アメリカはかなり交渉次第でなんとかなるとも言われます。ファストフードでハンバーガーを注文するときも、「ケチャップ多めで」とか「ピクルス抜きで」と
かで作ってもらえるし、レストランに行ったときにメニューに載っていないものでも交渉次第で作ってもらえると言います。
2006年秋に今回の大学院を受けるとき、実は問題がありました。TOEFLの公式記録は受験してから二年間有効です。前回私が受けたのは2004年の
10月末。そして今回の大学院を受験しようとしたのが2006年の11月初め。要するにほんの1,2週間ですが、有効期限を過ぎていました。結局TOEFLの公
式記録が残っていないので、スコアを送ることが出来ませんでした。
それならば新たにTOEFLを受けるしかない。ところが当時私の住むニューヨーク州の受験会場は、全て年内は予約が一杯で試験が受けられない。カリフォルニア州とかは開きもあったけど、睡眠時間もろくにとれないほど忙しい私が、そんなところまで行く時間がとれるわけもない。
そこで大学の事務局に「予約が一杯で試験が受けられない。私は試験さえ受ければ、要求されている600点なんて簡単に取れる。だからとりあえず
公式記録じゃない古いスコアが600点超えてるし、これで受験させてよ」と言ってみたら、あっさりとTOEFLは免除になったのでした。ほんと何でも言っ
てみるものだと感心しました。
実のところを言うと、最近TOEFLは従来のCBTからIBTという新方式に切り替わっています。そのため日本人の得意な文法セクションがな
くなった代わりに、日本人の苦手なスピーキングセクションが追加されています。だからその状態でほんとに軽々と600点とれるかどうかは正直自信がなかっ
たんだけど、強気で言ったのが良かったみたい。そんなわけで私はTOEFLの公式記録なしで合格したのでした。
ソフトバンクの創業者の孫正義氏が確か17歳のとき、カリフォルニア州での大学検定試験を受けたときの話。以下ウィキペディアより。
その際に、「この問題は日本語ならば必ず解ける。」と言い、辞書の貸し出しと時間延長を試験官に申し出た。試験官は、自分の上司にあたる人間に
相談。さらにその上司は、自分の上司に相談。そうこうしているうちに、最後は州知事にまで孫は電話で交渉して、「辞書の貸出し」と「時間延長の要求」をの
ませたという逸話が残っている。さらに、州知事とは「厳密な終了時間」を決めず、「辞書を引くのに適当な時間だけ延長する」という結論であったとして、無
期限の時間延長と孫は解釈して、テストを受けて合格したという。
まだ十代の少年が、初めて行った異国の地で、しかも州知事相手に普通そこまでするか? 残念ながら十代の私ならば出来なかっただろう。いったいどうやって交渉したのか知らないが、彼は常に大きな交渉を成功させている。
そんなわけで私も大学相手にさらに奨学金の追加を交渉してみました。この学校、ちょっと授業料高すぎるのです。結果的には残念ながら予想通り断られました。曰く、「あなたは合格させるには十分
だけど、高額の奨学金を出すには点数が足りない。ちょっと前ならばあなたでも高額奨学金が出たかもしれないが、今年は非常に競争が厳しい」と面接でも言わ
れたことを繰り返されました。
実際に合格者の平均点数も最近上がっているし、大学のランキングも上昇している。私の点数もちょっと前ならば合格者平均点よりも「多少は」上
だったけど、去年のデータと比べると苦しくなっている。だいたいGMAT700点なんてやつがうちの学校受けてちゃ駄目でしょう。そん
なやつらはどうせMITかハーバードにでも行っちゃうんだから、私に回して欲しいものだ。
とにかくやるだけのことはやりました。それで失敗したのだから仕方がないと思います。わずか5000ドルの奨学金だって、もし面接とメールで交渉していなかったならば、私の点数からしてこれさえもらえなかった可能性があります。
「我ことにおいて後悔せず」五輪書より
「人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る」コーネル大学ギロビッチ博士
精一杯やってこの結果です。TOEFLの交渉をしていなければ、受験さえ出来ていなかったでしょう。というわけで今回はここまでが私の限界だったのではないかと思います。
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