたそうです。今日の暴落原因の一つは大和生 命の破綻です。破綻の原因は株式の暴落によって損失が発生したことです。もしこれが100%本当ならば、今回の株式の暴落がなければ大和生命の破綻はな かったことになります。 またリートが破綻したのも金融システムがうまく働かなかったことが要因の一つです。
 今後も株式の暴落によってこのような資産の毀損が生じる企業は続出するでしょう。またこれ以上の毀損を避けるために、今のうちに資産を売却し ようとする動きも出てきます。そうするとそのような売却によってさらに株式市場は暴落していき、その暴落によって利益を失ったり破産したりする企業がまた 出てきます。消費減退や信用縮小による金融システムの硬直化も同様です。
 残念ながらこの負の連鎖が実に悪い形で素晴らしくうまく機能しています。そしてその大元は、すでに多額の不良債権が世界中で発生しているとい う事実によるもの。それを短期間で処理したり安定化させる方法が存在しない以上、まだ上昇反転するには基本的に早すぎる。今週末はG7もあるし何らかの対 策が出てくるでしょうが、取れる選択肢は限定的だと思います。長期的には当分低空飛行が続くでしょう。
 今の株価の下落があまりにも急激であるということで、一部の専門家は現在の株価の割安感を指摘しています。しかしこの負の連鎖によって、各国 のGDP成長率や企業の売上・利益は今後さらにはっきりと悪化していきます。それが今の株価の「割安感」を打ち消し、現在の株価を正当化するでしょう。現 在の株価は数ヶ月前に比べて割安に見えますが、将来の経済・業績見込みを基にするならば割安感はなくなると思っています。実体経済の悪化が数字上で確認さ れるのはこれからです。過去の数字を基に現在の株価を考えてはいけません。特にアメリカの株式はまだ下げ余地がある。

 多くの専門家は今回の大暴落を事前に見抜けなていなかったし、今後のことについても楽観しすぎているように私には感じます。はっきりいうと彼らの能力はたいしたことがないし、本来ならばそれを出し抜くいい機会なのだが。

大和生命が破綻=株安直撃、債務超過に-生保で7年ぶり、契約は大半保護

10月10日11時1分配信 時事通信

 

 大和生命保険(本社東京)は10日、一般事業会社の民事再生法に相当する更生特例法の適用を東京地裁に申請、受理されたと発表した。負債総額は2695 億円。金融市場の混乱による株価下落などで多額の損失が発生し、9月末時点で114億9000万円の債務超過に陥った。生保の経営破綻(はたん)は 2001年3月の東京生命保険以来7年半ぶりで、戦後8社目。
 大和生命の07年度末の保険料収入は業界41社中36位で、保有契約高は1兆2450億円。生命保険契約者保護機構により、支払いに備えて積み立てている責任準備金の90%まで保護される。保険金の支払いは行われるが、更生計画の策定まで保険契約の解除はできない。
 記者会見した中園武雄社長は「かかる事態を迎えることになり、心よりおわび申し上げる」と話した。同社は今後、社長以下の全取締役が辞任。更生管財人の 下でスポンサー探しを進める。スポンサーが現れない場合、同機構か、同機構が新たに設立する子会社が保険契約を引き継ぐ。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081010-00000048-jij-bus_all

上場リートが初破綻 ニューシティ・レジデンス投資法人

10月9日20時52分配信 産経新聞

 東京証券取引所上場のJリート(不動産投資信託)を手がけるニューシティ・レジデンス投資法人(東京都港区)は9日、東京地裁に民事再生手続きの開始を 申し立て、保全処分命令を受けたと発表した。負債総額は1123億円。上場リートを手がける投資法人の破綻(はたん)は初めて。

 東証は11月10日付での上場廃止を決定。同法人が発行している投資口は約18万口に上り、金融機関のほか外国人投資家、個人など広範にわたるため、大きな影響が予想されるほか、リート全体の信頼性が崩れ、投資家離れに拍車をかける可能性もある。

 同投資法人は平成16年9月に設立され、同年12月に上場した。資産運用を外資系企業に委託し、原則、賃貸住宅を投資対象として資産運用を行ってきた。 しかし、不動産市況の悪化で、金融機関からの不動産関連の融資が厳格化した影響で、資金繰りが困難となり、決済資金や借入金の返済ができなくなったと説明 している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081009-00000597-san-bus_all

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 3日 (金)

スターバックスの缶コーヒー

 低迷するスターバックスが缶コーヒーを新規に販売するそうです。今年の戦略論の授業では、ブランド価値を毀損するといった反対意見を前にスターバックスブランドでのプレミアム缶コーヒーの導入を提案しただけに、これには賛成するし頑張ってほしいところです。
 しかし気に入らない点もあります。商品は140グラムで税別170円だそうです。これは小さすぎませんか。標準的な缶コーヒーの190グラムでもあまり量が多くないと思うのに、140グラムというのでは飲んだときの満足感が果たして得られるのかどうか。まだ飲んだことがないので味と品質は別にしても、その量の割りに高いのではないのか。もし多くの消費所がそう思ったならば、たとえ味がよくてもどれだけ人気が得られるのか、少々不安があります。缶コーヒーの導入には賛成ですが、このサイズには賛成できません。

スタバ 高級缶コーヒー2種類発売 21日からコンビニで

 スターバックス・コーポレーションとサントリーは1日、エスプレッソ味の高級缶コーヒー2種類を21日から首都圏などのコンビニエンスストアで発売する と発表した。ビター味の「エスプレッソドッピオ」(140グラムで税別170円)と濃厚ミルクが特徴の「エスプレッソコンパーナ」(同)。一般的な缶コー ヒー(190グラムで税込み120円)に比べて割高だが、世界各地の厳選した高品質コーヒー豆を使い、2年の開発期間をかけてスタバ店舗の味と香りを再現 したという。(毎日新聞)

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/convenience_store/?1222909179

| | コメント (0) | トラックバック (0)

こんにゃくゼリーで死亡のニュース

 時々コンニャクゼリーで喉をつまらせて死ぬ人がニュースに乗っています。コンニャクゼリーの危険性が以前からこれだけ騒がれているのに、まだ続いているのかという気がします。
 しかし人が死んだことは非常に残念ですが、それで製造中止というのは問題であると思います。例えば毎年数多くの人が餅を喉に詰まらせて死んでいます。今まで餅で死んだ人は、17人なんて少人数ですむわけはないでしょう。しかし餅を販売中止にしろという声が一度もあがっていません。その大きさから考えれば、餅のほうがよほど危険でしょう。団子でも人は喉を詰まらせますし、焼き鳥などの串がささり怪我や死亡する人だっています。それなのに何故コンニャクゼリーだけが悪者扱いされるのか。政府は全国の餅製造業者を何故呼びつけて注意しないのか。
 結局のところ餅は長い歴史があって危険性をみんな認識していて、それで死ぬのは餅を食べたほうが悪い。コンニャクゼリーは歴史が浅くて危険性の認識が少ない、そして歴史が浅いから、この世の中から消えたとしても影響が少ないということでしょう。政府は人が死んでしまったために、これを放置しておけば自分の立場が悪くなるということもあるでしょう。
 しかし私には不平等な弱いもの苛めに見えます。これだけ何度も事件のことがニュースに出ているし、危険性の表示もされているのですから、食べるほうも注意をするのは当然です。同時にメーカーのほうも、新たな死者とさらに大きな社会問題になることを避ける意味でも、やはり対策をしなければ利益を喪失してしまいます。このようなことになっている以上、悪者扱いされるのを避けねばなりません。警告をもっと大きくするとか、喉につまらない形や大きさにするといった対策は必要でしょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081002-00000585-san-soci

こんにゃくゼリー「ミニカップ」製造中止も マンナンライフ側

10月2日23時2分配信 産経新聞

 こんにゃく入りゼリーをのどに詰まらせた兵庫県の男児が死亡した事故を受け、野田聖子消費者行政担当相は2日、男児が食べたゼリーを製造した業界最大 手、マンナンライフ(群馬県富岡市)の鶴田征男会長ら幹部3人を内閣府に呼び、警告表示の見直しなど今後の対応について説明を受けた。子供や高齢者が食べ ないよう警告する表示が小さい現商品の自主回収について、同社側は「検討させてほしい」とした。

 野田担当相は冒頭、「事故は痛ましいこと。(こんにゃく入りゼリーで)17人もの命が奪われ、前政権からゆゆしきこととして取り組んできたが、今回また犠牲者が出たことを厳しく受け止めている」と話した。

 野田担当相は、ゼリーの形状について、のどに詰まらせないようなものに変えることも要請。同社側は将来的に、事故のあったミニカップタイプの製造を中止する考えを示したという。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月 9日 (土)

航空会社の業績見込み

 私も海外旅行行きたいけれど、燃料サーチャージとか見るとうんざりして躊躇してしまいます。これでは絶対に航空会社は経営苦しくなるだろうと思ってたけ ど、同時テロ発生時より減少率が高いというのはきつい。座席数の減少は航空会社のリストラ策の表れなので、これでもって利益が減少すると決め付けることは 出来ません。しかし業界が好調とは言いがたい状況なのも確かでしょう。
 そんなわけで今週、長いこと持っていた航空会社の株を売ってしまいました。一時期はそれなりに含み益があったときもあったのだけど、長期で配 当と優待を狙って持つつもりだからと思って売らずにいたら、どうにも下落トレンドが止まらない。この原油高と景気後退のニュースに加えて、新型機の導入の 遅れや北京オリンピックツアーが思っていたより盛り上がっていないという話も聞く。さらには日系航空会社は燃料サーチャージを他国の航空会社よりはるかに 顧客に請求しているというニュースがありました。今はこの高いサーチャージのおかげで業績も思ったほど悪くないみたいだが、これを続けていると競争に負け るとか、今後サーチャージの値下げ要求が出るかもしれない。今売るというのはひょっとすると安値圏で手放すことになるのかもしれないが、このまま持ってい るともっと値段が落ちるかもしれないと思い、まだ利益の出ているときに売ることにしました。ここからさらに下がったら、また長期保有目的で買い戻すことに します。

旅客便:座席数累計、約6000万席減…冬の時代も

 【ロンドン藤好陽太郎】原油高騰や世界的な景気後退懸念を背景に、世界の航空会社による今年10~12月の旅客便の座席数累計が前年同期と比べ 5970万席(7%)減の約8億3000万席に落ち込む見通しとなった。英航空情報・データ会社OAGが集計した。推計通りになれば、米同時多発テロが発 生した01年(5%)を上回る減少率となる。

 OAGのキャスリー最高経営責任者は「空前の世界的減少だ。航空業界はかつて経験したよりも、はるかに深刻な事態に直面しそうだ」と世界の航空業界の冬の時代が続く可能性を示唆した。

 地域別では、アジアが前年同期比13%(3000万席強)減少する見通し。航空会社の再編が続く米国は、世界の旅客数減少のうち33%(2000万席弱)を占めた。一方、欧米間の旅客数は同2%増とプラスを維持しそうだ。

 旅客数の減少を受け、OAGは世界の275空港が路線の一部廃止に見舞われる可能性があると指摘。このうちアジア・太平洋地域は116空港、米国は32空港としている。

毎日新聞 2008年8月7日 11時07分(最終更新 8月7日 11時50分)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月23日 (水)

中絶一日2000人

 インドと韓国のクラスメイトに聞いたのですが、インドや韓国では、妊娠中の胎児の性別を両親に知らせるのが法律で禁止されているそうです。何故なら多くの両親は男を欲しがっており、女であることがわかると中絶手術をすることが多いからだそうです。そうはいうものの、やはり法律を破ってでも出産前に性別を知りたがる人がたくさんいるようで、そのために医師に賄賂を贈って性別を教えてもらうことがよくあるみたいです。
 それにしても一日2000人の女の子が中絶ですか。ということは一年で70万人以上の女の子が消えていて、いくらインドの人口が多いとはいえ、これはかなりの数です。日本ならばそれなりの大都市がそのまま毎年消滅しているとの同じ。そして女の子であるがゆえにこのように捨てられたり育児放棄になる数を考えると、または統計の正確性を考えると、実際にはもっと多くの子供が中絶や捨て子になっているのではないでしょうか。中国でも似たような状況だと聞いたことがあります。だから男女の人口バランスが崩れ、適齢期の男に結婚相手が見つからないという問題も生じているらしい。
 日本ではあまり考えられないですが、世界にはまだまだこういうことがあるということです。でも日本でもほんの100年前くらいには似たようなことがあって、貧乏な寒村とかでは生まれた子供が女の子だったらそのまま殺してしまっていたという話を聞いたことがあります。現代日本は平和です。逆に日本では女の子を欲しがる人が増えてるいるとか。人道的にも大問題ですが、すけべで女の子大好きな私としては、個人的にも男だらけの社会に生きたくない。でも貧困があるところではまだしばらくこのようなことが続くのでしょう。

 それにしてもそのお手柄の野良犬はその後誰も面倒見なかったのかな。


インドの野良犬たち、捨てられた女児の命救う

4月22日18時40分配信 ロイター

 

 [パトナー 22日 ロイター] インド東部ビハール州の村で、捨てられていた赤ちゃんの命を野良犬が救うという出来事があった。現地当局者らが22日に明らかにした。
 それによると、この女児は母親によって泥の中に置き去りにされたとみられるが、犬3匹がほえているのに気付いた住民らに助け出された。
 現地政府の高官は「犬たちは(赤ちゃんの)周囲の土をどけてからほえ始め、赤ちゃんも泣き始めたことで近隣住民の気を引いた」と述べた。同高官によると、女児は子どものいない夫婦に引き取られ、現在は無事だという。
 警察は、女児が死亡する可能性を承知で置き去りにしたとみられる母親の行方について捜査している。
 インドでは稼ぎ手となる男児誕生を望む傾向が強いため、国連の推計によると、1日当たり2000件前後の女の胎児の中絶が違法に行われている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080422-00000492-reu-ent

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 5日 (土)

美しいとは何か、生物学的に考えてみよう。

 人は何かを見たとき、それを美しいとか醜いと分類することが多々あります。形や色といったものが、本来の機能以上に重要であることも珍しくあり ません。ある調査によると(去年のハーバードビジネスレビューだったかな)、携帯電話の本体価格以上に、電話の色や形のカスタマイズにお金をかけている人 が多数いるそうです。車の性能を調べないままに、デザインだけで買う人がいます。服のデザインは多くの人にとって選択の際に非常に重要であるでしょう。
 デザインの力がビジネスに大きな影響を与えることは明白な事実です。人は何故物を美しいと判断するのか、そして何故それが重要であるのか。それを生物学的に考えてみます。

 哺乳類のような高等生物は、生きている間に様々な経験をし、それを脳に記憶します。そのような経験と記憶が積み重なったときに、それらは遺伝情 報として組み込まれると考えられます。鼠は見知らぬものを見たとき、本能的にまず警戒します。多くの場合は姿を隠したり様子を伺ったり逃げたりします。こ れは鼠が代々にわたって他の動物に襲われる存在であったことを考えれば、極めて自然な反応と言えるでしょう。
 アホウドリという鳥がいますが、何故このような名前で呼ばれるかというと、人が近寄っても全く警戒せずに逃げないので捕まえ放題だったからで す。通常アホウドリは絶海の孤島に昔から生息し、全く外敵がいなかったために自分が襲われるという経験が先祖代々ありませんでした。それ故に遺伝情報に警戒 とか逃げるという情報が組み込まれていないと考えられます。かくして一度絶滅が宣言されるまで、アホウドリは羽毛布団に変身し続け、日本人の寝床を暖めて 快適性に貢献したのでした。
 鼠は警戒心の強いものが生き残り、結果としてそういう遺伝子を持つもののみになったという意見もあるかもしれません。ある程度は本当でしょ う。しかしそれではアホウドリの説明が出来ません。この説だと、警戒心の強いアホウドリは生き残ることが出来ず、見知らぬものを見ても逃げない警戒心のない遺伝子をもったアホウドリのみが生き残ったとい う結論になってしまいます。ここで言いたいことは、経験情報は長い期間をかけて遺伝子情報として記録されるということです。その意味でこの私の説は、ダー ウィンの適者生存説に異議を唱えます。遺伝子は環境に合わせて変化するのであって、その環境にたまたまあったものが生き残るだけではないということです。

 人は味覚を持っています。絶対的なものではありませんが、酸味は食べ物が腐ったときの味であり、苦味は有毒であったときの味でもあります。一方 で甘みは糖分であり、体を動かす活力です。旨味はたんぱく質の味であり、体を作る成分です。人は酸味や苦味を苦手とすることが多く、甘みや旨味を誰に教え られるでもなく美味しいと感じます。長い経験から、甘みや旨味を自然に美味しいと感じるような遺伝情報が組み込まれていると考えられます。それが人にとっ て有利だからです。
 青色を美しいと感じる人はたくさんいます。例えば空の青い色は天気がいいことを指します。天気のよさは作物の成長を促し、或いは外出しても視 界がよく危険が少ないことになります。しかし灰色の空は天気が悪いことを指し、逆の意味になります。灰色の空の下では作物は育たず、視界も限定され、気温 も上がりません。灰色の空は危険な嵐が近いこともあります。灰色は人にとって悪いことを意味する色であることが多かったと考えることが出来るでしょう。灰 色を本能的に美しい色だと感じる人が多くないのは、こういった理由であると思われます。
 結局美しいと人が判断する基準は、過去の経験から遺伝情報として組み込まれているものを基にしている部分が多いということも出来ます。人にとって良かったもの、有益であったものに惹かれ、美しいと感じているのではないか。それが全ての判断基準ではないにしても、大きな影響を与えているであろうことが想像出来ます。
 ミケランジェロのダビデ像をみたときに、多くの人がその肉体を美しいと感じます。あのような若々しくたくましい肉体をもった男は、普通の人より も大きな力や行動力をもっていることでしょう。その男は普通の人よりも遠くまで行くことが出来、より多くの獲物を仕留める事が出来、敵を打ち破ることが出 来る可能性が高いでしょう。その肉体は本人にとってはもちろんのこと、その家族や仲間にとっても有利であったという経験情報が遺伝情報として組み込まれて おり、だから人は本能的にあのような体を美しいものとして好意的に判断するのでしょう。

 私の中ではここまでは非常に簡単な論理でした。しかしここから先が難しい。それは人の顔。何故に人は美しい顔と醜い顔を本能的に判断するのか。 いったい何が基準なのかわかりません。例えばトム・クルーズの顔を醜いと判断する人は、人種・宗教・文化に関わらず少ないと思われる。無論個々では彼の顔 が嫌いという人も存在します。でも絶対的多数の人にとって、彼の顔は美しい顔なのです。少なくとも私は、彼を醜い顔だと判断している大きな集団(例えばあ る国家の国民、ある民族等)の存在を知りません。これは、顔の優劣を判断する共通の遺伝情報が人に組み込まれていると考えられます。
 そして誰に教えられるでもなく、人は顔のいい人を本能的に好意的に受け止めます。しかし私の上記の理論を基にすると、顔のいい人とは、何か他 人と比較したときに優位性がなければならないことになります。何かの優位性があったからこそ、顔の良さを判断する基準が遺伝情報に組み込まれたのです。し かし体の筋肉量とかと違って、顔の形や目や鼻や口の配列が能力の優位性を直接表すとは考えにくい。例えば筋肉量が多い人は力が強くて、食糧確保に有利。実 に簡単です。でも顔の配置や形が一体何の優位性を表すのか。直接の絶対的優位性をどうしても思いつかない。
 それならば間接的にはどうだろうか。例えばいわゆる顔のいい人は、そうじゃない人よりも頭が良かったとか指導力があったとか。勿論統計をとっ たわけではないので、ただの仮説です。しかし仮説としてもこれは弱い。顔が良くなくても優秀な人は数多くいるし、顔が良くても能力の低い人も数多くいる。 少なくとも人がこれだけ人の顔の美しさを気にしているという事実、そしてそれを肯定するほどの決定的な能力の差が、顔の良し悪しで判断出来ていたとは思え ない。

 というわけで私の論理はここで行き止まりにぶつかってしまう。顔のいい悪いとは一体何なのか、そしてそれは具体的にどういう優位性があったの か。何故人は顔の良さを高く評価し、好意を寄せるのか。私も訳もなく美人が好きです。野生動物ですらパートナーを見た目で選ぶ場合があります。タテガミの乏しい雄ライオンは雌ライオンからまず相手にされません。ある種の鳥は、飾り羽のより美しいオスを選ぶ傾向があります。飾り羽はそのオスの生存能力とは全く関係ないと思われていてもそうなのです。 何故かはわかりません。ずっと昔から考え続けていますが、答えはまだ 残念ながら見つかりません。病気に強かったとか繁殖能力が強かったとか、仮説は他にも考えられますが、どれも証明する統計資料がありません。そしてどれも 決定的に説得力があるものではない。

 いずれ何か新しい発見があったらまた書きたいと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080404-00000002-maiall-ent

<ミスユニバース>「日本の女性は世界一」ジャンパー美馬さん“連覇”に意欲

4月4日7時15分配信 毎日新聞


<ミスユニバース>「日本の女性は世界一」ジャンパー美馬さん“連覇”に意欲

ミスユニバース日本代表に選ばれた美馬寛子さん。陸上競技で鍛えた美しい肢体を水着審査で披露した=2008年4月3日、小座野容斉撮影

 3日の最終選考会で、「ミスユニバース」日本代表の座を勝ち取った日本大学4年の美馬寛子さん(21)。06年2位の知花くららさん、07年1位の森理 世さんと日本勢が世界で好成績を残す“美のワールドカップ”に向け、「日本の女性は世界一美しいと思う」と“連覇”への意欲を明らかにした。

【写真特集】 美馬さんら10人が美しい水着姿を披露した最終選考会の模様

 美馬さんは86年、徳島県生まれ。幼いころから阿波踊りを学び、郷土の伝統芸能に親しんできた。中学生から陸上の走り高跳びを始め、インターハイ、国体など全国大会にも出場。日大文理学部体育学科で陸上を続けるジャンパーだ。

 森理世さんは「彼女は自分を信じる力があるので絶対に世界一になれると思う」とエールを送った。「国際性を身につけ、力強く生きていきたい」とミスユニ バースに挑戦。大学4年の美馬さんの同級生は就職活動の真っ最中で、この日もスーツ姿の友人たちが応援に駆けつけ、「みんなの姿を見て、心強かった」と 語った。好きな男性のタイプは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のウィル役で知られるオーランド・ブルームさんという21歳は「くららさんや理世さんの 後を継ぎたい」と目を輝かせた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ガソリン暫定税率失効

09年度からの一般財源化強調=与党若手に福田首相-租特法改正案

4月4日19時1分配信 時事通信

 

 福田康夫首相は4日午後、首相官邸で、自民、公明両党の中堅・若手議員でつくる「福田提案を支持し道路特定財源の一般財源化を実現する会」のメンバー約 30人と会談した。首相は、道路特定財源の2009年度からの全額一般化について「閣議決定や閣議了解、骨太の方針でも、骨抜きにさせない措置はやろうと 思えばすぐできる」と実現に強い決意を示した。
 この後、首相は記者団に「一般財源化はもう決めたことだ。もっとその先のことを考えてくださいという話をした」と述べた。一方、同会世話人の水野賢一自民党衆院議員は「首相の発言だから重く受け止めたい」と語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080404-00000127-jij-pol


 ガソリン税の暫定税率が期限切れを迎えて、社会が混乱しているようです。地方政府は予算を計上していたのに、税収がなくなって道路が作れなくなったといってます。自民党のホームページにはまだまだ日本には渋滞も多く道路が必要ですよと書いてありました。税金の廃止で2兆6000億円もの予算が消えてなくなるそうです。

http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2008_seisaku/zeiritsu/index.html

 しかし暫定税率が今年切れることなど30年も前からわかっていたこと。そもそも期限が切れて税金が入らなくなることを想定していないほうが異常。地方政府のお役人は、高速道路の無料化が実行されなかったときと同様、どうせ政府が期限を延長するさと気楽に考えていたのでしょう。私に言わせればこれは職務怠慢です。それにも関わらず中央政府が税収を払ってくれないなどと批判しているのはおかしい。
 また自民党はホームページで道路が必要であるとばかり言っておきながら、実際にはガソリン税を一般財源化すると言っている。それは税収で道路を作るわけではないということです。しかも今までの税金の非効率な使用による道路作りを考えると余計に納得がいかない。もっと渋滞の少ない道路網が既に作られていて然るべきである。

 一般財源が必要ならば、国民に改めてどこに税金を新たにかけるか問うべきでしょう。そして道路作りに関する自民党のホームページに書かれていることと、一般財源化するという実際の国会運営との矛盾についても説明するべき。現在の状況を鑑みて、当分原油価格が以前のような水準に下落することはないであろう。それでも暫定という約束を反故にして税金をかけ続けるのだから、国民を納得させる説明を早くからしなければならなかった。恐らく自民党でも暫定税率はなし崩しに維持できるものと、たかをくくっていたのではないでしょうか。最も民主党の主張も実現不可に見えて、強力な対案になっていないのが残念です。

 とりあえず一ヶ月で税金復活しそうなので、日本においてある私の車にガソリンを入れるように頼んでおくことにします。

 下記は自民党のホームページから



(1)ガソリン税は、あなたの街と暮らしを守っています。
 ガソリン税などの道路特定財源は、真に必要な道路を整備することはもちろん、過去の道路整備の借入金返済や除雪などに使われています。さらには、暮らしの安心・安全を守るためにも有効に活用されています。
国土交通省「道路の中期計画(素案)」より
こうした事業が円滑に行われないと、みなさんやみなさんの家族の「安心・安全」を守ることができなくなってしまいます。

 

(2)大変!あなたの住んでいる街の収入がこんなに減ってしまいます!
 ガソリン税などの道路特定財源の暫定税率を廃止すると、確かにガソリンは25円安くなるかも知れません。しかし、地方自治体は国からの交付金を含め、1兆6000億円もの収入がなくなってしまい、あなたの街の財政は大打撃です。 これでは、道路整備だけでなく、福祉や教育など行政サービスへの影響も計り知れません。

 

◆平成17年度 都道府県市町村別減収金額一覧
※金額は、平成17年度道路特定財源税収の暫定税率分と
  地方道路整備臨時交付金の合算です。

  ・北海道・東北
  ・関東
  ・北陸・甲信越
  ・東海
  ・近畿
  ・中国・四国
  ・九州

 

(3)都市・地方を問わず道路特定財源の維持を求める声が続々と発せられています
 道路特定財源の維持を求める地方自治体の動きが活発化しており、その範囲は都市、地方を問わず全国的な広がりをみせています。そのなかには、国会で暫定税率廃止を主張する民主党の支援を受けた首長や民主系の地方議員も多く含まれています。

 民主党は「今や、道路だけが優先される時代は終わった」「無駄な道路をつくらなければ、もっと予算は減らせる」などと主張しています。
 しかし、実際に地方から聞こえる悲痛な声は違います。
 都道府県議会、市町村議会では道路特定財源維持を趣旨とした意見書や決議が相次いでいます。
 また、 「地方のチャンスを奪わないでください」(和歌山県)
「岐阜県における道路の現状 中部でワースト1」(岐阜県)
「(暫定税率などの廃止で)除雪費は4半世紀前の予算額に」(北海道) など、
住民への理解を訴えるパンフレットやビラが地方自治体で続々と作製されています。

 道路整備を求める声は地方だけではありません。札幌市、横浜市、浜松市などの政令指定都市も「道路整備はまちづくりに欠かせない」と、道路財源の維持を訴えているのが現状です。

 

(4)つじつまの合わない民主党の主張
 民主党は、[1]ガソリンを25円引き下げる[2]一般財源化する[3]地方には迷惑をかけない[4]新しい道路をつくる、と言っています。これらの主張は財源の計算が成り立たず、答えの出ない連立方程式。まったく実現不可能です。



平成20年度の道路特定財源の税収見通しは、5兆4,000億円です。
  本則税率分 暫定税率分
3.3兆 1.6兆 1.7兆
地方 2.1兆 1.2兆 0.9兆

民主党の言うように、ガソリンを25円値下げするためには、ガソリン税など道路特定財源の暫定税率を廃止しなければなりません。
暫定税率を廃止すると国1兆7,000億円、地方9,000億円、合計2兆6,000億円の穴が開いてしまいます。

地方では、
地方独自の歳入減は、9,000億円。国からの地方道路整備臨時交付金7,000億円弱が廃止されるほか、市町村道への補助金6,000億円の交付も難しくなるので、実質2兆2,000億円の影響が地方財政に生じるおそれがあります。
多くの自治体は、新しい道路の建設はもちろん、道路の維持・管理や除雪、古い橋の修繕なども難しくなります。また、財政難のため、福祉や教育の予算へのしわ寄せも避けられません。

国でも、
暫定税率を廃止すると、1兆7,000億円の歳入減となり、国の歳入は1兆6,000億円。このうち地方へ配分される地方道路整備臨時交付金、さらには補助金を加えた1兆2,000億円を差し引くと、残るのはわずか4,000億円です。
この4,000億円では、国道の除雪や維持管理すら難しく、新規事業や、継続事業は一切できません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 2日 (水)

韓国の対北朝鮮政策の転換

 私は盧武鉉(ノ・ムヒョン)前韓国大統領が好きではなかった。彼はナショナリストであり、民族主義の前には現実から目をそらし、本来敵国であり韓国の利益を大幅に損なうかもしれないであろう北朝鮮に対して歩み寄りを見せ、同盟国であり経済においても重要なパートナーである米国や日本と対立を深めた。民族の団結こそ重要という彼の意思の元では、経済的に損が出ようが軍事・政治的にリスクが高まろうが、それは二の次であったのだろう。日本海を東海と言ってみたり竹島(韓国名独島)問題や靖国問題を拡大してみたりと、日本と積極的に対立を深めたことは記憶に新しい。
 それはまだいいのだが、私は特に彼が核開発を進め軍事力の維持に余念がない北朝鮮に歩み寄ったことを心配していた。北朝鮮は過去にも何度も約束を反故にして軍事開発を進めつつ他国からの大量の援助を騙し取り或いは脅しとってきた国である。そこに援助を継続しても、朝鮮半島の諸問題の平和的解決などが実現できるわけがない。国民を飢え死にさせつつも、平気で経済問題をほったらかしにして軍事開発に力を注ぎ続けるだろう。北朝鮮に援助を続けるということは、餓えた危険な人食い狼に餌を与えてやっているようなものである。実際90年代の合意以降、援助を受ける一方で北朝鮮はさらに長距離ミサイル等の開発や大砲の配備を進め、軍事力の強化を成功させている。
 だから今回の大統領選挙で彼が敗れ、新大統領が誕生したときは大いに期待した。北朝鮮には飴と鞭が必要である。無条件で援助を与え続けるという愚かな間違いをこれ以上してはならない。援助をする代わりに、核査察やその他地域の平和に向けての具体的な成果を獲得する必要がある。いつものごとく北朝鮮は威嚇的な対応を取るだろう。だがその威嚇に負けて無条件援助を続ければ、北朝鮮に威嚇こそ援助を得る最善の方法だと教えてやることになる。必要なことは、援助を得るためには北朝鮮も平和的解決に向けて前進する必要があると認識させることである。

 不思議なことは、北朝鮮が経済発展に対して未だに積極的ではないこと。北朝鮮に自国を支える経済力や食料生産能力がないのは明らかである。最早東西冷戦の時代ではなく、ロシアからの軍事的支援などない。軍事力による半島統一などアメリカが絶対に許さないだろう。イデオロギーや軍事力のみに頼っていける時代ではない。急激な政策転換は政治的混乱を招くから不可能としても、私が北朝鮮の指導者ならば軍事力傾倒から少しずつ経済の発展に力を注ぐ政策をとる。対立国からの援助も含めた他国からの援助なしでは国政が成り立たないという異常事態の解決方法が、未だに経済政策の転換ということにならない。
 それをしないということは、国内統治のコントロールを失ったりクーデターになったりするのを恐れているのか。それとも本当にこのままの軍事力傾倒政策で何とかなると思っているのか。いずれにしろ、北朝鮮の軍事力と暴発に警戒しつつも、米日韓は共同で、北朝鮮に従来の脅迫的・欺瞞的政策がもう役にはたたないことを教える必要がある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080402-00000016-mai-kr&kz=kr

 【ソウル中島哲夫】北朝鮮の「労働新聞」が1日付の論評で李明博(イミョンバク)韓国大統領を激しく非難し「破局的事態」に言及したのは、危機を演出して譲歩を引き出そうという典型的な「瀬戸際戦術」と言える。問題は局地的な武力衝突の可能性を排除できないという点だ。

 北朝鮮は3月24日以降、開城工業団地内の韓国政府要員の撤収要求▽黄海で短距離ミサイル発射▽韓国軍幹部の発言をめぐり韓国側当局者の軍事境界線通過 遮断を宣言--などを矢継ぎ早に行った。30日には「我々の核基地」を狙う動きには先制攻撃で応じ、その結果は「火の海程度でなくすべて灰の山になる」と の評論を朝鮮中央通信が配信した。

 これは単に李明博政権への威嚇ではない。北朝鮮報道機関の論評には、韓国が米国、日本との連携を強め、核問題解決の圧力が強まることへの警戒感が満ちている。6カ国協議が停滞する中、核開発の実態を隠したまま利益を得ようという意図もうかがえる。

 韓国青瓦台(大統領官邸)報道官は1日の労働新聞論評について「北朝鮮の真意を分析する必要がある」と冷静な姿勢を示した。9日投票の総選挙にも、今のところ大きな影響はなさそうだ。

 ただ、北朝鮮は威嚇に効果がない場合、さらに緊張を高めようとする場合が多い。未然の防止は関係諸国の課題と言える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

常習性犯罪者にGPS装着を検討

 こちらの地元のテレビなんだけど、時々性犯罪者達の写真・名前・住所等をひたすら流し続けるチャンネルがある。まあ次から次に犯罪者のデータが顔写真と 共に延々と登場してくるだけという、かなりつまらない番組なわけである。オクラホマいたときでも写真・データの掲載されたポスターが貼ってあったりしまし た。
 実際常習者は相手のことを考えるとかそういう考えが根本的に欠如していて、ほんとに何度も繰り返しやる人が多いと聞きます。もうこういう人達は何度 逮捕されても懲りない。彼らは自分がやりたいことを本能に忠実に実行する。よくこの手の規制問題を考えるとき、犯罪者の人権を侵害しているとかっていう議 論があります。しかし私は潜在的被害者の人権のほうがはるかに重要ではないかと思います。そもそもそのような犯罪をしなければいいわけですから、これも罪 に対する一つの罰として導入されてもいいのではないでしょうか。これらの規制によって犯罪が防げるのならば、韓非子と法治主義の好きな私は歓迎。確かアメ リカではもう既にGPS装着は導入されていたと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080401-00000039-yom-soci

常習性犯罪者にGPS装着を検討…自民小委が提言

4月1日14時37分配信 読売新聞

 全犯罪者の3割近くを占める「再犯者」による犯罪を防止するため、自民党の「治安再生促進小委員会」(委員長・山本有二前金融相)は、現在の保護観察制度を見直すことを柱とする治安再生への提言「世界一安全な国をつくる8つの宣言」をまとめた。

 出所者や非行少年の自宅を訪問する「出前型」の社会復帰支援策を打ち出し、常習性犯罪者に全地球測位システム(GPS)の装着を義務づけることも検討課題とした。政府の犯罪対策閣僚会議に報告し、政府の行動計画のたたき台にしたい考えだ。

 1948年から2006年9月までの有罪確定者100万人を法務総合研究所が調査した結果、以前に犯罪を犯していた者は28・9%で、事件数全体の 57・7%を占めた。特に20~24歳の再犯率は41%と高率で、刑務所などから出た後、社会復帰できずに生活に行き詰まって犯罪に走るという悪循環が指 摘されていた。

 このため同委員会では、定職に就く意欲のない若者などの自宅を相談員が訪問する英国の「コネクションズ(若者支援総合窓口)」制度をモデルに、「日本版 コネクションズ」を提言。対象者が定期的に保護司を訪ねる保護観察制度について、対象を出所者や非行少年にまで広げたうえ、保護司やボランティアが自宅を 訪問し、生活状況を見ながら相談に乗る制度に切り替えることを求めている。

 常習性犯罪者に対しては、欧米の例を参考に、自分では外せないGPS付き腕輪の装着を義務づけ、行政が行動をチェックする「電子腕輪制度」の創設も検討課題とした。

 外国人との共生もうたい、日系ブラジル人が多い浜松市に在留手続きや教育などの相談を一括して受ける「ワンストップセンター」の設立を提案する。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月20日 (水)

コソボ独立 2 クラスメイトの体験

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080219-00000905-reu-int

[プリシュティナ 18日 ロイター] 欧州主要国と米国は18日、セルビアから独立を宣言したコソボ自治州について、国家承認すると表明した。セルビアのコシュトニツァ首相は、米国の決定を非難、駐米大使の即時召還を命じた。
 また、同様にコソボの独立を承認したその他の国々からも大使を召還するとした。ただ、欧州連合(EU)外相理事会で最初にコソボの国家承認を表明したフランス、それに続いた英国、ドイツ、イタリアには言及しなかった。
 ライス米国務長官は「米国はコソボを主権を持つ独立国家として正式に承認した」と述べた。

 

 私は基本的に戦争が嫌いです。基本的にというのは防衛戦争などやむおえない戦争もありますので、全ての戦争を否定は出来ないからです。しかしものすごく嫌いで許しがたいのが、民族浄化や極端な人権損害や弾圧です。ちょっと古くはスターリンやヒトラーが欧州やソビエトで、もう少し新しくなると毛沢東やポルポトが中国とカンボジアで、今でも行われているのが北朝鮮やスーダンです。

 コソボも民族問題から戦争があり、その間に民間人が虐殺されました。戦闘後の占領期にも人権弾圧や虐殺があったと聞きます。

 最近コソボ独立記念でパーティをした話を書きましたが、そのコソボ出身のクラスメイトがニューヨークのサン(おそらくニューヨークの地方新聞)に寄稿していました。彼がコソボ出身と聞いて悲惨な経験をしたのかもと想像はしましたが、実は彼とあまりその話題について話したことはありませんでした。彼はしっかりしていますが、普段は冗談を言ったりして暗い影を見せません。でも彼の文章を読むとやはり悲惨が経験があったことがわかります。それにも関わらず、私は彼が復讐をしてやるとかセルビア人を殺すとか言っているのを一度も聞きません。ただ一言、殺し合いなど愚かなことだと言います。戦争だけでなく、この地域には歴史的な民族問題が根強く存在することを認識しました。

 英語が出来る人は原文を読んでください。訳の間違いがあればご指摘ください。

2月16日の土曜日はコソボ共和国の誕生の日として記録される。私は最早難民と国連の保護民との狭い隙間を歩く二百万人のコソボのアルバニア人でないことに有頂天である。ここにくるまでは長い道のりであった。

 コソボの独立は私の民族にとって長く険しいものであった。北大西洋条約機構軍(NATO)が1999年3月に空爆を開始したとき、そしてセルビア軍が私の国で民族浄化をしたとき、私と私の家族は難民となり、山を越えアルバニアに逃げ込んだ。アルバニアの親戚は私たちを寛大に受け入れてくれた。私たちは幸運だった。私たちの燃えさかる家と略奪されたアパートなんて大した損害ではなかった。

 私たちは新しく獲得した自由を喜ぶと同時に、争いの中で死んだ無実の人々にも敬意を示さなければならない。今日この日、私は当時17歳だったイリアという友人を思い出す。彼は他の数千人のアルバニア人同様、セルビア警察によって連行され銃殺された。私は彼の母親の苦悶を思い出す。彼女は数年もの間行方不明になった息子を探し続けたが、彼の骨が共同墓地に発見されたことをただ知らされただけだった。コソボの生まれた日とは、死んでいった犠牲者を人種に関係なく思い出す日でもある。

 私たちが自由への長い旅を祝福するように、この日はコソボの贖罪の日でなければならない。これは許しを探求し、そして与える良い機会である。私はこの日を、私の家を略奪した近所のセルビア人と私の家を燃やしたセルビア軍を許す日としたい。私の父親はいまだにその家を辛抱強く再建している。私は次に、私の民族が犠牲者としての意思を持ち、犠牲者から復讐者と役割を変え、長い苦しみに復讐していることに許しを請う。

 私たちは新しい国で喜こんでいる。だがもし私たちが現代的で自由で民主的でみんなに平等に権利と機会を与えるような国にするには、やるべきことがまだまだたくさんあることを知っている。コソボは欧州における最貧国である。失業率は40%であり、国民の殆ど半分は最低生活線にある。ここの隠居した人々は月に$50ドルしか受け取っていない。

 私の新生国は民族の線によって深く分けられた場所に存在する。私コソボの人々が新しい自由を謳歌する一方で、セルビア政府は「コソボのないセルビアなど有り得ない」と主張を繰り返し、全力で「精神の揺り篭」と呼ぶ地域の分離を拒否する。独立国家コソボの誕生は、民族間において偏見と不信感の渦巻き続けたこの地域の対立をすぐに終わらせるものではない。

私がかつて参加したサマーキャンプと、そこで出会ったセルビア人少年が気軽に私に「ナイフはどこに持っているんだ?」と聞いてきたことを思い出す。私は当時13歳だった。彼の両親は彼に「アルバニア人はみんな、セルビア人を刺し殺す機会を逃さないように、ナイフをいつも持ち歩いているのよ」と言っていたそうだ。その夏の間中、その少年は私のことを軽蔑の意味の名前で呼んだ。そして告白したい、私も同じことをした。

私は夏の終わりにプリシュティナ(コソボの首都)に戻り、そこでセルビア政府がアルバニアの子供たちはバルカンの間違った歴史を教えられているという理由で、学校を閉鎖していることを知った。私たちは勇気を持って、催涙ガスを撃ち込み警棒を振りかざすセルビア警察に抗議した。

 私の母親もまたその夏に公務員の職を失った。彼女はミロシェビッチ(当時のセルビアの大統領)の政党に加入することを拒否するという大失態を犯してしまったのだ。その政党は民族差別を拡大しているものだった。

 私はこれらの民族的固定観念を今日まで体験した。その固定観念はセルビア人とアルバニア人の社会に染み付いた憎しみを常に思い出させ、経済的政治的緊張によって増幅されていた。

 その新国家は、まるで治癒することのない一続きの傷のように、私たちの記憶と生活につきまとう歴史がある。しかし私たちはそれを治癒しなければならない。経験した暴力の終結を受け止めるにあたり、私は苦しみは何も生み出さないことがよくわかっている。

 世界で最も新しい国の未来は、私たちが苦しみから何を生み出せるかにかかっている。私は望む、私たちがこの機会を捉え、勇気と知恵を持ってバルカン半島に刻まれたこの延々と続く復讐を過去のものとすることを。それは私たちが、この未来を決定する新しく勝ち得た自由をいかに実行するかということだ。

 

http://www.nysun.com/article/71423

By VALON XHARRA
February 19, 2008

Saturday, February 16, marked the birth of my country: the Republic of Kosovo. I am elated that I will no longer be one of two million Kosovar Albanians who have been treading the thin line between refugee and resident of a United Nations protectorate. This has been long in coming.

Kosovo Independence ends a long and harsh journey for my people. When the NATO bombing started in March of 1999, and the Serbian forces ethnically cleansed my country, my family and I became refugees, fleeing over the mountains into Albania. We were the lucky ones. Our Albanian relatives accommodated us generously, and amid thousands of civilian deaths, our burned house and pillaged apartment seemed like insignificant losses.

As we rejoice in our newly earned freedom, we also must pay tribute to the innocent victims of this conflict. On this particular day, I will remember my 17-year-old friend, Ilir, who was among the thousands of Albanian civilians abducted and shot by Serbian police forces. I will feel afresh the agony of his mother, who for a long time hoped that her missing son was alive, only to be informed years later that a skeleton found on a massive grave in Serbia was his. Kosovo's birthday should be a day when we evoke the memories of victims regardless of their ethnic background.

As we celebrate the long journey to freedom, this should also be a day of atonement, Kosovo's own Yom Kippur. This is our opportunity to seek and offer forgiveness. I will mark this day by trying to forgive my Serbian neighbors for pillaging my apartment and the paramilitary Serbian forces for burning down the house that my father so patiently and stubbornly is trying to rebuild still. In turn, I ask for forgiveness for the moments when my own people, wrapped up in the idea of their victimhood, switched the role from victim to perpetrator, and so merely enacting the long known chronicle of revenge.

Even as we rejoice in our new state, we know that there is much work that remains to be done for Kosovo, if this state is to become a modern, liberal democracy with equal rights and opportunities for all. The new Kosovo will be the poorest country in Europe, with a 40% unemployment rate and with almost half of its citizens living under the poverty line. Retirees here will receive an equivalent of $50 a month.

My new country will remain deeply divided along ethnic lines. While we Kosovars rejoice at our newly found freedom, the Serbian government will continue to claim that "there is no Serbia without Kosovo," and will do its best to defy the secession of a region it calls its "spiritual cradle." Our country's birth will not bring an instant end to conflict in this region that has been hardened by prejudice and mutual distrust among ethnic groups.

I remember when I went to a summer camp and a Serbian boy came up to me and casually asked where I kept my knife. I was 13 years old. His parents had told him that all Albanians walk around carrying knives lest they miss an opportunity to slaughter a Serb. All summer long he called me derogatory names, and allow me to confess, I retaliated in kind.

I came back to Prishtina after that summer only to find out that the Serbian government had closed my school under the pretext that Albanian children were being taught the wrong version of Balkan history. We bravely protested while the Serbian policemen threw tear gas and swung their batons at us.

My mother also lost her job as a government employee that summer. She had apparently committed an unforgivable blunder refusing to enlist in Slobodan Milosevic's political party, the same organization that was spearheading the ethnic apartheid.

I experience these ethnic stereotypes to this day, constant reminders of the hatred ingrained within the Albanian and Serbian communities and harshened by economic and political tensions.

In my newly independent country there is a history that haunts our memory and lives like a stinging wound that, stubbornly refuses to heal. But we must make it heal. Having been on the receiving end of violence, I remind myself that suffering confers no privileges.

The future of the world's newest country will depend upon what we make of our suffering. I hope we can be brave and wise enough to grasp this opportunity to put behind us the long chronicle of revenge that has marked the Balkan peninsula. It is how we exercise our newly won freedom that will determine our future.

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年2月19日 (火)

橋下府知事とNHKの遅刻発言 裏事情

 今色々と話題の橋下大阪府知事とNHKの遅刻問題です。情報を検索した上で、裏事情を私が予想してみました。多分いいとこ衝いていると思います。

橋下知事

 同日同時間帯にはやしきたかじんの裏番組に出ているのに、いくら府知事としての仕事とはいえ無理にNHKの番組に出ることは出来ない。その日は公務で東京に行く予定もある。公務終了後に東京から生中継なんてとんでもない。そんなことをしたら番組に間に合ってしまって、裏番組とかぶってしまうじゃないか。とにかく公務を理由にした上に大阪まで直接帰り、裏番組が終了する30分間はスタジオに到着しないようにするぞ。とりあえずNHKには公務のために開始時間から30分ほど後に到着するとあらかじめ報告しておこう。

NHK側の対応

 新任の政治家が出演して当然のNHKの番組で新府知事を招いて討論をするのだから、新府知事はNHKに依頼した時間通りに到着して当たり前。橋下知事が同時刻に出演している裏番組などNHKでは知ったことではない。公務で東京に行く予定があって大阪に戻る時間がなかったとしても、東京で生中継して討論に参加出来るだろう。それをせずに時間をかけて大阪に戻り、たかが民放のバラエティの裏番組が終わるまで30分わざと遅れてスタジオ入りするとは、天下のNHKを馬鹿にしている。
 よし、それならば仕返しにスケジュール通りの「到着」ではなく「遅刻」を強調することで橋下知事のイメージを落としてやう。どうせタレント政治家だし、橋下知事とも言わず橋下さんで十分。彼の政策についてもしつこく聞いて吊るし上げてやる。NHKをなめるんじゃない。司会の藤井アナウンサーには彼を貶めるような態度と質問するように指示だ。

 NHKでは遅刻発言について「和ませようという趣旨」と主張しているが、ビデオを見ると二度も言ってそれを強調しています。とても場が和む物の言い方ではありません。その他の態度を見ても、おそらく組織的に上記のような方針で最初からやるつもりだったのでしょう。しかし世論調査の結果としてNHK は惨敗、でも一番割りをくったのはおそらく司会の藤井アナウンサー。多分彼女だけの意思決定でやったわけではないだろうに、一人悪役です。
 インサイダー問題や不正支出といった以前の問題も含めてこれだけ非難されているNHKですが、私はそれでもNHKは基本的にいいテレビ局だと思います。今回の件は恣意的であり褒められたものではありませんが、普段のNHKは公平な報道をしようとしていると思います。それに対して以前のテレビ朝日の久米宏の「ニュースステーション」などは、恣意的であるだけでなく馬鹿なことばかり言っていて最低でした。それにNHKの多くのドキュメンタリー番組や教育番組は非常に秀逸です。視聴率や広告スポンサーのことを考慮に入れなければならない民放には作れない良い作品が、NHKにはたくさんあります。それだけに今回のNHKの態度は残念です。
 NHKの最大の計算違いだったのは、橋下知事が普通の政治家ではなく、好き勝手に物を言い、すぐに感情的になるタレント出身の政治家だったということ。ここまで直接反撃されるとは思っていなかったでしょう。

 下は同番組の問題の遅刻発言の部分です。本当は最初に藤井アナウンサーが橋下知事の政策について否定的に質問を繰り返すもっと長い画像を見たのですが、削除されたのか発見出来ませんでした。

http://jp.youtube.com/watch?v=8wOKRg7Gm94


http://www.sponichi.co.jp/society/news/2008/02/10/01.html

橋下府知事“遅刻発言”NHKに絶縁状

大 阪府の橋下徹知事(38)が9日、大阪府庁で会見し、8日に生出演したNHK番組をめぐり「今後一切、NHKのスタジオには行きません」と強い口調で同局 と絶縁宣言した。番組出演前から、強引な出演要請にイライラしていたことも明かした。先月27日の初当選時から不信感はあったようで、怒りは当分収まりそ うにない。  冒頭こそ「こんなこと、ここで言っていいのかな」と遠慮がちにつぶやいたが、数秒悩んだ後、せきを切ったようにNHKをメッタ斬り。当初20分間の会見を、予定より15分のばしても言い足りない様子だった。

  事の発端は8日。東京で石原慎太郎都知事と会談するなど精力的に動き回った後、大阪でNHK「かんさい特集」(関西ローカル、後7・30~8・45)の生 放送に約30分遅れで出演。平松邦夫大阪市長(59)らと対談した。事前に「公務優先なので放送開始には遅れる」と伝えていた。

 番組側は同日、スタッフを東京に派遣。公務を切り上げて出演するよう「強硬に」要請してきた。橋下知事が断ると「では東京のスタジオで」と提案。これも 断ると「同じ新幹線に乗り込んで新大阪までついてきた」。急いでスタジオ入りした知事に、今度は大阪府立北野高校の同級生でもある藤井彩子アナ(38)が 「30分遅刻」と発言。これで「完全に頭にきた」という。「“こんばんは”のあいさつもなかった。出て当然と思っているのか!」とぶぜんとした表情。「お 金が黙って入ってくる組織というのはこんなものなのか」と語気を強めた。

 裏番組は、準レギュラーだった関西テレビ「ムハハnoたかじん」(関西ローカル、後7・29~7・57)。ここに「平松市長と一緒に出ていたと訴えても “これは義務だ”と言う。民放では考えられない」と声を荒らげ「今後一切、NHKのスタジオには行きません」と絶縁状を叩きつけた。

 実は伏線があり、当選時までさかのぼる。27日の開票後も午後9時のニュースに間に合うようにと、バンザイする姿を“無理強い”され、不満を募らせていたようだ。

 日本テレビ「行列のできる法律相談所」などテレビによる知名度を生かし府知事まで登り詰めたが、今度はテレビと、それも全国区のNHKと敵対することになった。

 ≪NHKは「十分な対応をした」≫橋下知事が番組で感情的な発言をしたことをめぐり、NHK大阪放送局には9日、視聴者から40件の意見などが寄せられ た。同局広報によると、内容は女性司会者に対して「遅刻というのは失礼」という声がほとんど。一方で「実際に遅刻してるじゃないか」との指摘もあったとい う。

 同放送局は、司会者の発言について「和ませようという趣旨だった。十分な対応をしたと考えている」と説明している。

[ 2008年02月10日付 紙面記事 ]

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月18日 (月)

コソボ独立

 とうとうコソボの独立となりました。独立したいコソボとそれを認める西欧各国、独立を阻止したいセルビアとセルビアを支持するロシア。各国にとってそれぞれ言い分があるし利益が絡んでくるので、とても難しい問題です。どちらかが得すれば片方が損をする。みんなが納得出来る解決法は存在しないでしょう。でも元々他民族国家のユーゴスラビアで、昔から民族間の対立があって、戦争で傷つけあってしかもセルビア人による虐殺まであって、もう一つになってうまくやっていくというのは事実上無理。これらの国が平和的に再統合されるには長い時間が必要になると思います。

 実は私のクラスにはこのマイナーな国の出身者がいます。今日は人生唯一の特別な日、彼の国の独立記念パーティがありました。嘘かほんとか知らないけれど、今までセルビアのパスポートしかもてなかったけど、そんなものは燃やしてしまったと言ってました。初めて母国を持つ日、母国のパスポートを持てる日、自分の望まない国籍を捨てる日というのはどういう感覚でしょうか。日本人というだけであちこちに自由に行けるというのは随分と恵まれています。Pict0012_2

http://mainichi.jp/select/world/graph/kosovograph/

コソボ:独立宣言を採択 米欧承認へ、セルビア反発

 【プリシュティナ小谷守彦】国連暫定統治下にあるセルビア共和国南部コソボ自治州の議会は17日、特別本会議を開き、セルビアからの独立宣言を採 択した。米国や欧州連合(EU)加盟国の大半が独立を承認する見通しだが、セルビアやロシアは反発。国際社会の対応は割れ、対立が深まる恐れもある。

 サチ自治政府首相は、コソボ独立を容認したアハティサーリ国連事務総長特使の調停案に基づき、「独立民主国家になる」と宣言、新憲法の早期採択を約束。一方で、少数派セルビア人の文化・伝統の保護を強調した。

 コソボは98年のアルバニア系住民とセルビア人の民族紛争から10年を経て、独立国の歩みを始める。社会主義体制だった旧ユーゴスラビアの解体は 最終章を迎え、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、セルビア、モンテネグロ、コソボの7カ国となる。

 地元紙が入手した新憲法草案によると、新国家名は「コソボ共和国」となる。「多民族国家」と位置付けられ、世俗主義を掲げる一方、信教の自由をうたう。

 コソボには約1万6000人の北大西洋条約機構(NATO)部隊が引き続き駐留し、EUが約2000人の文民支援部隊を派遣する。

 セルビアのタディッチ大統領は17日、「独立は認めない。外交的、法的手段で応じる」と対抗措置を警告。コソボ北部のセルビア人居住地域では独自に議会を設置しコソボからの離脱を目指す動きも出ている。

 2008年2月18日

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月17日 (日)

府債発行ゼロ撤回

新大阪府知事の橋下知事 府債発行しないと言っておきながら、やはり現実を鑑みて前言撤回だそうです。簡単にネットを見てみたところ、これには否定的な意見が多かったです。「何も わかっていない」とか「一貫性がない」とか「政策を簡単に変えすぎる」といったものが多いように思います。

 でもいいんじゃないでしょうか。果たして選挙に立候補する前から大阪府の財政について、限られた情報と限られた時間と限られた人的資源の中で詳 しく勉強出来るかというと、おそらく出来ない可能性のほうが高いでしょう。もし最初の意見が良くないというのがわかったならば、それを修正することが大阪 府の利益につながるのならば、あえて批判を受けたとしても変更すべきです。
 そもそも最初に立てた計画や公約を、不利益になるのに無理やり守ろうとする態度のほうが私は問題だと思います。以前東京都知事に立候補した青 島候補、公約として都市博覧会の中止を発表しました。ところが中止すると違約金などの問題でかえって損失が膨らむことが当選後にわかりましたが、結局彼は 都民の利益を無視するかたちで都市博の中止を決定しました。彼は自分の公約と東京都の利益の選択肢を与えられたとき、自分の公約を守ることをより重要とし たのです。そもそも公約とは国民の利益になるための政策であるべきなのに、完全に矛盾しています。彼の勉強不足が原因なのは明らかですが、それよりも責め られるべきは、彼が間違いを犯したときにそれを訂正しなかったことです。
 人間は間違いをするものですから、それは良くないことだとしても止むを得ないことでもあります。それを訂正しないことは、間違いをすることよ りもずっと悪いことだと思います。そして自分の体裁を取り繕うためや、言い出したことを引っ込めることができなかったためや、自分のプライドのために、自 分の最初の意見に固執する政治家や経営者や官僚が数多くいるのではないでしょうか。たとえ朝三暮四と言われようと、より良い方法を探るのならば変更は仕方 ないでしょう。特に橋下知事は行政や財政の専門家ではないし、知事になったばかりで実態を良く知らないのですから猶更です。
 そしてこのような議論というのを私